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2009.09.04

日米関係の行方は???

民主党:「鳩山外交」本格化…米露大使らと会談と言うことで、いよいよ鳩山丸は海外にも漕ぎ出しました。
どうなるか、、、鳩山外交。
鳩山氏は「日米関係が日本外交の基軸だ。オバマ大統領ともしっかり話した」と強調したとのことですが、日米関係が順調に進むことには吝かではないものの、
やはり懸念は米軍基地。
どうするつもりなのか????
鳩山さん。
とても気になるところです。

1989年から1991年にかけ冷戦が終了。
秩序ある世界を願ったものの、
平和で新しい世界が構築されるかと期待した平和の配当は幻想と終わりました。
本来ならばソ連共産主義崩壊で、敵や脅威は取り除かれ、NATOも日米安保条約も消滅するはずだったのです。
だがしかし、
1990年から91年の湾岸戦争
1993年のソマリア
1995年のボスニア
1998年のスーダン
1999年のコソヴォ、、、、などなど地域や民族の紛争が相次いで勃発しました。
こうした中、アメリカ単独、あるいはアメリカ主導でNATO軍、国連PKO軍、多国籍軍などが武力行使を行いました。
軍産複合体のアメリカ—戦争をやめられない理由と言う本を書いた宮田律さんは存続の危機に直面していた軍産複合体が如何に息を吹き返したかを述べています。

中でも1990年の湾岸危機直後。
ブッシュSrによって提唱された「新世界秩序」構想。
アメリカ主導の一極支配体制です。
そして敵はソ連から地域覇権主義へと移行。
コソボ自治州でのセルビア側によるアルバニア系住民への弾圧を救済と言う大義名分で1999年3月NATOによるユーゴ空爆。
これは国連安保理での手続きは行われませんでした。
国連憲章を見ましょう。

「第51条〔自衛権〕」
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。」。

あるいは41条や42条。
「第41条〔非軍事的措置〕」
安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。

第42条〔軍事的措置〕
安全保障理事会は、第41条に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。」

また
第2条7項。
「7 この憲章のいかなる規定も、本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国際連合に与えるものではなく、また、その事項をこの憲章に基く解決に付託することを加盟国に要求するものでもない。但し、この原則は、第7条に基く強制措置の適用を妨げるものではない。」

こうしてみると明らかに国連憲章違反と内政干渉です。

その後、オルブライト長官が「21世紀の試金石」と述べNATOによる域外への武力行使への道をつけたものでした。
なおNATOを裁く国際戦争犯罪法廷のための調査項目などがあり、オルブライト等々の国際犯罪法廷への調査を行っている団体もあります。
さて、その後、アフガニスタンへも攻撃をかけてきます、、、、
ブッシュJr登場で国際条約、国際機構はさらに軽視、形骸化へと拍車がかかります。
ミサイル防衛を含む宇宙軍事化。
包括的核実験停止条約の死文化。
核不拡散体制の形骸化。
大陸間弾道弾ミサイル制限条約の撤廃、、、、などなどです。

そして2002年のブッシュドクトリンです。
「 世界の秩序は米国によって維持されなければならない。必要とあらば米国は、単独でも行動する。
大量破壊兵器の製造及び使用、若しくはその恐れのある国家に対しては先制攻撃も辞さず、ミサイル防衛の整備は急務である。
圧政国家、とりわけ、イラン、イラク、北朝鮮の脅威に対する対処は急務である。」

として予防戦争からさらには先制攻撃へと移行。
アメリカがならず者国家と指名すればまるで国際社会も追認していくような形にさえなりつつありました、、、、、
が、
その後の経過は私たちが既に良く知っている、見ている通りです。
国際法から見たイラク戦争—ウィーラマントリー元判事の提言のあらすじには以下のように語ります。
「イラク戦争はなんだったのか?なぜ国際法が踏みにじられたのか?われわれは再びこの出来事を繰り返さないためにどうしたらいいのか?国際司法裁判所元判事の世界の市民にむけた提言。」と。
なお、このイラク戦争に関しては、私はこだわり続け書いていますが、
その中でも書いたようにブッシュ自身が2005年12月「誤り」を認め、開戦責任を述べています。


さて、
こうしたアメリカの世界戦力を下支えしてきたのは残念ながら日本です。
1991年、自衛隊の初の海外派兵。
北朝鮮問題を理由にミサイル防衛。
イラクへの自衛隊派兵。
1997年の新ガイドライン。
これは先に述べた1999年のNATOの新戦略と重なります。
まず、アメリカ主導。
次に地理的概念が明確でない、つまり世界のどこにでも派兵するというもの。
また、国連の存在を軽視、形骸化していると言う点で共通要素があります。

