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2010.01.13

内部留保についてツラツラと

先に挙げた新成長戦略?と言うエントリーで内部留保について問題になったので、今日は内部留保についてザックリとみていきます。
wikipediaをまず見て定義と言うか意味をまず確認しておきましょう。
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内部留保(ないぶりゅうほ)とは、株式会社等の営利法人が経済活動によって得た利益を出資者に配当や、税金を支払った後に残った剰余金を蓄積した資金を指す。これは、資金の使途を示す借方に、現金・預金や有価証券、建物、機械などの勘定で使用用途が表されている。
(wikipediaより)
==============
そしてさらに見て行くと、内部留保については以前から論争があります。
まず、 「内部留保=現金」とは限らない」論。
wikipediaの説明を掲載しておきます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
例えば、ある企業で一期間中において以下の取引があったと仮定しよう。
(1) 1億円の商品を仕入れた。
(2) 2億円でその商品を売って、2億円の現金を得た。
(3) 1億円で建物を購入した。
この場合、利益は1億円であって、0円ではない。なぜならば、
まず、(1)の取引により企業は1億円の費用が掛かった。
次に、(2)の取引により企業は2億円の収益を得た。
ここまでの取引(2億円-1億円)の結果、企業はその差分1億円を利益として得た。
そして、(3)の取引で、企業は1億円で建物を購入している。
しかし、この「建物の購入」は損失ではない[2]為、費用として計上されない。つまり、利益額1億円は減らないのである。これは、損益計算と現金計算が別物であることを示す。
参考:計算過程
損益計算:2億円(商品の売上)-1億円(商品の仕入れ)=1億円(利益)
現金計算:-1億円(商品の仕入れ)+2億円(売上で得た現金)-1億円(建物の購入)=0(現金)
つまり内部留保とは、自由に使える手元資金(現金・預金)とは違い、「いくらあっても現金があるわけではない」(福井威夫ホンダ社長)のである。
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次に私が問題意識を一番感じている「 内部留保は雇用に活かされていないか」について。
上記wikipediaでは、以下のように説明があります。
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企業はその投資活動(下請け会社への発注や工場の建設など)を通して、雇用や労働、賃金を拡大している。内部留保はその投資活動の為の単なる資金調達方法の一つであるため、内部留保が大きくても、全く雇用に貢献していないということはない。
内部留保を賃金に回すべきとの意見があるが、
――内部留保は、過去の利益の蓄積であり、その多くは生産設備などに再投資されている。これを使うには、設備を売却し現金化する必要がある。仮に工場を売却するならば、そこで働く従業員をクビ切りしなければならず、逆に雇用を不安定化させる――
なお、内部留保は利益の積み立てなので、たとえ人件費を上げたとしても、利益が費用を上回っている限りは、減ることはない。
本来、内部留保は株主に配当するべき利益で、そうしないならば再投資を行い利潤をより最大化する原資である。「内部留保を取り崩して、非正規社員の雇用維持に回す」ということは、「利益剰余金の取り崩し」を意味するが、株主の同意があれば可能であるが、そうでなければ背任行為となる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
と、あります。
なるほど。
では次に、
「内部留保=自己資本及び純資産」ではない と言う説明で「よく混同されるが、自己資本は内部留保に加え、出資者の払込金(資本金)等も含まれるため、自己資本を内部留保と扱うことは間違いである。」としています。

