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2009.04.08

もうすぐ裁判員制度が始まる、、、

そろそろ裁判員制度が始まりますね、、、
この問題も、じっくりと考えていきたいです。


陪審裁判を描いた『十二人の怒れる男』。

感動とともに「裁判のありかた」を問うた有名な映画です。

この映画を見ていたら、確かに裁判員制度もかなり積極的な意味があるように感じたりするのですが、
が、
実際はかなり国民に負担がのしかかるようでもあります。

司法制度改革審議会のなかで市民団体や労働組合、日弁連などの代表が、国民が裁判に参加する陪審制を強く主張する議論を反映してできたという背景を理解しつつも、、、

国民参加の制度は、多くの諸外国で、国民が有罪無罪を決める陪審員制度、国民が裁判官と同じ資格で裁判に参加する参審員制度などの形で今では普通に行われています。
それは、裁判への参加が単なる「義務」ではなく、司法権に参加することが主権者である「国民の権利」として理解されているからなのですが。
この制度が導入された背景には、日本の刑事裁判の実情があります。
2004年の法律で決まりました。
理由は、
国民の常識では考えられない判決や、「えん罪」がしばしば起きていることへの対処です。
私が知っている限でも、沢山の事例が思い浮かびますが、
現実はもっともっとあるんでしょうね。
その根本原因として、
試験に合格して研修後、社会経験の少ないまま裁判官になり、着任後も社会生活から切り離されることの多い裁判官に刑事裁判がまかされていたこと。
裁判官が警察・検察のウソの自白強要によって作られた自白調書を証拠として扱うことが「えん罪」の大きな要因などなどが挙げられているようです。
裁判官も経験が少ないから、いきなりの判決では誤る場合もあるとは思います。
まて警察組織の実績主義なども冤罪に結びつく原因の1つのようです。
が、
が、、、
裁判官もいずれ経験をつみ
警察も実績よりは確かな証拠をと、改革していけば、
冤罪は、今よりグウウウ〜〜〜〜ンと減るのでは、と思います。

国民が裁判に参加することは、利点もいっぱいあるのだろうが、、、、、

ただ、今、現実に、
裁判員制度の実施と導入にあたっての「さまざまな環境整備」が整っているのだろうか???
と、思う次第。

まず、私たち国民のはっきりした合意ってあったっけ???
この5月を目の前にしても、
私たち国民の多数が消極的、否定的な意見をもっています。
昨年3月の日本世論調査会による調査によれば、
裁判員を務めたくないという立場を表明した人は実に72%、
務めてもよいと表明した人は26%。
近づくにつれて、ますます不安が高まります。

安心して裁判員になるための条件整備が、依然として整っていない今、
本当に実行できるのだろうか???
仕事や日常生活との関係。
裁判員になれば、最低でも3〜5日間、場合によっては1週間や10日以上にもわたって拘束され、連続的に裁判員として裁判に参加しなければなりません。
この間、どのような地域に住もうと、どんな職種であろうと「原則として裁判員を辞退できない」とされています。

うううう〜〜〜〜ん。

しかも、会社員の場合、それが「公休」扱いされるかどうかは、個々の企業の判断に委ねられることになっています。
この不景気な時代に。
会社を1週間近く休むのは、かなりキツイ。
中小零細企業や自営業者の場合も、辞退できるかどうかの明確な基準はなく、それぞれの裁判所の判断に任せられています。
また、
裁判員になることにともなうさまざまな罰則が設けられている問題です。その代表的な例が、
裁判員の「守秘義務」です。これは、判決にいたる評議などについて、家族であれ友人であれ、その内容を明らかにすることを禁じたものです。
これは当然と言えば当然なのですが、
れに違反した場合、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられることになっているのです。
これはキツイ。

そして、やっぱりコレです。
裁判員になることの心理的な負担・重圧や、思想・信条にかかわる問題。
裁判員制度の対象となる裁判は、死刑や無期懲役・禁固刑につながる「殺人」や「強盗致死傷」、「放火」などのいわゆる「重大犯罪」です。
こうした裁判では、ふだん接することのない犯罪被害者や現場の写真、証拠などに直接触れることになります。
これが心理的負担になることは、当の裁判所自身が「裁判員の心のケアが必要」というほどのものです。

ううううう〜〜〜〜〜ん。

凄い負担です。
負担にも関わらず全部自分の胸にしまい込んでおかなければならない。

大変です、、、

こうした環境が整わないまま実施しても、
本当に当初の目的である
「冤罪」を生まない、が制度的保障されるのだろうか????