さらに、
1998年の周辺事態安全確保法。
2001年の対テロ特措法。
2003年の武力攻撃事態法と対イラク特措法。

イラク戦争のような無法なアメリカの先制攻撃戦争に参戦・協力していくことへの危惧を唱えたのは国際法学者の藤田久一さん。
「『国際法の支配』を『一超大国の法の支配』に変えるアメリカ単独主義に基づく行動を、結局は支えることになるのが日本の有事法制の厳しい現実」と指摘して警鐘を鳴らしています。

なお、この藤田久一さんはイラク戦争勃発直後に
「要件満たさぬ武力行使-イラク戦争を問う」と言うタイトルで朝日新聞(2003年3月28日) に論文を掲載。
実は、この藤田さんを初めとして多くの日本の国際法学者はイラク戦争勃発時、すぐに「反対声明」を掲げました。
この内容は、エントリー最後に掲載しておきます。

2006年、国民保護法。
そして、
そして、、、、
憲法を変えようという動きへと続くわけです、、、、、、、、、
この動きはまた機会があれば書きます。

と、言うことで、冷戦後の世界をアメリカと日本で簡単に見てきました。
こうしてみていくと、
日本が今まで来た道とこれから行く道。
考える時が来ていると改めて思うものです。
民主党政権。
今後、どのような選択をするのか?????
注目です!!!

================
イラク問題に関する国際法研究者の声明
 「イラク問題に関する国際法研究者の声明」は次の通り。

 私たちは、日々、国際法の研究と教育に携わるものとして、国際法に照らして、イラクに対する武力行使は許容されないと考えるので、以下にその理由を表明したい。

 国連憲章は、伝統的に個々の国家に認められてきた戦争の自由を否定し、国際関係における武力の行使と武力による威嚇を禁止した。憲章が認める武力行使禁止原則の例外は、次の二つだけである。一つは、武力攻撃が発生した場合、安全保障理事会が必要な措置をとるまでの間、国家に認められる個別的または集団的な自衛権の行使であり、もう一つは、平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為に対する集団的措置として、安全保障理事会が決定する行動である。

 現在、第一の、自衛権発動の要件である武力攻撃が発生しているのか。答は否である。この要件をかわすために、将来発生するかもしれない武力攻撃に備えて、今、先制的に自衛しておくという論理が主張されている。しかし、このような論理を認める法原則は存在しない。もし、まだ発生していない武力攻撃に対する先制的自衛を肯定するような先例を今ここで作ってしまえば、例外としての自衛権行使を抑制する規則は際限なく歯止めを失っていくであろう。

 では、第二の、集団的措置を発動するための要件である平和に対する脅威等の事実が存在しているのか。その存在を認定し、それに対して武力の行使を容認するか否かを決定するのは、安全保障理事会である。五常任理事国はこの決定に拒否権をもっており、一カ国でも反対票を投じればこの決定は成立しない。安全保障理事会によって容認されない、すなわち明確な各別の同意を得ない武力行使は、違法であろう。安全保障理事会決議一四四一は、そのような同意を与えたものではない。

 国連における協力一致のためには、拒否権の行使は慎まなければならないという声がある。本来、拒否権は、国際の平和と安全の維持には常任理事国の協力一致が不可欠であり、常任理事国が分裂している状況で行動することはかえって平和を害することになるという考えを反映している。現下の問題は、二常任理事国が実行しようとしている武力行使に対して、他の三常任理事国が強い異議を呈していることである。拒否権は乱用されてはならない。しかし、行使されなければならない状況の下では、適正に行使されるべきである。五常任理事国には、それだけの権利とともに責任が付託されているのである。

 国連は脆弱(ぜいじゃく)だと言われながら、成立以来五十余年、多くの困難を凌(しの)いで生き続け、とりわけ冷戦後は、国際紛争の平和的処理の主な舞台となっている。イラク問題についても、安全保障理事会が適時に招集され、十五の理事国の意見が闘わされ、世界中にその模様がテレビで中継されてきた。国連と国際原子力機関による査察も、十分とはいえないまでも、着実に成果を上げつつある。国連という平和のためのツールが、二十一世紀の国際社会で、その役割を果たすためようやく成長しようとしているのではないか。力による支配ではなく、法による支配を強化して国際の平和と安全を確保するためには、このような国連を育(はぐく)んでいくほかに、私たちには道がないのである。

