インフルエンザ問題から
インフルウイルス:増殖酵素の構造解明 横浜市立・筑波大と言うニュース。
上記ニュースによれば、
「インフルエンザウイルスが、自分の遺伝子を増やすのに使う酵素「RNAポリメラーゼ」の構造を解明。」
そして、この構造に基づいて、ウイルス増殖を抑える2種類の化学物質の候補が見つかり、その上、酵素の構造は人や鳥のさまざまなウイルスに共通すると言うことで、ウイルスの変異に関係なく効果のある薬剤開発に役立つ可能性があるという嬉しいものです。
今後の研究に期待。
さてさて。
それにしても、インフルエンザ。
国内での感染が急激に広まり(?)、社会生活にいよいよ影響が出てくるのだろうか???
と、危惧している私ですが、
いつものように内田さんのブログを読みに出掛けたらゾンビの教訓と言うエントリーが挙がっていました。
いつもながら軽妙な語り口で内田節が炸裂。
こうした話題では、内田節が頭にスンナリの私です(経済に関しては、些か疑問があるのですが、、、)。
内田さんは、今回のアタフタ騒動を、詰まるところは、
〜〜「公衆衛生」か「経済活動」という比較考量しがたい二者択一を迫られるような機会がときには訪れる。〜〜
と、分析。
そして、こうした局面で、マニュアルは存在しないが「物語」を人は創出する。
ここでタイトルのゾンビが登場。
つまり、
「ゾンビも怖いが、死なない兵士も捨てがたい、さて、どちらを取るか」となる。
内田さん自身はいずれをより好むかと、言えば、解答は自らも答えず、相手へも多分、不問に付すのだろうが、
結論はなかなか味わい深くて面白い。
〜〜〜「我が身の安全よりも、利益を選んだ人間はたいへん不幸な目に遭う」ということである。
私はこういう種類の説話原型の含む人類学的知見に対してはつねに敬意を以て臨むことにしている。〜〜〜と。
一方、きくちさんは機内検疫、水際防疫と言うエントリーで、
機内検疫偏重(に見える報道)の実質的効果についての疑問と、そこから浮かび上がるも発想は、
「防災よりも地震予知」とか「ゼロリスク幻想」に通じるのではないかと、書かれています。
なるほど。
確かに当初の舛添さんの意気込みは「ゼロリスク信仰」とも言えるような意気込み(?)ではありました。
また、その意気込みゆえ、
各地の自治体や教育機関の対応が今日に反映されているのかとも思います。
今後もますます拡大していくであろう感染者数と、感染者が出たとされる自治体。
結局、当初の政府の取った対策では、
ウィルスには対応出来ないということでしょうか???
パンデミックと言う耳慣れなかった言葉が、
今では流行語になった気がします。
輸送能力の発達で、以前は見られなかった病気が、またたくまに広がる危険性を伴いながら、
私たちは経済活動を行い、生活を営んでいるのだと、改めて思うものです。
先の内田さんが言われるように、人類の知恵として編できた物語を片手に、
同時に、きくちさんの言われるように片手に握っていたゼロリスクという幻想を放り出し、
進んでいく、、、
そんな時代が来たのだと思います。
さて、
今日、5月22日は国際生物多様性の日。
地球環境の変化で生物界にもいろんな変化が出て来ています。
生物の特有の性質が失われたり、
あるいは変異したりと、、、
生態系の変化とともに、
予想される諸々の一つにパンデミックもあるわけですが、
今、私たちは大きく試されている時期では、と思います。
絶滅していくものと生まれてくるもの。
多様な生物と共存していくために、何が出来るのか???
何をすべきか???
その行方を丁寧に見ていくことを感じながら、
今回のインフルエンザ蔓延が意味することを見ていきたいと思います。
同時に、現在感染されている方の一にも早いご回復を祈りながら、、、
この記事を書いています。
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