« 選挙に行こう♪ | トップページ | イラクの女性は今? »

2009.08.19

女子差別撤廃条約実施状況の結果について

女子差別撤廃条約実施状況 について国連女性差別撤廃委員会は昨日18日、日本における女性差別撤廃条約の実施状況の審査の結果をまとめた「総括所見」を公表しました。

主要な懸念として
「条約のすべての条項を系統だてて実行するという政府の義務を果たすよう、あらためて求める。」と明記。
また、「2003年の審査で勧告された事項が、十分に取り組まれていないことを遺憾とし、前回の勧告実行を求める。」とのことです。
差別的法規として、
男女で異なる最低婚姻年齢、
女性のみに課せられる再婚禁止期間、
選択的夫婦別姓、
民法その他法規における婚外子差別などの差別的規定が、前回勧告を受けたにもかかわらず、いまだに改正されていないと強調。世論を言い訳にせず、条約上の義務に従って即座に行動すべきとのこと。
また条約の法制化については、
女性差別撤廃条約が、法的拘束力をもつ重要な国際人権法であることを、日本政府は認識すべきのとこと。
差別の定義についても懸念を表明。
国内法に女性差別の定義が欠けていることを改めて懸念、条約1条に基づく差別定義を迅速に取り入れるべき。
人権擁護機関として、
男女平等も視野に入れた独立人権擁護機関を迅速に設置すべき。
国内推進機関について、
ジェンダー平等を推進する男女共同参画局などの機関を機能強化するため、責任と権限の明確化、調整機能の強化を行うべきとのこと。
暫定的特別措置も勧告。
女性の雇用、公的領域への参加、意思決定への参加を促進するため、委員会一般勧告25号に沿うようにとのこと。
また、女性の人権に対する政府内の「バックラッシュ」に懸念を表明。
メディアや教育における男女の役割に対するステレオタイプを取り除くため、教科書の見直し等の取り組みを行うこと、
また、公人による女性差別発言の頻発や、女性を性的対象とするポルノグラフィー、メディアにおける女性差別表現に対する政府の取り組みを求めるなどに触れました。
女性に対する暴力については、
意識啓発、データの収集と調査にもとづく介入を行うよう勧告、法執行官や医療関係者等が十分な知識にもとづく支援を行うよう求めること。
DV法があらゆる形態の親密な関係の暴力を対象としていないことを指摘、保護命令の発行を急ぐこと、暴力被害者のための24時間ホットラインや質の高い支援を提供するよう勧告。
特に、移住女性やマイノリティ女性、弱い立場にある女性の状況に懸念を表明し、弱い立場の女性たちに対し、被害の届け出等について支援を行うほか、暴力防止の意識啓発を行うよう求める。性暴力の親告罪規定の撤廃、強姦罪の法定刑引き上げ、近親かんを性暴力犯罪として規定することを勧告。
先にも物議を醸した性暴力ポルノについては、
ゲームや漫画が児童ポルノ禁止法の対象外となっていることに懸念を表明、性暴力を当たり前かのように扱うビデオゲームや漫画の販売を禁止するよう、日本政府に強く求めるとともに、児童ポルノ法の改正を求めました。
戦争暴力として日本軍「慰安婦」については、
被害者への補償、加害者の処罰、公衆教育など、問題の持続的解決措置を求めました。
今だある「人身売買、売買春」については、
人身売買や売春搾取の被害者に対する保護やリハビリ、社会統合支援を強化するとともに、女性の経済状況の改善など、人身売買の根本的解決の努力を求める。
買春需要の抑制、売春女性の社会統合、リハビリ、経済的エンパワーメントなどの支援を勧告。研修生・技能実習生が人身売買の温床となっていることを指摘、モニタリングの継続を求める。また、人身取引防止議定書の批准を勧告。
さらに女性の政治・公的活動への参加しやすい土壌作りを呼びかけました。
教育については、
教育基本法が改正され旧5条が削除されたことに懸念を表明、教育における男女平等実現のため、ジェンダー平等の条項を再度取り入れることを真剣に検討するよう日本政府に求める。非伝統的領域における女性の教育・キャリア機会を拡大すること、第三次男女共同基本計画において、大学教職における女性割合を現行の20%から引きあげ平等を達成するよう勧告。
雇用では、
労働市場における女性差別と賃金格差、出産・育児を理由とする違法な解雇、セクシュアルハラスメントの横行に懸念を表明。また、「雇用管理区分」が女性差別の抜け穴となっていること、ILO100号条約にもとづく同一価値労働同一賃金の原則が国内法規に欠けていること、セクハラ防止義務違反に対する制裁措置の欠如、差別是正のための法的プロセスに時間がかかりすぎることなどを批判。ワークライフバランスとして、
男女間の平等な家族責任と雇用の分担を促進し、女性がパートタイムに集中する状態を改善すること、保育施設の改善、男性の保育を促すことを勧告。
健康では
女性の性感染症の増加、若年の中絶の増加を懸念。特に若い世代に対し、セクシュアルヘルスに関する教育・情報・サービスを提供すること、中絶を非犯罪化することを勧告。
また、マイノリティ女性問題にも言及。
アイヌ、部落、在日コリアン、沖縄など、マイノリティ女性の教育、雇用、健康、福祉、暴力などに関する情報の欠如に遺憾の意を表明。マイノリティ女性への差別を撤廃するため、意思決定機関にマイノリティ女性の代表を加えることを勧告。
弱い立場の女性に対しては、
農村女性、シングルマザー、障害女性、難民女性、移住女性など、複合差別に遭いやすい弱い立場の女性について情報統計を提供し、特別なニーズに応じた政策をとるよう勧告。
その他国際文書
北京行動綱領、ミレニアム開発目標、その他の国連人権条約を活用すること、移住者の権利条約を批准することを勧告。
と言うことで、
総括所見は、実に60項目に及んでいます。
前進面(肯定的側面)はわずか7項目。
これまでの委員会からの勧告を実施していないことが強く指摘されました。
差別的法規についての言及も目立ちました。
雇用も男女の機会均等を主張できる社会へと勧告は謳います。
そして、
総括所見は、日本政府に対し、
(1)民法の改正
(2)雇用・政治・公的領域等での暫定的な特別措置の2点について、2年以内に実施状況詳細報告を提出することを要請しています。
と、言うことで日本政府が速やかに勧告を守り実行するであろう今後に期待します!!!

