« 盛田選手おすすめラーメンを食べました | トップページ | 大阪橋下知事の言説アレコレ »

2008.11.03

憲法公布日にあたり改めて日本国憲法を

とかく平和憲法に論が進みがちな憲法談義ですが、
今日は自由論と絡ませて考察を加えていきたいと考えています。
ここ近年、とみに高まって来た改憲構想。
その背景には「日本の大国主義化による多国籍企業の利益追求」を基盤として、
「世界の日米同盟」にコミットメントがあります。
私がSOS日本国憲法と銘うってエントリーを挙げたのは2004年の11月です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
17日、自民党憲法調査会がまとめた改憲案大綱の原案が明らかになりました。
これを読むと、自衛軍の明記、海外武力行使が際立っています。
また、国民は国家の独立途安全を守る責務を有するなど「国防の責務」が明記されています。
さらに、総理は「国家緊急事態」を布告、戒厳令を敷く権利が与えられています。
私たちの生活に直結することでは、
「新しい人権」として肖像権などが述べられ、
「納税」の責務の他、「社会保障その他の社会費用を負担する責務」も盛りこまれています。
そして、
一番問題なのは、
改憲手続きの方法です。
国民投票抜きにして、国会の2/3の賛成で可能にする方向へと導いています。
この原案は起草委員会の論議を経て来月初めには総会で「大綱」を決定する予定です。
(上記エントリーより)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
自民党憲法起草委員会はこの時の原案を受けてドンドン改正案草稿を出していきます。
「21世紀における現代憲法は国家と国民を対峙させて権力規範にと止まらず、国民の利益ひいては国益を護り、増進させるために公私の役割分担を定め、国家と地域社会・国民がそれぞれに供ど恊働しながら共生する社会を作っていく」という精神を前面に出しています。

強調、特徴は国家と国民の恊働、共生と言う言葉です。

そして個々の改正案から抽出される思想は「同一性」ではないかと思われます。
国家と国民、国民相互の関係を、伝統と文化の共同体から家族・地域へと同心円上につながっていきます。
従来にはなかった伝統や文化と言う言葉で独自の価値を憲法に織り込もうとしています。
国民主権・平和主義・基本的人権の尊重に加えて「品格ある国家」「歴史・文化・伝統に根ざした我が国固有の価値観」が見え隠れするようになりました。
国民の利益、国家の利益、国家と国民の恊働、統治の客体から統治の主体へなどなどと強調しているのが特徴です。
さて、
その具体的な例として家族条項が挙げられ、当時批判の矢面に立たされました。
ネット界でも多くの方々の議論の的になり、
私も青い鳥コンプレックスと言うタイトルでエントリーを挙げました。
ちなみに憲法24条がその時のテーマの中心でした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
憲法24条

婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これに関して
プロジェクトは以下の通りでした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この分野における本プロジェクトチーム内の議論の根底にある考え方は、
近代憲法が立脚する「個人主義」が戦後のわが国においては正確に理解されず、
「利己主義」に変質させられた結果、
家族や共同体の破壊につながってしまったのではないか、ということへの懸念である。
権利が義務を伴い、自由が責任を伴うことは自明の理であり、
われわれとしては、家族・共同体における責務を明確にする方向で、
新憲法における規定ぶりを考えていくべきではないか。
同時に、科学技術の進歩、少子化・高齢化の進展等の新たな状況に対応した、
「新しい人権」についても、積極的に取り込んでいく必要があろう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
家族や共同体が公共の基本単位であると述べています。
そして一番小さな公共体である家族が「児童養育」「老親扶養」などを憲法に書き込む事にしようとしています。
家族が国家との連続・延長の上に在り、国家の下支えをするというものです。
また、
「国および地方自治体は家族の社会的、経済的および法的保護を保障しなければならない」「国の責務として家族を保護する規定を設けるべきである」「家族は社会の基盤として保護されなければならない」と言う改正案の言い分はワイマール憲法と比較検討が専門家の間でなされたものです。
西欧立憲主義思想とは違って、日本のそれは、
国家が指向する価値と利益に貢献する限り認め保障しますよ、という官治的な考えである事は当時、憲法学者の間から指摘されたことです。
つまり、
国民に家族と言う精神論で、欠落する社会保障さえ担わせる構図に対して批判の対象になったのです。


憲法24条。
法的性格と保障は学説でも様々なのです。

14条の平等原則(すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。)の家族関係特定規定と考えるのが一般的な見解のようです。
が、
13条の幸福追求権の家族関係に関する保障内容とする見方も近年多くなりました。
( すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。)


少子化問題、
同性カップル問題、
シングルマザー問題、、
などなど様々な現実において、婚姻当時者以以外の介入が認められる改憲案はそれだけでも非現実的である事は論をまちません。
非現実的どころか、
「女性は子どもを産む機械」発言や「子どもを産まない女性に年金は支給しない」発言など近頃の大臣の発言をみると、
国が女性の リプロダクティブライツにまで踏み込む内容で憲法24条に抵触することは勿論です。

家族条項だけでなく財産権についても改正案は財産権は保護されるが、将来の国民の為に公益が重視と謳い、公益、公序に適合するように法律で定めるとしています、、、
この場合の財産は土地が主です。
この法律とは「武力攻撃事態法」
「改正自衛隊法」です。
こうして、
家族、個人財産などを国家に吸収させていく改正案。
安倍さんが総理になったときは、随分と憲法改正に対して議論を呼んだのですが、福田さんが総理になったおりは、頓挫していました。
しかし、麻生さんが今また、改憲に熱心な総理である事を考えれば、しっかりと憲法を見つめていきたいものです。
何故、現憲法を変える必要があるのか、、、私にはわかりません。
それどころか、その理念には頷くばかりです。
今後、ますます現日本国憲法の優位性を論じていく必要をヒシヒシと思う者です。
これからも、折りに触れ論じていきたいと思います。

|

« 盛田選手おすすめラーメンを食べました | トップページ | 大阪橋下知事の言説アレコレ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15797/42995946

この記事へのトラックバック一覧です: 憲法公布日にあたり改めて日本国憲法を:

» 自衛隊解体論も [ブログ blog で 情報交換]
政治学者五十嵐仁さんがblogで、最近の自衛隊の腐敗の状況に心痛されて自衛隊の解 [続きを読む]

受信: 2008.11.04 12:47

« 盛田選手おすすめラーメンを食べました | トップページ | 大阪橋下知事の言説アレコレ »