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2008.12.08

外国人籍の子どもの就学について

国籍法を巡る法律改正について国会を中心にネット界でも討論・議論があちこちで盛り上がっています。
私個人は、この問題は改正案には同意の立場ですが、今後も注意深く見ていきたいと思っています。
さて、今日は国籍法とは別に「外国籍の子どもたちの就学状況」について調べてみました。
外国人集住都市会議が中心になってこの問題を取り上げるようになったのは、つい最近の2005年です。(四日市で開催)
この会議で「政府の規制改革要望書」に就学義務化の項目も入ったのです。
そして17の自治体で外国人労働者の定住化には子どもの就学義務化も打ち出しました。
が、
外国人の権利を保障しようと考えている論者の中でも「子どもの就学」については疑問が出されたりと、未だ停滞している現状です。
では以下に現実の数字と、法律的解釈の変遷と国際的な関わりを見ていきます。
まず数字。
外国籍の子どもの不就学は1.1%(2005年)です。しかし不明は17.5%です。
転居や出国などの理由で調査できないことが大きな理由です。
また理由のもう一つに外国籍の子どもたちの就学は法律上義務化されていないことがあります。
学校教育法では外国人学校は「学校」とはみなされていません。
ゆえに公的支援もされていません。
まず外国人学校の法的整備を確立することが前提です。
また日本の公教育は、教育基本法改正に伴い愛国心教育が前面に打ち出されるようになりました。外国の子どもたちに日の丸や君が代を伝えていく事はいかがなものかという論などが討論されています。
就学の概念が曖昧であったり、受け入れ皿の不備なども現状の一つです。

と言う事で、次に法律解釈の変遷を見ていきます。
日本国憲法26条。
「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」

この「すべての国民」に外国人が入るか否かと言う事に付いて、従来の解釈は「教育を受ける権利を社会権のなかに分類」するというものでした。
つまり「国民のみを対象」とするとのことです。日本が教育に責任を負うのは日本国籍の子どもたちだけである。外国籍の子どもたちは当該国が責任を負うという解釈でした。
ところが国際人権規約批准により、外国人の権利保障が一段と考量されるに至り、この就学義務化もクローズアップされました。
憲法解釈として「権利性質説」が出てきます。
外国人の権利が大幅に広がり深まりました。
が、まだこれだけでは就学義務化には至りません。
次に出てくるのは「教育を受ける権利」です。
この権利に関しては国際人権法からの展開が必要とされます。
国際人権A規約13条に「初等教育は義務」と定めています。
また「この権利は人種や皮膚の色や性、言語、宗教、政治的意見、、、、」など諸々において差別される事無く保障されると謳われています。
こうして、国際法上、外国籍の子どもたちにとっても就学の義務と保障がなされたのです。
文科省も2006年には就学手続きでの確認に外国人登録証明があってもなくても、一定の信頼出来る書類で、子どもたちに就学の門戸を開きました。
現実には、受け入れる日本の公教育が未だ整備が整っていないなどもあり、
どの学校を選択するか(日本の公教育が外国人学校)は保護者の選択に委ねられています。

と、言うことで初めに戻るならば、
ますます外国人学校の保障と日本の公教育での受け入れ方(言葉や慣習など)を見直す必要があります。
いずれにしても、
国籍の有無を問わず、一人の人間として成長発達の機会である教育を保障する事の大切さを望みながら、このエントリーを結びます。

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コメント

せとさん。お早うございます。
ほんとうに大事なもんだいですね。人間はみーんな夫々かけがえのない一生を背負っております。どこの国の子供達も同じだと思います。問題点はせとさんの記述の通りと私も思います。あと、「子どもの権利条約」がこれから凄く大きな役割を果たすことになると、私は睨んでおります。

投稿: hamham | 2008.12.08 13:20

おおおおお〜〜〜hamham さん。
そうなんです。
そうなんです。
私も「子どもの権利条約」、入れようと思いながら忘れていたのです。
ありがとうございます。
世界人権規約のことばかり書いていて、頭をサッと掠めたのに、書き忘れたのです。
ご指摘、ありがとうございます。
そして、嬉しく思いますヽ(´▽`)/

どうぞ、これからも宜しくお願いいたします。
じゃ〜〜〜〜ね。

投稿: せとともこ | 2008.12.08 13:49

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ニセ科学を批判するみなさんは気が付いていないようですが、 『水からの伝言』でも、ほんの少し表現を変えれば十分に『科学的に正しい』になるんですよ。 『美しい言葉が美しい結果(結晶)が得られる』と確定的に言うから宗教になるし、科学を詐称すれば『ニセ科学』と呼ばれる。 しかし、これをほんの少し変換して、 『特定の条件が加われば美しい言葉が美しい結果(結晶)を得られる事が有る』なら如何でしょう。? 美しい結晶が必ず確定的に出来るとするから、科学的に間違っている(ニセ科学)とされたが、確率的に出来る(偶然... [続きを読む]

受信: 2008.12.08 13:11

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