異邦の騎士を読んで
島田荘司さんの「異邦の騎士」を読みました。
面白かった。
さすが「しまそう」。
私は「記憶喪失もの」とか「パラレルワールドもの」が好きなので、
このところ「記憶もの」をいくつかまとめて読みました。
変身東野圭吾
奇跡の人真保祐一
蛇行する川のほとり恩田陸
これ以外にもSFのジャンルも含め、まだまだ読みたい本はいっぱいあるのですが、
とりあえず4冊をまとめて読んだ今の感想は先に書いた通り。
「しまそうって面白い」です。
東野さんの「変身」と真保さんの「奇跡の人」は記憶ものの定番らしく同じティストでした。
定食メニューらしく可もなく不可もなく落ち着く所に落ちついたというところかなぁ。
恩田陸さんの「蛇行する川、、、」の方は「おんりく仕立て」。途中まではワクワクするのですが、最後の着地点がもう一つ私の趣味ではないのです。
一方、しまそうの「異邦、、、」の方は最後の仕上がりが哀しくて美しくて切なくて、それでいてスッキリしていて、
それまでの経過が一度に頭に蘇ります。
読後感は「得した」感じでいっぱいになりました。
ネタバレになってはいけないので、粗筋はかきません。
しまそうって、それにしても文が上手ですねぇ、、、当たり前か、プロの作家だもんね。
何気ない日常の風景の表現がスルリと書けていて、本編に邪魔にならないように入り込んで来ます。
とくに夕方を表現する文が素晴らしい。
あああ、一日が終わるんだという、哀愁と焦りと安堵が混ざっている微妙な時間を、時には太陽に、時には吹く風に絡ませて書いているのですが、
「こんな文章、書けたらな」と思うくらいさりげなくて、それでいて、ビビッドに頭に入り込み主人公に共感していきます。
と、言うことで、もうちょっと「しまそう」も読んでみようと思っている私です。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
なんかおもしろそうですね。
投稿: あゆ | 2013.05.14 11:38
あゆさん。
面白かったです。
是非お時間のある時でも読んでみて下さい。
あゆさんは感性が鋭いから、感想がユニークだろうな!!!
あゆさんも、また本の紹介してくださいね。
楽しみにしています!!!
投稿: せとともこ | 2013.05.14 14:54
本はありませんが、先日 オペラのは書いてますよ。
オレステイア http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2013-03-22
投稿: あゆ | 2013.05.15 08:58