日米核密約と言えばこの人。
そう、新原昭治さん。(国際問題研究者・非核の政府を求める会核問題調査専門委員)
と、言うことで、今日は新原論文を中心に日米核密約と非核三原則をみていきます。
論文タイトルは「日米核密約」問題をどうみるか
――新政権は「密約」の公表・破棄、「非核3原則」堅持をです。
まず、〈目次〉は以下の通り。
1 今回の核密約報道をめぐる経過と特徴
2 新聞論評の流れと「核抑止」論者の蠢き
3 米核使用戦略を支えている日本の現状は放置できない重大問題
4 現状を根本的にあらためて文字通りの「非核日本」の実現を
私もこの順番で検証していきたいと思います。
==1 今回の核密約報道をめぐる経過と特徴==
「今回、元外務省関係者の証言が明るみに出たのは、重要なことです。
核密約の露呈は、日米安保条約堅持の政府が被爆国国民の非核の願いをふみにじって嘘をつき続け、米国の核使用戦略に協力してきた闇の犯罪史がついにあばかれたことを意味します。」
と、新原さんが言われるように、
この文書は外務省関係者が認めたことに大きな歴史の流れを感じるものです。
==[2]新聞論評の流れと「核抑止」論者の蠢き==
この項は新聞社が世論をどの方向に誘導していったかの経緯が述べられています。
「新聞が推進強化を呼びかけた「核抑止力」依存の実質は、日本がアメリカの核使用戦略の出撃拠点になることを意味します。「核抑止力」の大前提は核兵器を使うことにあり「2原則」化はそのための基地推進論だからです。」
と、新原さんが指摘するように、
「核抑止力」とは核を使用することが前提であることを、しっかりと見極めるこの必要が説かれています。
ここでも小泉政権の悪政というか、アメリカにへりくだった政治の在りようがしっかりと糾弾されているのですが、
こうして読み進むと改めて小泉政権の犯した罪を思うものです。
とくに、
2007年5月1日の日米安保協議委員会(2プラス2)の共同発表文書について言及。
これについては私もかなり拘って記事を書きました。
2プラス2=?と言うタイトルのエントリーでは、
その中身をみながら「日本はどこへいく」と思ったものです。
さらに在日米軍再編合意と言う記事では「ズバリ3000000000000円負担。
日米両政府の外務・軍事担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)よると、
在日米軍再編の最終報告=「再編実施のための日米のロードマップ」(行程表)が決定され、再編計画の完了は2014年を目標と言うこと。」として日本の事実上の負担について述べました。
日米同盟については過去にいっぱい、いっぱい、、、記事を書いています。
もし興味がありましたら、またご覧頂けたらと思います。
============
「4年ごとの国防計画見直し」からアメリカの今後を見てみると、、、 10/02/05
アメリカの核予算はどうなるのか??? 10/02/02
Emergency constitution その3 09/12/16
日米同盟さらに再考その5(経済面から) 09/12/08
日米同盟さらに再考その4(過去記事より) 09/12/08
日米同盟さらに再考その3(過去記事より) 09/12/08
日米同盟さらに再考その2(過去記事より) 09/12/08
日米同盟さらに再考その1 09/12/08
沖縄基地問題について その1 09/11/12
鳩山総理、イラク戦争は間違いであった、と。 09/11/03
小沢さんの幹事長によせて 09/09/04
今年も憲法記念日に 09/05/03
憲法公布日にあたり改めて日本国憲法を 08/11/03
国防賊??? 07/11/19
あれから4年 07/03/20
アミテージ報告 07/02/18
施政方針 07/01/27
誰のための日米同盟? 06/07/01
米軍再編、政府方針を閣議決定 06/05/31
国家安全保障戦略 06/03/27
岩国住民投票結果 06/03/13