裁判の対象が重大犯罪であるにもかかわらず、最初から3〜5日間程度で結審すると見込んでいるスピード判決で冤罪防止になるのか???
裁判を短期間で終わらせるために、裁判員制度の導入の際に「公判前整理手続」を行うことになっています。
これは、裁判員を除く職業裁判官と検察、弁護士の三者が、非公開で裁判の進め方と証拠、論点を事前に話し合うというものです。しかし、証拠の開示が捜査当局の一方的な意思の下に置かれ、警察や検察による被疑者の取り調べが密室で行われている現状で、こうした制度が導入されれば、裁判員裁判が「冤罪を生む新たな舞台」にさえなりかねないということです。

導入前よりも冤罪が増える可能性もあります、、、

こうした点を再考、熟慮したうえで、
よりよい司法制度になることを願ってやみません。

なお
保坂展人のどこどこ日記
が詳しく集中審議の模様を伝えてくれています。

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コメント

こんにちは、せとさん。少し苦言みたいになるかも知れないけどね。

なんていうかな「今の裁判に問題があるから裁判員制度の導入」という考え方は、少し違っている気がして仕方ないのですよ。そういう話にする方が「自分には問題は無い」と思いやすくて、国民は気持ちよいので、マスコミも国民におもねってそういう解説をしたがるのだけどね。

なんていうかな、裁判以上に「国民に問題がある」から裁判員制度を導入したという部分はあるんです。その問題というのは「無関心」です。「裁判なんて自分には関係の無い、遠い世界のことさ」とほんのわずかな関心さえ払わない人がとても多いという事ね。本当にそれで良いんでしょうか?みたいな問いかけを私なんかもして見たくなることが多いんですよ。

投稿: 技術開発者 | 2009.04.08 18:07

制度についていろいろあってうちも何度かとりあげているんですけど。
なんか司法参加は世界的に普通?でも普通の市民が死刑判決だすのは少数といううわさも。

説明会参加したんですけど、スムーズな審議が強調されていて裁判員の負担減らす事を意識している印象でした。

投稿: あゆ | 2009.04.09 12:22

技術開発者さん。
あゆさん。
コメントありがとうございます。

技術開発者さん。
相変わらず、とても分かりやすい説明、ありがとうございます。
そうですね、、、
行き着く先は、言われるように「無関心」になるんでしょうね、、、
〜〜〜〜〜〜〜〜
「国民に問題がある」から裁判員制度を導入したという部分はあるんです。その問題というのは「無関心」です。「裁判なんて自分には関係の無い、遠い世界のことさ」とほんのわずかな関心さえ払わない人がとても多いという事ね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜

本当に。
このコメントを拝見しながら山口の母子殺人事件を思い出しました。
あの折もいろいろマスコミを始めとして、盛り上がりながらも、
その盛り上がりは、表面的であったように思います。
開発者さんが、いつも言われる「無関心」。
政治にしろ、教育にしろ、あるいは人に対しても、、、
「生きやすく」する知恵として考え出し、編み出したものだったはずの「寛容」や「赦す」ことが、いつのまにか無関心という自己防衛へと結びついていったのでしょうか???
また、アドバイスしてください。
それはそれとして、開発者さんは現行の裁判制は如何お考えでしょうか???

あゆさん。
きめ細かい視点でありながら、ズバリと書かれるあゆさん。
いいですね〜〜〜
さて、
私も説明会とかあれば参加したいです。
津久井さんが、やはりいいのでしょうか???
白羽の矢をあてたりして。

いずれにしても注目ですね。
では、、、またね!