その他「内部留保課税」と「内部留保を投機に回したのではないか」について説明がなされています。

また裏紙さんと言う方のブログにも詳しく述べられていますので、お時間がある方はご覧頂けたらと思います。

さて、
実際、wikipediaを読むまでもなく、
財務省の「法人企業統計年報」でも、
「『法人企業統計年報』では内部留保を『当期純利益』から『配当金』を差し引いたもの」と定義。
つまり、それぞれの期間に企業が稼いだ利益から株主への配当金を除いたものです。
配当金は社外に流出しますが、それ以外の部分の利益は社内に残されます。
これが利益の面から見た内部留保の定義です。
さらに、
「法人企業統計年報」では、資金調達の面からみた内部留保の定義もしています。
「資金調達には、株式、社債などの発行で外部からお金を調達する外部調達と、社内からの資金調達があり、内部留保は社内調達資金に分類」と言うことだそうです。
つまり
狭義と広義があるということを押さえておきましょう。
と、言うことで、
まず「狭義」について。
資金調達の面から見た場合、利益剰余金、その他資本剰余金、引当金、特別法上の準備金、土地の再評価差額金、金融商品に係る時価評価差額金、自己株式の増減額、その他の負債(未払金等)の増減額の合計とされていることを確認しておく事が肝要です。
このうち、利益剰余金は、繰越利益などを積み上げたもので「狭義の内部留保」。
広義の内部留保は、
その他、実際には支出していないのに隠し利益として企業内に蓄えられている引当金や準備金などを加えたものです。
そして、
当然のことながら、内部留保は、大企業ほど大きく積み上がっています。
先の「法人企業統計」によると、内部留保の大きな部分を占めているのは「利益剰余金」です。
詳細をみると、
資本金十億円以上の大企業製造業で、十年間におよそ3倍にも膨らんでいます。
これに対して、資本金二百万円未満の小・零細企業では、一時マイナスにまで落ち込み、回復しても、蓄積をすべて使い尽くしてしまった状態が続いています。
内部留保は広義の意味でも狭義の意味でも大企業には大きく膨れ上がり、中小零細企業はひたすらジリ貧状態だということです。
こうした実態を分析していくと、
当然、社会が企業に求める在りようは大企業に向けられるものと、中小零細企業に向けられるものとは違います。
大企業はもっと積極的に内部留保を使って、雇用確保などに貢献してもらいたいし、
中小零細企業は存続のため、しっかりと内部留保を保障、安全、健全経営を求めるものです。

さて、先のwikipediaにもあったように、企業が内部留保を切り崩してまで雇用にはかるべきか、、、
と、言う論争(?)ですが、
大企業は内部留保を取り崩すと経営が立ち行かなくなるなどと主張しています。
では本当にそうか、、、
と、言うことでいろいろネットで検索をかけていたらしんぶん赤旗に記事が載っていました。
しかもなんと今日の記事です。
あらら。
昨日から内部留保について調べていたのですが、聞こえたのか???
と、言うことはさておき、記事をみていきましょう。
=================
財務省の法人企業統計(08年度決算)や有価証券報告書をもとに算出し、『2010年国民春闘白書』として発表したものです。
白書は、賃金や下請け単価の抑制、非正規雇用の拡大などに加えて、国民所得減で設備投資も増えず、不要不急の資金がたまる結果になっていると分析しています。
白書によると、トヨタは内部留保を5306億円減らしたものの、それでも従業員1人あたり4178万円にものぼります。在庫調整や人減らしで総資産が減少したため、逆に内部留保が占める割合は上昇しています。
全労連・労働総研では「大企業に社会的責任を果たさせ、内部留保の社会的還元で、内需拡大・生活充実の経済へ転換する第一歩とすることが重要」と強調しています。

『2010年国民春闘白書』から、主要企業の内部留保を見ると—。
日産自動車は国内外で2万人の人員削減をすすめていますが、1人あたり2372万円もため込んでいます。
ソニーも内外で1万8000人(正規8000人)を削減しますが、127億円増やし1人あたり2071万円にのぼっています。
「非正規切り」で批判をあびた自動車や電機各社は内部留保を減らしているものの、巨額のため込みに変わりはありません。
11万人リストラをすすめるNTTグループでは、NTTドコモが1人当たり1億8755万円と断トツ。ゼネコンでは、建設不況でも内部留保を増やしている清水建設をはじめ各社が大きなため込みを維持しています。
ワンマン運転化をすすめている東京地下鉄は、1人あたり3284万円と高水準です。
持ち株会社では、りそなホールディングスが1人当たり1億3663万円など、金融持ち株各社は巨額のため込みを抱えています。
今春闘で大企業は、定期昇給の凍結までいい出していますが、雇用を守り、賃上げもできる十分な体力があることを示しています。
内部留保について財界・大企業は、「工場など資産に形を変えており取り崩せない」などと主張しています。
これに対して白書では、内部留保は預金など手元資金として保有したり、株式・公社債など換金性が高い証券投資に振り向けており取り崩すことは可能だと指摘。「内需拡大・生活充実の経済へ転換するために、内部留保を社会に還元することは大企業の社会的責任」だと強調しています。
(上記新聞より)
==============
と、言うことで表が載っています。
まぁ、いかにも赤旗らしい切り取りかたではあるのですが、
が、、、
が、、、、
今、現実の社会をみると、私は雇用の確保は絶対に必要だと思うのです。
大企業が雇用よりも内部留保のためこみを優先し、企業の買収・合併に使う姿勢を強めている現状で、果たして健全な経済活動が保障されるのだろうか???
なにしろ、先の財務省の統計でも、
企業の内部留保が格段に伸びたのは派遣労働が原則自由化された1999年以降です。
209・9兆円から218・7兆円も増加しています。
勿論6〜7割が大企業です。

