景気ってなに?かを考えます その3
景気ってなに?かを考えます その2より続く。
第6回 先の景気「回復」の原因を探る(1)
先の
景気回復はデータ上2003年辺りからと指摘。
それは、経済全体での「モノやサービスを買おう」という水準、すなわち「総需要」で決まります。
「総需要」の中身とは、
経済学の理論では、「消費」「投資」「政府支出」「純輸出」の四つの項目に分かれるとのこと。
「C+I+G+EX−IM」
と、言う式を説明。
これが総需要を表す式なのです。「C」は「消費」「I」は「投資」。「G」は「政府支出」。「EX」は「輸出」。「IM」「輸入」。
そして経済に対しての各項目の寄与度について説明。
ズバリ「企業の設備投資」が一番、景気の伸びの牽引だったことを分析しています。
設備投資、、、ですかぁ。
そして著者は利子率へと論理を進めます。
「設備投資が増えるには、実質利子率が低下しなければなりません。これには、名目利子率が下がるか、予想デフレ率が下がる(予想インフレ率が上がる)ことが必要です。」と。
私も何回か書いた「ゼロ金利」へと話は進み、
さらに「予想インフレ率」へと行きます。
そして02年に前年比マイナス5.2%という落ち込みを見せていた民間企業設備投資は、03年には4.4%の増加、04年は5.6%、05年は9.2%と拡大しvii、景気回復をもたらしたと著者は説明。
さらに私も何回も書いている「量的緩和」です。
【日銀の「量的緩和」】。
2003年頃の経済として金融緩和と外国為替に言及。
量的緩和を導入財務省の大規模な円売り介入を援護するような追加緩和で経済の上向きを予想した企業は、実質利子率が低下し、設備投資の増加がもたらされた。こういうストーリーになるのだと予想したのだが、
が、
現実には「サブプライム問題」に代表される「百年に一度の世界恐慌」などが続きます。その原因は何か?
を次に見ます。
第9回 今回の景気後退の原因を探る(1)以下です。
ここでは著者は「本当に2003年以降の景気上昇はあったのか」と言うことで「働く人々は貧しくなっていく」様子をグラフで解説。
つまり「消費に支えられない脆弱な景気拡大」と銘打ちます。
その一つの大きな原因は、正社員が減って、非正社員が増えたこと。
産業構造を見ると、第三次産業が増加。
そして格差社会と言うよりは貧困社会へと移行するにあたり推進したのは、小泉さんであり、財界と歴代自民党政権が一貫してこれを追求してきたと述べています。
次に日銀の金融政策などを検討したあと、
最終回へと続きます。
企業設備と輸出で支えられていた日本経済。
世界不況での石油と穀物の値上がりでデフレ進行。
リーマンショック。
縷々見ていくなかで今、私たちが直面している不況の原因は、
「ひとつは、小泉さんの「改革」を筆頭とする、歴代自民党政権と財界の反労働者的政策。」と、「日銀の一貫した金融引き締め志向」と。
現状分析を試みる中で、
ではどうすればよいか、という視点に立ったとき著者は以下のように述べます。
「国会が決断しさえすれば、無から作ったおカネで国の借金をチャラにして、少子化対策にも、医療費にも、介護保険財政にも、戦後補償にもつぎ込めるのです。この過程でインフレが警戒レベルを超えたなら、すぐ引き締めればいいだけです。金融を引き締めて景気を冷やす方が、緩和して景気を上向かせることよりよっぽど簡単なことは、これまで何度となく繰り返し経験している通りですから。」と。
結論は「いまこそチャンス」
「貨幣価値や国家財政のために人間があるのではなく、目の前の生身の人間こそが目的なんだ。働きたい者が誰でもまっとうに働けて、安心して暮らしていけるためにこそ、経済というものはあるのだ。そういうあたりまえのことを、声を大にしておっしゃっていただきたいと思っています。 」
というものでした。
以上で松尾さんの「景気ってなに?」を見てきました。
私個人はとても良く理解できました!!!
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コメント
難しくてよくわかりませんけど・・・。
住田さんらのお話のときに国債の話がでました。インフレになればうんと借金はかるくなるけど、信用低下で後が怖いそうです。
「48期連続・・・」の日記ではあらゆる組織は人を幸せにするためにあるということでした。ユニチャームの人(これも日記に)のも似ているようです。
投稿: あゆ | 2009.10.22 21:45