投稿: せとともこ | 2009.04.09 15:10

陪審員制度の議論は悩ましいです。

なぜなら、「陪審員制度」の是非と、「現行陪審員制度」の是非や問題とを切り分けしない議論が多いからです。

自分としては、日本の裁判制度が「陪審員制」に向かうのはむしろ賛成しています。国民が裁判に参加し、市民的判断が裁判に導入されることの意味を重視しているからです。

#左翼は何でも反対だというデマの反例にもなるかな?(爆

ただ、現行の陪審員制度が問題だらけなのは確かですので、それは切り分けた議論が必要だと思っています。

死刑制度に反対してたら陪審員不合格となっちゃうらしいので、自分は当分陪審員にはなれそうもありませんが・・・

投稿: Looper | 2009.04.10 18:47

Looperさん。
こんばんは。
そうですね。

〜〜〜〜「陪審員制度」の是非と、「現行陪審員制度」の是非や問題とを切り分けしない議論が多いからです。」〜〜〜〜

本当にそうだと思います。
私もこの制度導入ですこし調べたのですが、
なんというか、
理性と感情。
理想と現実。
そんな狭間で揺れる自分というものをみました、、、

人がひとを裁く。
そもそも、それはプロの裁判官にとっても大きな事ですが、
国民がその一端を担う意味。
いまさらながら、
考え込んでいます、、、、、

 〜〜〜〜「死刑制度に反対してたら陪審員不合格となっちゃうらしいので、自分は当分陪審員にはなれそうもありませんが・・・」〜〜〜〜


ふぅうううむ。
私も悩むタイプで、多分今は反対の立場ですから、
私もなれないですね。
握手。


では、また!

投稿: せとともこ | 2009.04.10 21:48

死刑判決ださなくていい裁判ならよかったなあ~て。『個人的に』
行政裁判とかで誰も刑務所はいらなくていいものとか。
『あくまで個人的願望』

陪審員制度は以前日記にかいてますけど、すでに日本であるそうです。ただ休止してるだけらしいです。

投稿: あゆ | 2009.04.10 22:11

あゆさん。
おはようございます。

「陪審員制度は以前日記にかいてますけど、すでに日本であるそうです。ただ休止してるだけらしいです。」

そうなのですか???
あゆさんのURLを貼っていただけますか???
是非、拝見させてください。


投稿: せとともこ | 2009.04.13 10:46

こんにちは、せとさん。いろいろと忙しく日本中を飛び回ったりしていて、コメントが遅くなりました。

>それはそれとして、開発者さんは現行の裁判制は如何お考えでしょうか???

なんていうかな、社会システムというのは「妥協の産物」の面があるのね。一つのシステムが果たさなくてはならない幾つもの目的というのがあって、どれか一つの目的を優先すると他の目的を果たすのに障害がでる訳ね。なもんで、どれか一つの目的のみを取り上げて「このシステムで良いか」と言われると、必ず不備なのね。

例えば刑事裁判というもの一つを取り上げても、1.犯罪の抑止のために犯罪者に罰を与える、という目的は確かにあるんだけど2.罰を与えることで犯罪者の犯罪性向を矯正し更生させる、という部分を含んでいるよね。そして、別な側面から見ると3.国家権力が個人の権利を大きく制限することを許す特別な場合なので、刑事罰の適用は慎重に審理されなくては成らないという面もある訳ね。こういう幾つかの考え方の妥協の産物的に今の刑事裁判制度はできている訳です。

歴史的に見ると1.の目的は有史以来連綿と続いている訳で、「十両盗れば首が飛ぶ」みたいに厳罰化した時代もあるというか、その方が遙かに長いのね。ただ、厳罰化のみで2.や3.の部分がまかなえないと言うことから2.3.の意識をかなり加えた今の裁判制度ができあがってきている訳です。

なんていうかな、こういういろんな視点からの「妥協の産物」としての刑事裁判制度はそれなりにうまく機能していたと思うんですね。ただ、問題としては国民が「刑事裁判はいろんな視点から見る必要がある」ということに対して「無関心」となってしまったというのは今の刑事裁判の問題なんだろうと思います。制度的な無関心による無理解もあるけど、もっと大きい「無関心」として「刑事裁判に必要な幾つもの視点」に関して無関心となっているというのが、私はとても怖いのですよ。

投稿: 技術開発者 | 2009.04.13 17:11

思いついた裁判系です。↓

ホカベン2 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07
ホカベン http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-05-14-2
スピード化http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-03-22-2
取調べ http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-01-27  
http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-12-17
http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-10-31
http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-09-03
http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-09-02

他にもあるかも??
日記リストかページ左端のカテゴリーから司法・法律どうぞ。
 2007年日記リストはこちらをどうぞ http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-03-27
 2008年日記リストはこちらをどうぞ http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-03-28
 2009年日記リストはこちらをどうぞ http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2009-02-22