内部留保ため込みが内需を阻害していると言う指摘もあります。
2009111901_01_1b

これは総務省から出た統計を元に計算したものだそうです。
これを見ても、
今、すべきことは何か、、、と問われたら、
まず国民に体力をつけること、つまり雇用を保障すること、内需を拡大すること。
そのために、何をするか、、、
大企業のため過ぎた内部留保をほんのちょっと雇用に回すことで、解決の道が見えてくるのではないだろうか、、、
と、私は思うのですが。

この問題、今後も拘っていきます。

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コメント

こんにちは、せとさん。

>まぁ、いかにも赤旗らしい切り取りかたではあるのですが、

赤旗の切り口は確かに赤旗らしい切り方ではあるわけです。

wikipediaを調べられたら、ついでにそこに載っているグラフもご覧になられたと思うのね。確かに内部留保は(10億円以上)全産業で250兆円くらいに膨らんでいる訳です。ところがね、企業預金高が低下している事も分かると思うんですね。だいたい40兆円くらいですかね。この差の200兆円くらいってどうなっていると思います。実は既に使われているんですね。設備投資とかにね。例えば工場の原価償却の済んだ古い機械を廃棄して新しい機械をいれますでしょ。そうすると設備資産の額が増えることで内部留保は膨らむんだけど、実は社会に対する貢献というのはその段階で或る程度は果たしているのね。その新しい機械を作る会社は支払いを受けて職人さんの給料が払える訳だからね。その機械を作るための特殊鋼を作っている会社、モーターを作っている会社、制御用のコンピュータを作る会社とかにも回っていくという意味で、設備投資というのは景気にとても影響するんですね。景気の動向をみるのに設備投資額をみるというくらいにね。

なんていうかな、リーマンショックまでの日本の1~2%程度の経済成長というのは、その内部留保の膨らみのうちの設備投資とかの部分が支えてきたと思っている訳です。リーマンショックで一気に雇用が悪化したけど、なんていうかな大企業が直接雇用を止めた部分だけでは無くて、設備投資とか手控える事で、設備を作っている会社なんかが雇用出来なくなっているという現状があるのね。

なんていうかな、内部留保を吐き出すというときに、「じゃあこの工場を、この設備を、この販売店を」を吐き出して貰っても嬉しくないでしょ(吐き出さないけど:笑)。結局流動化できる資産を吐き出させる事になるのね。でね、じゃあ流動化できる資産を吐き出すと、「古い設備を更新するか、古い販売店を建て替えるか」みたいな事に影響が出やすいのね。なんていうかな、例えば10兆円を吐き出させて雇用対策したとして、その分、設備投資が10兆円減ったら、実のところ雇用に与える影響はどっちが大きいかよく分からない面が有るんです。

まあ、あくまで一例だけど、トヨタ自動車の連結決算を見ると、純利益が1.7兆円有った年の設備投資が1.4兆円なのね。でもって純利益がマイナス400億円の今年度の設備投資は、それでも1.3兆円くらいあるのね。設備投資なんてのはそう簡単に止められないからね。そのギャップを埋めているのが過去の利益で積んだ流動性資産なのね。もちろんこの1.3兆円は流動性資産から設備資産への変更になるだけで内部留保としては変わらないんだけどね。なんていうかな、この1.3兆円は設備投資に関わる会社に流れて社会の雇用に機能しているということね。

せとさんは、「自分は考えている」と言われるけど、私にはそうは見えないのですよ。なんていうかな、経済というのはグルグルと循環しているものだという概念がどうにも見えなくてね。なんていうかな「内部留保が増えている」と言うときに「溜め込んだな」という判断になるのか、「その内部留保のうち設備投資に回っているのはどのくらいだ」と考えるのかの違いみたいなものかな。

なんていうかな、私はずいぶん酷い言い方をして居るんだけどね。実はとっても怖いんですよ、今の日本国民がね。政治に目覚めたかもしれない、政策に興味を持ったかも知れない。でもね、うわっ面だけで簡単に判断出来るほど経済って単純じゃないんです。何処に行った金が何処に回って、その次には何処に回っているなんてね。それが見えないうちに判断を下すと、そのしっぺ返しは国民の社会生活そのものに跳ね返ってくるのね。早く成熟して欲しいのですよ。せめて、経済の分かる人間を見分ける程度にね。

投稿: 技術開発者 | 2010.01.13 17:04

技術開発者さん。
こんばんは。
頂いたコメントを拝見して、
またまた当惑しています。
本当にエントリーを読んで頂いているのでしょうか?????

