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2009.11.18

家族とは何か、補足 その2

さらに家族をみます。
まず家族の法制に関する世論調査と言うのが2006年に行われた時、私も記事にしました。
============
あなたが、家族の役割として最も大切だと思うものは何ですか。次の中から1つだけお答えください。
(ア)子どもをもうけ,育てるという出産・養育面
(イ)親の世話をするという介護面
(ウ)心のやすらぎを得るという情緒面
(エ)日常生活の上で必要なことをするという家事面
その他(          )
わからない
=============

これがそのアンケート内容です。
さて、
上の選択肢。
ステレオタイプな家族観に満ちているようです。
家族の役割という設問だから、
家族とは、
親と子。
そこから養育と介護。
そして共に生活する喜びや、家事全般などなどですが、
この設問に優先順位なんてつけることはできません。

ここまで来て思い出すのはドラマ「隣の芝生」に観るステレオタイプな女性観と言うエントリーを書いた時のことです。
このドラマ、ご覧になっていない方にはネタバレにならないように、ここでは軽く押さえておきます。
「家を建て、夫の母と同居するようになった妻が、
家事と育児と嫁業に、疑問をもち、
働きにでるが、
そこで、家族との問題や会社での立場などなど壁にぶつかりながら、
改めて家族とは何かを見つめる」
と、いうのがあらすじです。

このとき、私は最後に以下のように結びます。
===============
そこで私は問いたい。
脚本家の橋田さんは女子差別撤廃条約について、
働く女性としてどのように評価されているのかと????

「メディアや教育における男女の役割に対するステレオタイプ」の撤廃を勧告した先の国連女性差別撤廃委員会の報告を思い出しながら、
橋田さんのドラマに鏤められたステレオタイプな図式に、「これはないだろう」と思った私です、、、、、、、
=================

そうなんです。
ステレオタイプな家族像。
そこから一歩も踏み出せず、むしろ搦め捕られていく主人公の姿は、
今、現に問題に突き当たっている人にとってなんの解決も見いださないのです。
では、
家族とは何か、
束縛されるものから、一挙、解き放たれるものか?
と、問われれば、それも否です。

と、言うことで、今度は時の人、村上春樹の初期の作品「ノルウエィーの森」にみる家族像に迫ります。
これまた、まだご覧になっていない方にネタバレにならないように、あらすじは控えますが、
興味のある方はこちらのサイトなどに詳しく書かれていますのでご覧ください。
さて、
この作品は「生と性と死」についてがテーマです。
いろんな登場人物が出てくるのですが、家族のことや家族への思い、絆などはあまり描かれていません。
これは村上作品に共通なようにも思うのですが。
家族から離れ共同体の中で他人とともに生活することで、
心のやすらぎを得ていく様を描くことで、作者は「家族の桎梏」を切り取ろうとしたのでしょうか?
あるいは、
どんなに人がいても孤独であるという人間が負う宿命を描いたのでしょうか???
少なくとも、ここでは家族は遺伝子の繋がりという生物的、生化学的な意味以上のものとして捉えてはいません。

村上作品は家族がテーマとは言えないので、
村上春樹自身が「家族」をどのように捉えているかは私はまだわかりませんが、
今、多様な家族の形や、あり方、を考えるとき、
その軸足となるのは、
個人、一人ひとりが自分の人生をいかに考え歩こうとしていくかでは、、、
と、思うのです。

以前シャロット姫からノーラまでと言うエントリーを挙げました。
そこで私は以下のように結んでいます。
==============
この極めてデリケートな問題が、
社会問題の俎上に上ってきたのは、
一連のフェミニズム運動、
ラディカルな「性差別反対」運動。
等、時々の運動の成果ではあると思うのです。
しかし、
こうした先輩たちの運動の歴史を経ても、
いまなお厳然と
「女同士の恨み、つらみ」があるとしたら、
これは、
「未成熟な近代市民」という範疇に入ってしまうのではないだろうか???

「成熟」という言葉が持つ意味は、
「自分の立場と相手の立場の違いを、
想像、理解し、
お互いに、相手の立場を尊敬すること」
だと、私は思うのです。
ところが、現実には、
コメントしてくださった方の指摘のように、
「ルサンチマン」をお互いが、
相手に対して、持っているとしたら、
そして、お互いに、
「相手の立場より、自分の立場がより大変」
と、思っているとしたら、
やはり、
それは、
過去の遺物を自分の中に抱えていることなのでしょう。
「正義」とか、
「真理」とか、
そんな言葉では表されない
「魂」の部分で、
私たちは、まだ
近代市民としての成熟をみていない、、、
そんな気がしてなりません。
(以前の記事より)
===============


いまだ、発展途中、黎明期にある私たち。
答えが何かはまだ判然としないのかもれません。
だがしかし、
だからといって、
考えることや悩むことや声を挙げることを忘れてはならない。
と、思うことしきりです、、、
この問題、これからも折りにふれて考えていきます。

Today’s theme is about the family system.
I referred to mainly about the civil low and article 24 of the constitution.
There are lot of sex discrimination, for example a disparity and a disparity of earnings between the sexes
I hope we will have freedom rights for both sexes.
Thank you.

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コメント

せとさん。 今晩は。

>I referred to mainly about the civil low and article 24 of the constitution.

仰る通り、極めて現実的、具体的な事実の今日的問題として取り上げられていると、私も思いました。この問題を、空理空論に囚われず、事実に基づき掘り下げ、一歩、一歩と解決へと取り組んではじめて、両性の本質的平等も本物になってくると考えさせさられました。この問題は実に人類の歴史の中味にかかわる問題だとも思いました。

せとさんが関連して集大成なされた論述が大変勉強になりました。
有難うございます。m(_ _)m

それにしても、限りなく戦前の大日本国憲法(明治憲法)に近づいてい行くような自民党の憲法改正案は最低ですね。歴史の歯車を、家庭生活も含めて、政治権力で逆回転させようとしています。
戦前の家父長制家族制度の復活、男尊女卑、男女不平等を実質的に目論んでいるのでしょう。主権者国民がNO!の審判を下し、政権から退場させたのは当然です。

これからが正念場ですね。

投稿: hamham | 2009.11.18 19:36

hamhamさん。
こんにちは。
コメントありがとうございました。
パソコンの調子が悪くて、お返事おそくなりごめんなさい。

さて、頂いたコメント、
本当にそうですね。
自民党の退場はヤレヤレです。
が、
油断禁物。
民主党も憲法についてはブレが激しい政党ゆえ、しっかりと見ていく必要がありそうです。
この問題、今後も見守っていくつもりです。
またご教示よろしくお願い致します。
では。

投稿: せとともこ | 2009.11.21 12:08

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» 『神は妄想である』 宗教との決別 [逝きし世の面影]
クリントン・リチャード・ドーキンス 1941年ケニア、ナイロビ生まれ。オックスフォード大学卒、動物行動学、進化生物学。自然選択や生物進化を遺伝子の視点で理解す利己的遺伝子論を唱える。 『ある一人の人物が妄想にとりつかれているとき、それは精神異常と呼ばれる。』しかし 『多くの人間が妄想にとりつかれているとき、それは宗教と呼ばれる。』 『何をどう考えていっても、神などというものがこの世を見守っていると信じる合理的理由はない。』 『宗教が人の世の平和や、真の心の平安に役に立った試しはない。』 『特... [続きを読む]

受信: 2009.11.21 10:29

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