ともに血を流す同盟 06/02/05
F15戦闘機訓練中に墜落 06/01/18
政府与党協議会 05/11/16
2プラス2=? 05/10/31
今日は何の日 05/06/23
不思議な国 日本 04/04/12
===============
さて、こんな小泉政権の欺瞞のもと、
進んでいったアメリカ軍との再編制と核密約の秘密交渉。
そして、
[3]米核使用戦略を支えている日本の現状は放置できない重大問題へと新原論文は続きます。
「その1つは、核密約の本質は何か、日米政府はなんのために1960年に核密約を結んだかという、本質論の論議が不十分ではないかということです。
核密約は1951年米国から押しつけられた旧日米安保条約を、60年安保改定で「対等平等」になったと装うため新たに導入した事前協議を、実質的に骨抜きにする目的で結ばれた秘密取り決めでした。
「核持ち込みは事前協議の対象」と国民に大宣伝する一方で、実際には米軍の要求に忠実に従って、日本にやって来る核兵器を積んだ米艦船や米軍機を「事前協議の対象にしない」ことを約束し合った秘密協定です。60年1月6日マッカーサー米大使と藤山外相が調印した「討論記録」という名の密約の本質的内容はこの点にあります。
国民には核兵器持ち込みに関し事前に協議することになったかのように虚偽の宣伝をしながら、実際には日本を核兵器使用の拠点にすることを含めて米軍基地の事実上の自由使用にフリーパスを出したのです。」
と、新原さんはその本質をえぐります。
この問題について、アレコレの反対意見や批判記事を抽出しながら、
問題の本質は「アメリカにいやおうなく組み込まれ、巻き込まれる日本の危険」について新原さんは大きく警告を発しています。
最後は「[4]現状を根本的に改めて、文字通りの「非核日本」の実現を」と言うタイトルですべて言い尽くされています。
「非核三原則を」と言う思いを連綿と守り、
願いを訴え、
そして、
実現に向けて歩んできた先輩たちの思いを新に、
今、私たちが求める事は一つ。
「アレコレの言い訳を言うのではなく、
三原則を守って欲しい」と言う事。
しかし、
現政府は「日米密約」についての外務省の報告で、核兵器を積んだ艦船や航空機の通過や寄港を事前協議の対象とはしない密約について、
文書はあったが「核持ち込み」の「明確な合意」でなかったと主張。
それにも関わらず、
関わらず、、、
これまで核兵器が持ち込まれていた可能性は否定していません。
さっぱり分からない政府の対応です。
アメリカ軍が核兵器を積んだ艦船や航空機を、日本政府との事前協議抜きで領海を通過させ寄港させる約束は、1960年の日米安保条約の改定時に日米政府が秘密に取り決めた「討論記録」の中に明記されていることは、すでに公にしました。
外務省は今回文書の存在は確認しましたが、
が、、、
「明確な合意」でなかったといいました。
仮に、
かりに、
かりに、
これを「明確な合意でない」としたら、
アメリカサイドからすると、
「なんと不誠実な国」ということになりますね、、、
日米の公式文書を「合意でなかった」というのです。
うわっ====
と、
思います。
勿論、これは私たち国民向けの言い分で、アメリカには「了承」「合意」なのだろうが、、、
で、なければ、あのアメリカが黙っているはずはないかぁ、、、
ふっぅ、、、です。
パパブッシュ大統領は1991年の核戦力削減措置についての演説で、
「通常の状況下ではわれわれの艦船は戦術核兵器を積載しない」とはのべたのですが、
「将来の危機に際して必要な場合に利用できるよう、中央地域に保管」するといっています。
1994年のクリントン政権の「核態勢の見直し」報告も、
「もし必要な場合には、将来の予期せぬ挑戦にも対応する」といっています。
いずれにしても、
私たちが知らない間に密約が交わされ、
私たちの頭の上をバンバンと、
飛来したり、
日本の海が核満載の船で覆い尽くされるような事態はもうゴメンです。
「非核三原則」。
堅持を改めて願い、声をあげるものです。
最近のコメント