私は経済はグルグル回るものだと思っています。
固定的に捉えてはいません。
今回の内部留保についても、
ここに掲載した内容の3倍は調べました。
そして、
今回はまず定義と言うことでWikipedia
次に内部留保の実態について赤旗の記事から引用したのですが、
と、言って、べつに内部留保だけに拘っていません。
そもそもは、
税制の見直しが出発点だからです。内部留保切り崩しも一つの策であるが、その他、いろんな試みも在って然るべきと考えています。
自分の中では出発点は見失うことなく、進んでいます。
開発者さんからご覧になって「考えていないように」思われても、
それはあなたが思われることだから、私は責任は負いかねますので、
どうぞ、そのようにお感じになっていただいて結構です。
また開発者さんのコメントを「いじわる」とか「酷い」とも思いません。ただただ当惑しているだけです。
むしろ、そのような人間観をもっていらっしゃる開発者さんの
背景に興味があるばかりですが、、、
ところで、一つ疑問ですが、
開発者さんご自身は、
ご自分は未熟なのでしょうか?
成熟なさっているのでしょうか?
自己評価をお聞きしたいものです。
では。

投稿: せとともこ | 2010.01.13 21:54

こんにちは、せとさん。

不毛なのでこの話題は打ち切りたいと思っています。

>開発者さんご自身は、
>ご自分は未熟なのでしょうか?
>成熟なさっているのでしょうか?
>自己評価をお聞きしたいものです。

この部分だけ答えておくと「未熟」ですよ。未熟というのは「成熟した状態」というものを頭に描いての事だからね。その「成熟した状態」という想定に共通性が持てなければ、その話をしても意味は無い訳です。

>むしろ、そのような人間観をもっていらっしゃる開発者さんの
背景に興味があるばかりですが、、、

人間観というか、社会観ですね。「この世の中に、これさえやっつければ平和になると言う悪が有るのならどれほど楽だろう」なんて事を書いた小説があったけどね。なんていうか、社会に大きな矛盾があり「悪」に見えるものでも、その中身を解析すると、中心の塊なんてなくて、人間の持つ個々の不合理性が寄り集まった結果として矛盾が生じているだけだったりするんですね。でもって、多くの人がまじめに「こうしなくちゃ」と取り組んで矛盾を拡大する方向に進んでいたりする。もちろんシステムが悪いんだけどね。そのシステムができあがるのさえ、多くの人がまじめに「こうなると良いな」と取り組んだ結果だったりするのね。そしてシステムが大きくなればなるほど、そういう個々がまじめに良かれと思って取り組んだ結果として現実には悪いことが起きるという事は増えていくと思っています。システムが大きいと個々の人間がもう少し広い視点、長い視点を持たないとならなくなっている。じゃ、どうしたら持てるんだろうとずっと考えている訳ですよ(笑)。

投稿: 技術開発者 | 2010.01.15 10:54

ずいぶん勉強されたんですね。

むずかしくてうちにはなんかよくわかりませんが・・・。


家計でかんがえると内部留保?ないのはすごく不安です。自己責任ですから内部留保ないとなにかあると路頭にまようもの。


財務省の方のはなしでかんがえると内部留保が貯蓄となり国債となりささえているような。


かたやその内部留保をつかわせようという意見も強いですよね。
貯蓄きりくずし??

日記にかいたおかねの暴走でいくと、膨大な「内部留保」が行き場がなく投機で価格つりあげ市場原理?を混乱させているそうです。


みんなにうまく循環するといいかもしれませんね。
「循環型社会」(笑い)

投稿: あゆ | 2010.01.15 11:07

技術開発者さん。
あゆさん。
こんにちは。
寒いですね、、、この頃は。
お風邪などひかれていませんか?

