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2009.06.04

小さな娘が思ったこと

小さな娘が思ったこと

小さな娘が思ったこと
ひとの奥さんの肩はなぜあんなに匂うのだろう
木犀みたいに
くちなしみたいに
ひとの奥さんの肩にかかる
あの淡い霧のようなものは
なんだろう?
小さな娘は自分もそれを欲しいと思った
こんなきれいな娘にもない
とても素敵な或るなにか…

小さな娘がおとなになって
妻になって母になって
ある日不意に気づいてしまう
ひとの奥さんの肩にふりつもる
あのやさしいものは
日々
ひとを愛してゆくための
  ただの疲労であったと


茨木のり子

=================

日々の積み重ねの中に、いつのまにか気がつかず積もったやさしさ。
それは、
愛すると言うことも、もう意識はしない相手ではあるが、
本当に深いところで愛していると言う美しさが、
ただの疲労という言葉で描かれています、、、
「ひとを愛してゆくための
  ただの疲労であったと」
最後の部分、
何回も声にだしてください。

実はそこには、
やっぱり揺るがない信頼が見えてくるようです、、、、、

私もそんな肩を目指したい、、、
ですね。
ははは、、、

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コメント

なんだかいろいろなことを思い起こさせる詩ですね。

たしか内田さんのところで読んだと思って検索したら出てきました。

>「知性とは何か」について、私の知る最高の定義は(繰り返しご紹介した)グレゴリー・ベイトソンのそれである。
>ベイトソンによれば、知性とは何か?という問いに、知性はこう回答した。
>That reminds me of a story.
>「そういえば、こんな話を思い出した」
http://blog.tatsuru.com/2008/05/23_1649.php)

素晴らしい作品は、知性を喚起するのですね。

で、何を思い起こしたのかといいますと、昔、私などが小学生くらいだったころ、同級生の女の子たちが将来何になりたいと問われて、「お母さん」だとか「お嫁さん」だとかと返答していたこと。そのように答えたのは、さすがに少数派だったと記憶していますけれども...。今から思うに、なぜ自分の将来を没個性な答えに託せたか――思い浮かぶのは「信頼」という言葉です。

それともうひとつ。

「ひとを愛してゆくための
  ただの疲労であったと」

ここ。「もののあはれ」という言葉ととてもよく重なる気がするのです。なぜだかうまく説明できませんけれども。

投稿: 愚樵 | 2009.06.04 19:58

おおおおお〜〜〜
愚樵さん。
実は、この詩、
あなたとお玉さんと喜八さんとアキラさん、あゆさんにお送りしようと思いながら、昨日はバタバタとしていました。
それから、
あなたのエントリーでいろいろ考えることばかり。
刺激されています。
コメント書こうと思いながらも、これまたバタバタしていてゆっくり書けませんが、、
今日は選挙制度書いたので、またトラバしますね(*^-^)
ご意見待っています。
お手柔らかに!!!
(0゜・∀・)ワクワクテカテカ

投稿: せとともこ | 2009.06.05 12:03

こんにちは、せとさん。

無駄話ですが「疲労」で思い出しました。新井素子って作家がいます。元々はSF作家としてデビューしましてね。私はその頃は今よりもSF小説を良く読んでいたからデビューしたときからとりあえず読んでいた訳です。「文章のうまい娘、物語作りのうまい娘だな」とは思っていたんですね。ただ、なんていうか書いているのがSFとかファンタジーなので、ご本人の「深み」みたいなものは感じなかった訳ですね。

ところがね、もう名前も忘れた小説の中で、異世界に迷い込んだ超能力を持つ主人公が、異世界の戦士と会話する訳ですよ。

「そんな生き方って、疲れない?」
「生きると言うことは疲れるという事ではないのか」

なんてね。この会話だけだけど今でも私は覚えているのね。なんていうかな、「文章や物語が上手いだけではないぞ、この歳にしては相当に真剣に考えて物語を作っているな」なんて見直した訳です。

投稿: 技術開発者 | 2009.06.05 16:31

技術開発者さん。
こんにちは。

新井素子さんですか、、、
私は名前は知っていますが、読んだことがないので、今度、図書館で借りますね、、、


>「そんな生き方って、疲れない?」
「生きると言うことは疲れるという事ではないのか」

なんてね。この会話だけだけど今でも私は覚えているのね。なんていうかな、「文章や物語が上手いだけではないぞ、この歳にしては相当に真剣に考えて物語を作っているな」なんて見直した訳です。

なるほど。
短いフレーズにも、人を動かす、ハッとさせる、そして忘れないものってあるんですね。
これが、先にコメントを頂いた愚樵さん言われるところ(内田さん?)の「知性」というものでしょうか???
そうそう、
元の詩ですが、あゆさんあての別のコメントに書いたのですが、この詩を読みながら、
お玉さんや愚樵さんなどなどの方々にはトラバをお送りしたいと思い、
あなたやhamhamさんやLooperさん、Nairfessさん,面影さんなどなどいつもお声を頂く方々を思い出しながら、
エントリーを挙げたのですよ。

疲れ、、、という言葉に積もる思いを感じながら、
作者の優しさと厳しさが交錯するえも言われぬ詩だとつくづく思います。
茨木さんの詩を読むと、なんというか深い海、多分、キラキラ光っている、そんな海の底から見上げている気が、いつもします。
大好きなのです、茨木さんが、、、

投稿: せとともこ | 2009.06.07 12:01

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