|

« 選挙に行こう♪ | トップページ | イラクの女性は今? »

コメント

弱い女性の立場からコメントさせていただきます。雇用の平等などと言われますが、一般的に女性は男性と同じように働きたいとは思っていません。それよりは子供と一緒に過ごしたり、体に良いものを食べれるように料理したりのほうが大切です。男性のように正社員で働き続けたいとは思いません。

投稿: 女性の立場から | 2009.08.25 13:46

こんにちは、女性の立場からさん。

>雇用の平等などと言われますが、一般的に女性は男性と同じように働きたいとは思っていません

なんていうかな、何を持って「一般的」と言われるかにも依るんだけど、「全ての人が一般的で無くてはならない」になて理屈はどこにもないんですよ。中には仕事に「生き甲斐」を見いだす女性も居るでしょう。その人の望みを「一般的でない」からと潰す社会がお望みですか?中には「子育てしたい」男性もいるかも知れないですね。その人の望みを「一般的でない」からと潰す社会をお望みですか?

私は仕事場の労働組合では「機会均等」を推進する立場で活動しています。でもって、私のかみさんは「自分はカギっ子で育ったから、自分の子供には家にお母さんがいる生活をさせたい」と専業主婦を選びました。別に何も矛盾はしないのですよ。選択肢を守ろうとしているだけです。

「一般的」であるということが、人の望みを潰しても良いとお考えになるのはどうしてなのでしょう。それほど一般的であるということは大事でしょうか?10人のうち9人までが「こうしたい」というなら、おそらくそれが一般的でしょう。では、残りの一人は「9人と同じでなくてはならない」とするべきなのでしょうか?その一人に「お前がそうしたいなら、その望みをかなえる社会にしよう」とするのは、そんなに許し難い事なのでしょうか?

なんていうか、雇用の機会均等というのは、別に専業主婦を望んだ私のかみさんに「外で働け」と強制するものではないのです。もし、社会がそういう風に専業主婦(夫)を認めない方向が「一般的」なったら、たぶん私は「専業主婦(夫)を守れ」という運動を起こすんじゃないかと思います。ある意味で「一般的」とは何かを考えてみて欲しいんです。それほど「人を縛る根拠となる」ものなんでしょうか?

投稿: 技術開発者 | 2009.08.25 18:20

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15797/45969993

この記事へのトラックバック一覧です: 女子差別撤廃条約実施状況の結果について:

« 選挙に行こう♪ | トップページ | イラクの女性は今? »