私は今、受験の時期で、本当に、ほんとうにバタバタ。
明日からセンターなので、
いよいよ本番の始まりだと、いつもながら感慨に耽ります。
この時期、いやですね。
受験生も、関係者も。
さて、それはそれとして。


技術開発者さん>
頂いたコメントで、またあなたのことを尊敬できそうで、私としては嬉しい限りです。o(*^▽^*)o
実は、私と愚樵さんも、考えが全然違うので、何回も論争というか、お互いの主張を繰り返す中で、
「相手のことがだんだんわかって」きました。そういう意味では罵愚さんも。
それから、さいと〜さんと言うアンカーマンの方とは、ネットの当初からおつき合い頂いていたのですが、この方からは「ネット論争」について実に率直なご意見を頂き、すごく勉強をした経験があります。
その他、多くの方とネットと言う道具を通しての対話を重ねながら、刺激を受け、学ばせて頂くことばかりです。
開発者さんからは、
蘊蓄深い知識と経験で、私はやはり学ばせていただくことばかりでした。
が、今回は当惑しました。
しかし、ズバリ疑問を書かせて頂いて、そのお答えで、
なんだかあなたがさらに身近になりました♫

これからも、ご教示よろしくお願いいたします。

あゆさん>

私は専門が生物なので、経済は守備範囲ではないのです。
しかし、現実のアレコレをみると、本当に知らなければ、知りたいと思うことばかり。
だから、いろんな事を調べ、皆さんにご意見を伺い、さらに進めて行けたらと願っています。
あなたからは、ユニークで鋭い直球が投げられるので、私は本当に刺激になり楽しみでもあります。
どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。
じゃ、、、またね。

投稿: せとともこ | 2010.01.15 17:12

こんにちは、あゆさん。

>家計でかんがえると内部留保?ないのはすごく不安です。自己責任ですから内部留保ないとなにかあると路頭にまようもの。

う~ん。流動資産型の内部留保で不況を乗りきろうとする小企業の例を出したのがまずかったかな(笑)。
なんていうか、多くの企業の内部留保というのは取り崩せばすぐに現金化できるような形にはなかなか成っていないんですね。家計で言うと、例えば通勤のための自家用車を200万円でお買いになると、一年目は、内部留保として200万円積んだことになる感じなんですね。2年目は減価償却して180万円とかに勘定されるけど、家計が苦しくなって売り払っても180万円では売れずに100万円で売れたら良いところという感じですかね。

そういう意味では企業の内部留保というのを家計に置ける「もしもの時に崩す貯蓄」と同じように考えるのは危険なんです。例えば日航の財務調査でも古いジャンボ機なんかを最初は減価償却後の額面で勘定していて、けっこう資産があるように見えていたのですが、いざ再生という考え方で「たたき売ったとしたら」という金額で勘定するのでとんでもなく低い金額になってしまうと言うことが起こるのが企業の内部留保なんですね。

少し内部留保が積み上がって、その分人の雇用が減るという仕組みを説明させてください。なんていうか貯蓄が増えて人が減るといった単純な話ではないんですね。例えばスーパーでお買い物をされると、最近はレジで値札を読み上げながら価格を打ち込む姿なんて見なくなりましたでしょ。大抵はバーコードを読み取るだけになっています。10年以上前からこういうバーコード読み取り型のレジが急速に普及しました。古いレジを廃棄してこの最新式のレジを導入した場合にはそのスーパーチェーンの企業会計では、そのレジの購入額は「内部留保」とされます。でもって、昔のレジに比べて、バーコード読み取り式のレジは高価です。その代わり、レジの処理量が増え、また、品目の売り上げなども簡単に把握出来ますからスーパーの次の購入指示も簡単に計算出来ます。その結果としてレジの熟練店員の数が減らせますし、陳列棚のチェックとか、在庫管理の人も減らせます。つまり雇用全体が減ると同時に「熟練」もまた必要性が減る訳です。

高価なバーコード読み取り型のレジはその後ろにある全体の管理システムともに高価であるために「内部留保」は高まり、そして雇用が減るという流れは、皆さんの目の前にある訳ですよ。それは、皆さんが日々お買いになるスーパーの買い物の金額に含まれるスーパーの利潤の部分にも、人への分配を減らして内部留保を高める形として現れている訳です。同じ事は、日本の企業が生産する多くの生産物についても言えます。NC(数値制御)加工機と言われる複雑な加工をこなしてしまう自動加工機は高価であり、それに対する設備投資は内部留保を高めると同時に熟練工の必要性を減らします。そう言ったことが日本中の産業でおきてきたという理解をまずして欲しいわけです。