投稿: あゆ | 2009.04.14 10:26

技術開発者さん。
あゆさん。
こんにちは。
コメントありがとうございます。


技術開発者さん。
お疲れさまです。
お体、くれぐれもお大切に。


さて、頂いたコメント。
「なんていうかな、社会システムというのは「妥協の産物」の面があるのね。一つのシステムが果たさなくてはならない幾つもの目的というのがあって、どれか一つの目的を優先すると他の目的を果たすのに障害がでる訳ね。なもんで、どれか一つの目的のみを取り上げて「このシステムで良いか」と言われると、必ず不備なのね。」

あっ。
わかります!!!
そして、いつも開発者さんの心の深い所に流れる「みんなの無関心」への危惧と怖れ。
これもわかります。

なんていうのか、グローバルに見る事ができない、出来なくされている気がしてならないのです。
誰が悪いとか、誰が正しいとか、そういう事ではなく、
社会全体の意思のようなものを感じる事があります。
そうそう、、、開発者さんが、例の件でTAKESANさんのブログに最後に書いてくださった「世間とはなにか?」っていうあの辺りに抵触する気もします、、、
私は、あなたとこうして語り合うと、凄く分かり、納得し、また、自分の意見も整理出来るのですが、
時々ポカしちゃうんです、、、ハハハ。
こんな私ですが、これからも宜しくお願いいたします!!!

そうそう。
そういう意味でも「社会」「世間」について極めて丁寧にみいていきたいと願っています。

では。


あゆさん。
拝見させていただきました♪
あなたにとって医療がテーマだったな、と改めて思い返しています。
凄く刺激になりました。
今度、紹介させて下さいね。
では、、、またね!!!

投稿: せとともこ | 2009.04.14 11:58

こんにちは、せとさん。

>誰が悪いとか、誰が正しいとか、そういう事ではなく、
>社会全体の意思のようなものを感じる事があります。

私は「成り立ち」という言葉を良く使ってきました。今の社会が「できあがる過程」で自然に取り込まれてきた経験則みたいなものがあり、そしてそれは今の社会の中でもやはり生きていたりするんですね。

私は悪徳商法批判者として良く「マルチ商法」の議論をしたのね。そうすると、逆に「なんで、そうなっているんだろう」と問いかけて説明する事が多くなるわけです。例えば、マルチ商法の人が「誰でも簡単に商売がはじめられる所が良いんだ」なんて言うと、「なんで、世の中というのは、誰でも簡単に商売がはじめられないんだろうね」なんて問いかけて、自分も考えたりする訳ですね。その時説明していたのは「信頼の担保」なんて話ね。簡単になれる立場と簡単になれない立場のどちらを人は守りたいと思うか、なんてね。例えば、店を借りて商売するとするじゃないですか、店を借りて手を入れるのに何百万円、売り物仕入れるのに何百万円、それでいて売れなきゃバッタ売りするしかなくて、その金は消えていく訳だよね。そりゃあ慎重に売り物なんかも検討するハズだよね。もし悪い評判が立っても、その初期投資は消えていくのだから、悪い評判が立たないようにも考えるよね。世間様が「店を持たない販売者より店を持っている販売者の売り物の方がまともじゃないだろうか」なんて漠然と思っている背景に、こういう部分が有るんじゃないか、なんて説明していたりしたわけです。

まあ、こういう話より縁談なんかの方が分かりやすいかも知れませんね。好きな人ができて親に「この人と」なんて言うときに、相手が名の通った会社の社員だと親は良い顔をし、「フリーターで生活しています」だとあまり良い顔はしない。まあ、現実の生活安定性などが違うという部分も大きいのだけど、「失うもの」という概念も背景のどこかにあるのかも知れないんですね。名の通った会社の社員という地位は本人も捨てたくないだろうから真面目に生涯を送ってくれるんじゃないかなんて期待ね。

投稿: 技術開発者 | 2009.04.14 15:31

技術開発者さん。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
頂いたコメント、とてもよく分かります。
「信頼の担保」ですか、、、
本当に。
こうした信頼の担保が、社会の規範になり規律になり、「生きやすさ」になっていった一方で、
それを悪用したり、またはみ出たりと、、、、
こんな繰り返しの中で少しずづつ、人間は学習と成長をしていくものなんでしょうね、、、

私個人は、いつでも「待つ」タイプなんですね。
決して、人を決めつけたり断定したりせず「保留」です。
が、
それは、
ある時はかなり残酷な対処法なのかと、、、この頃悩んでいます。
が、
やっぱり言わなきゃいけないんだろうか、、、とこの頃思う次第。
またアドバイスくださいね。
では。

投稿: せとともこ | 2009.04.15 12:06

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