そろそろ裁判員制度が始まりますね、、、
この問題も、じっくりと考えていきたいです。
陪審裁判を描いた『十二人の怒れる男』。
感動とともに「裁判のありかた」を問うた有名な映画です。
この映画を見ていたら、確かに裁判員制度もかなり積極的な意味があるように感じたりするのですが、
が、
実際はかなり国民に負担がのしかかるようでもあります。
司法制度改革審議会のなかで市民団体や労働組合、日弁連などの代表が、国民が裁判に参加する陪審制を強く主張する議論を反映してできたという背景を理解しつつも、、、
国民参加の制度は、多くの諸外国で、国民が有罪無罪を決める陪審員制度、国民が裁判官と同じ資格で裁判に参加する参審員制度などの形で今では普通に行われています。
それは、裁判への参加が単なる「義務」ではなく、司法権に参加することが主権者である「国民の権利」として理解されているからなのですが。
この制度が導入された背景には、日本の刑事裁判の実情があります。
2004年の法律で決まりました。
理由は、
国民の常識では考えられない判決や、「えん罪」がしばしば起きていることへの対処です。
私が知っている限でも、沢山の事例が思い浮かびますが、
現実はもっともっとあるんでしょうね。
その根本原因として、
試験に合格して研修後、社会経験の少ないまま裁判官になり、着任後も社会生活から切り離されることの多い裁判官に刑事裁判がまかされていたこと。
裁判官が警察・検察のウソの自白強要によって作られた自白調書を証拠として扱うことが「えん罪」の大きな要因などなどが挙げられているようです。
裁判官も経験が少ないから、いきなりの判決では誤る場合もあるとは思います。
まて警察組織の実績主義なども冤罪に結びつく原因の1つのようです。
が、
が、、、
裁判官もいずれ経験をつみ
警察も実績よりは確かな証拠をと、改革していけば、
冤罪は、今よりグウウウ〜〜〜〜ンと減るのでは、と思います。
国民が裁判に参加することは、利点もいっぱいあるのだろうが、、、、、
ただ、今、現実に、
裁判員制度の実施と導入にあたっての「さまざまな環境整備」が整っているのだろうか???
と、思う次第。
まず、私たち国民のはっきりした合意ってあったっけ???
この5月を目の前にしても、
私たち国民の多数が消極的、否定的な意見をもっています。
昨年3月の日本世論調査会による調査によれば、
裁判員を務めたくないという立場を表明した人は実に72%、
務めてもよいと表明した人は26%。
近づくにつれて、ますます不安が高まります。
安心して裁判員になるための条件整備が、依然として整っていない今、
本当に実行できるのだろうか???
仕事や日常生活との関係。
裁判員になれば、最低でも3〜5日間、場合によっては1週間や10日以上にもわたって拘束され、連続的に裁判員として裁判に参加しなければなりません。
この間、どのような地域に住もうと、どんな職種であろうと「原則として裁判員を辞退できない」とされています。
うううう〜〜〜〜ん。
しかも、会社員の場合、それが「公休」扱いされるかどうかは、個々の企業の判断に委ねられることになっています。
この不景気な時代に。
会社を1週間近く休むのは、かなりキツイ。
中小零細企業や自営業者の場合も、辞退できるかどうかの明確な基準はなく、それぞれの裁判所の判断に任せられています。
また、
裁判員になることにともなうさまざまな罰則が設けられている問題です。その代表的な例が、
裁判員の「守秘義務」です。これは、判決にいたる評議などについて、家族であれ友人であれ、その内容を明らかにすることを禁じたものです。
これは当然と言えば当然なのですが、
れに違反した場合、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられることになっているのです。
これはキツイ。
そして、やっぱりコレです。
裁判員になることの心理的な負担・重圧や、思想・信条にかかわる問題。
裁判員制度の対象となる裁判は、死刑や無期懲役・禁固刑につながる「殺人」や「強盗致死傷」、「放火」などのいわゆる「重大犯罪」です。
こうした裁判では、ふだん接することのない犯罪被害者や現場の写真、証拠などに直接触れることになります。
これが心理的負担になることは、当の裁判所自身が「裁判員の心のケアが必要」というほどのものです。
ううううう〜〜〜〜〜ん。
凄い負担です。
負担にも関わらず全部自分の胸にしまい込んでおかなければならない。
大変です、、、
こうした環境が整わないまま実施しても、
本当に当初の目的である
「冤罪」を生まない、が制度的保障されるのだろうか????
裁判の対象が重大犯罪であるにもかかわらず、最初から3〜5日間程度で結審すると見込んでいるスピード判決で冤罪防止になるのか???
裁判を短期間で終わらせるために、裁判員制度の導入の際に「公判前整理手続」を行うことになっています。
これは、裁判員を除く職業裁判官と検察、弁護士の三者が、非公開で裁判の進め方と証拠、論点を事前に話し合うというものです。しかし、証拠の開示が捜査当局の一方的な意思の下に置かれ、警察や検察による被疑者の取り調べが密室で行われている現状で、こうした制度が導入されれば、裁判員裁判が「冤罪を生む新たな舞台」にさえなりかねないということです。
導入前よりも冤罪が増える可能性もあります、、、
こうした点を再考、熟慮したうえで、
よりよい司法制度になることを願ってやみません。
なお
保坂展人のどこどこ日記が詳しく集中審議の模様を伝えてくれています。
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