声明発表した23氏
 声明を発表した国際法研究者二十三氏は次の通り。

 吾郷眞一(九州大学法学研究院・教授)、五十嵐正博(金沢大学法学部・教授)、岩間徹(西南学院大学法学部・教授)、大沼保昭(東京大学大学院法学政治学研究科・教授)、小畑郁(名古屋大学大学院法学研究科・助教授)、北村泰三(熊本大学法学部・教授)、古賀衛(西南学院大学法学部・教授)、坂元茂樹(関西大学法学部・教授)、佐藤哲夫(一橋大学大学院法学研究科・教授)、佐分晴夫(名古屋大学大学院法学研究科・教授)、杉原高嶺(京都大学大学院法学研究科・教授)、芹田健太郎(神戸大学大学院国際協力研究科・教授)、田中則夫(龍谷大学法学部・教授)、中村道(神戸大学大学院法学研究科・教授)、藤田久一(関西大学法学部・教授)、古川照美(法政大学法学部・教授)、牧田幸人(島根大学法文学部・教授)、松井芳郎(名古屋大学大学院法学研究科・教授)、松田竹男(大阪市立大学大学院法学研究科・教授)、最上敏樹(国際基督教大学教養学部・教授)、薬師寺公夫(立命館大学法学部・教授)、山崎公士(新潟大学法学部・教授)、山下泰子(文教学院大学経営学部・教授)

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コメント

新聞読んでいると
アメリカの機嫌損ねることするなという意見の紹介。
対等・アジア通貨は方向性は正しい。それができる力は?
の2つぽいでした。

仮に外交は取引(過去の日記ででました)だとすると、アジア通貨、地位協定見直しなどの協力とりつけるのは見返りが必要になります。
 もしこの説なら求められる見返りはアフガン政策かも???
それ以外のものですむといいですが・・・。

まあただでイラク協力した政権より取引して見返りあるほうがいいかも?

投稿: あゆ | 2009.09.04 23:52

せとさん。今日は。
>こうしてみていくと、
日本が今まで来た道とこれから行く道。
考える時が来ていると改めて思うものです。
民主党政権。
今後、どのような選択をするのか?????
注目です!!!

せとさんが整理してくれましたので、目から鱗です。20Cから21Cにかけて人類、そしてその理性が構築して来た世界平和の理念と実践が、現代の平和の基底に磐石の如く据わっていることに確信を持って理解出来ました。有難うございます。

主権者国民と諸野党の協力で自公政権を退場させ交代させて生み出した新政権が、この21Cにおいても先駆的な日本国憲法の平和理念と条項を生かして、内外の平和をどのように実現するか、しっかりと見つめて行きたいと思っております。(ヽ_〃;


投稿: hamham | 2009.09.06 16:39

hamham さん。
こんにちは。
いつもお優しいコメント、ありがとうございます。
勉強したり、調べたことをブログに書きながら、
また新しく、皆さんから教えていただき、また勉強して、、、、と、
本当に書くことやコメントでお話しさせていただくことが励みになります。
お互いに一歩一歩、積み重ねていきましょうね♪
これからも宜しくお願いいたします。


「主権者国民と諸野党の協力で自公政権を退場させ交代させて生み出した新政権が、この21Cにおいても先駆的な日本国憲法の平和理念と条項を生かして、内外の平和をどのように実現するか、しっかりと見つめて行きたいと思っております。(ヽ_〃;」


はい。
まったくです!!!
これからが正念場です。
しっかりと注目ですね。

投稿: せとともこ | 2009.09.07 17:15

こんにちは、あゆさん、せとさん。

なんていうかな、私は組織を背負って外の組織との交渉をやった経験の多い人間なんですけど、私に言わせるとそういう交渉って、本質的に「人付き合い」とはレベルが違うんですね。個人対個人なら「気分の良い奴だから、多少損でも言うこと聞いてやろう」とか「嫌な奴だから、得な話でも断ろう」が許されるけど、自分が組織を背負って交渉するならそれは許されない事なんですね。

私は「自分が嫌なことを受けたくなければ、それが相手にとっても嫌な話になるように知恵を絞れ、自分がして欲しいことがあるなら、それが相手にとっても良い話となるように知恵を絞れ」なんて言います。「自分が嫌だ、自分がして欲しい」だけを言いっぱなしにするのは、交渉ではないと思っています。

なんていうか、国民が外交というものを「「人付き合い」のレベルで「相手に気に入られる様にすればあんじょう計らってくれるだろう」なんて意識を持っている気がして仕方ないんです。

投稿: 技術開発者 | 2009.09.08 08:36

人付き合いレベルじゃないでしょうね~。うちもそう思います。

外交は取引
イメージ
名誉か実益か?
この3つはみかけました。
他になにかあるでしょうか???

企業取引のほうが外交に近そうですね。

投稿: あゆ | 2009.09.08 08:55

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