「内部留保を減らして雇用に」という考え方そのものは正しいのです。ただ、それは「貯蓄を崩して人を雇う」というイメージでは間違うわけです。内部留保の本質が設備投資であり、その設備投資が「人から物へ」の流れを持っている事を踏まえて考えないと成らないわけです。

投稿: 技術開発者 | 2010.01.18 09:09

そうなんですか。
除湿機売りにいったら5年こえたからいやだ!ただなら・・・。とか言われます。
でもなぜか同じものが4500円で売られています。(ふるいですよ)

設備は売却査定では安くなりますよね。
畳は7年ほどで査定0です。だから賃貸住宅で7年居住したら、畳の費用はそれを根拠にでも、払わなくていいそうです。

設備投資て「消費」なんでしょうか?
それにより他の企業の売上・雇用に貢献しているような・・・。

でも書かれているように設備投資が雇用うばうことも充分ありえそうですね。

投資したほうがいいもの、しなくてもいいものを「事業しわけ」がいるのかもしれませんね。

投稿: あゆ | 2010.01.18 10:14

こんにちは、あゆさん。

>投資したほうがいいもの、しなくてもいいものを「事業しわけ」がいるのかもしれませんね。

なんていうかな、皆さんに身近に感じて貰いやすい例として、スーパーのレジを出したのは、この社会全体が「人よりも物」に投資されていく流れが、そう簡単に仕分けられない事を理解して欲しかったんですね。

あゆさんのご近所には店員さんが値段を入れているレジを使っている大きなスーパーというのはもはや無いだろうと思いますが、もしも仮に、周りに2つのスーパーがあって、片方がバーコード読み取りで、もう一方が値段などの打ち込みレジだったら、あゆさんご自身が、「こっちのスーパーの方がレジが早くて、値段も少し安いから」とバーコード読み取り型のレジを導入したスーパーの方を贔屓にされるかも知れないと思うんですね。なんていうかな、競争相手のスーパーがバーコード読み取り型になれば、まだ使えるレジシステムでもバーコード読み取り型に変えて行かないと競争に負けてしまう面があるんですね。

同じ様な事が製造業の設備投資でも起こるんです。どこかが熟練工をあまり必要としない自動化した製造設備を入れて、その結果で安い製品を作れば(例えば亀山の工場とか)、競争相手の会社は製造設備の更新を急がなくてはならないんです、たとえ社員の給料を減らしてでも設備投資を急がないと負けてしまう訳ですね。

なんていうか、ここ10年くらいの自動車や家電の設備投資は、ある意味で異常と言って良いくらい膨らみました。せとさんが言われるみたいに「人への分配を切って」投資した結果として、今の内部留保ができている訳です。あゆさんにしても、せとさんにしても、「デジタルTVを買おうかしら」と家電品店を覗かれれば、そこには、「すさまじい価格競争をしている」各社のデジタルTVが並んでいます。その価格競争が今のレベルでおこなわれている背景に、「設備投資に後れを取ったら市場から消え去ってしまう」という焦りに背を押された各社が、労働者を減らし、労働分配率を下げても設備投資にお金を注ぎ込んできた(結果として内部留保が膨らんだ)という結果があるわけです。

せとさんに「多くの人がまじめに『こうしなくちゃ』と取り組んで矛盾を拡大する方向に進んでいたりする。もちろんシステムが悪いんだけどね。そのシステムができあがるのさえ、多くの人がまじめに『こうなると良いな』と取り組んだ結果だったりするのね」なんて書いたけど、あゆさんやせとさんが、「レジが早くて、価格が少しでも安いスーパー」をお選びに成るのは普通のことです。「デジタルTV買うのなら性能が同じなら少しでも安い方を選ぶ」も普通のことです。でも、その競争の中で、レジの効率や商品管理の効率を上げることでレジの店員さんだけじゃなくて商品棚のチェック等をする店員さんが少なくても済むシステムとしてのバーコード読み取り型のレジが開発されるし、スーパーの本部はなんとか資金をかき集めてでもそのシステムを導入する訳です。その設備投資をおこなうスーパーの経営陣もまじめに「お客に贔屓にして貰って競争に負けないため」を考えてそうする訳です。どこにもサボっている人間なんている訳じゃないんです。でも、結果として同じ大きさのスーパーならレジは少なくて済む様になるし、熟練もあまり要求されなくなって雇用と給料は下がっていく。そういう話を理解して欲しいんです。

投稿: 技術開発者 | 2010.01.18 16:11

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