日本銀行の働き
今日は「一から知る日本銀行の役割」と勝手に銘打って、
自らの勉強の備忘録のために書いています。
まずそもそもの役割はwikipediaより拝借。
〜〜〜〜〜〜1998年、日本銀行法の全面改正によって、「物価の安定」と「金融システムの安定」という二つの日本銀行の目的が明確に示された〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここまではスンナリと私でも頭に入ります。
では具体的には以下の通り。
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発券銀行として日本銀行券の発行および管理を行う。
政策金利(旧・公定歩合)操作、公開市場操作、支払準備率操作等の手法により金融政策を実施し、通貨流通量を調整することで物価と国民経済を安定させる。
日本銀行の当座預金を使って銀行などの金融機関同士の取引の決済を行う。つまり銀行の銀行である。
国庫金の出納を行う政府の銀行である。
内国為替業務による円滑な資金決済や、日銀特融などの制度担保(「最後の貸し手」)により金融秩序の安定を図る「銀行の銀行」としての役割を果たす(預金や融資の取引の相手方は、日本銀行法の定めに基づき指定された金融機関等に限られる)。
各国中央銀行や公的機関との間の国際関係業務(外国為替市場への介入を含む)を行う。
金融経済情報の収集および研究を行う。
経済統計の作成および公表を行う。
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つまり「発券銀行」「政府の銀行」「銀行の銀行」と言う3つの役割です。
さて、ここで私たちの生活に最も影響を与える「物価の安定」に対して、日銀がどのような事を行うかを見ます。
教科書的には以下の通り。
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日本銀行が、金融機関を相手に国債や手形の売買などを通して、お金の量をコントロールし、景気の調節をはかることを「公開市場操作(オペレーション)」といいます。
インフレの時は、金融機関に国債を売って、世の中のお金を少なくします。これを資金吸収のためのオペレーション(売りオペレーション)といいます。
デフレの時は、金融機関から国債を買い取って、世の中のお金を増やします。これを資金供給のためのオペレーション(買いオペレーション)といいます。
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ここで日銀の金融政策を振り返ってみます。
日本経済の高度成長期である1960年代前後の金融政策は、公定歩合操作による金利政策が中心でした。
1999年、景気の悪化から、デフレーションが続いたため、日銀は金融緩和を行い短期金利はほぼ0%にまで低下、いわゆる「ゼロ金利政策」の導入。
2000年には「ゼロ金利」解除。
実はこれは時期尚早でこの解除は失敗に終わる。
2001年に政府が初めて「戦後初めてのデフレ」を認め、それから2006年にかけての5年間、日本銀行の当座預金残高を目標にした「量的金融緩和政策」が行われる。
金融の誘導目標が無担保コール翌日物金利(日本の金融機関が、1年以下のいわゆる短期資金のやり取り(貸借)を行うコール市場において、約定した翌日に返済を行う際の金利のこと。短期金融市場の金利の一つ)から「日銀当座預金残高」(金融機関が日本銀行(日銀)に保有している当座預金(法定準備預金率を超える残高については、出し入れ自由な無利子の預金)である「日本銀行当座預金(日銀当座預金)」の残高のことをいう)に変わる。
さらにこの量的緩和を拡大するためこの解除の時期を「消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで」と約束。つまり政策に「時間軸」を設ける。
この続きは後ほど書きます。
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コメント
今回のアベノミクスの出現にさいして、日銀と呼ぶ存在に対する疑問をあちこちにぶつけてみるのですが、ひとつとして疑問を溶かす返事がもらえません。よかったら、あなたのお勉強の成果を生かして教えていただければ大変ありがたいのですが…
まず最初の疑問は、インフレ対策として日銀券を発行すればいいものを、なぜわざわざ国債を増発するのかというものです。インフレとは市場に流通する通貨の不足だとしたら、単純に通貨を増やせばいいのでしょう。
そこで通貨と国際ですが、通貨とは返済義務がない政府の借用証で、永久に国家に貸したお金ですよね。反対に国債は利息と返済義務がくっついているのですか、インフレ時にはしかたがないとしても、デフレ解消には国債ではなく、通貨を発行するべきだと思うのですが、どうしてこの提案がどこからも出てこないのでしょうか?
投稿: 罵愚 | 2013.03.04 05:52
罵愚さんが言われるように日銀券を発行したとして、それをどうやって市場に流通させますか?まさか国民全員にばらまくわけにはいきませんよね?なのでいったん国庫に入れて、それを様々な目的に使うことによって流通させるわけです。国債を日銀が直接引き受けることにすれば政府は事実上無限にお金を使うことができる(国債の償還は新たな国債発行で賄えば良い)ので、日銀券を増発したのと同じ効果が得られます。
なお、仮に政府が上記のようなことをすれば国債と日銀券に対する国際的な信用がなくなって、デフレ解消どころの騒ぎではなくなるでしょうね。
投稿: (ひ) | 2013.03.04 22:52
デフレとは経済の規模に対する通貨の流通量の不足で、そのサイズがデフレギャップでしょう。60兆円とか、80兆円といわれている。どんな方法でも通貨が注入されさえすればいいという考え方からヘリコプターで空からばら撒けばいい、なんて乱暴な意見が飛び出す。
だとしたら、国民のフトコロに直接届く方法として減税がいい。1年間とか2年間とか、税金をゼロにする。国民も企業もよろこぶでしょう。不足する予算は、政府が自分で通貨を印刷してまかなう。印刷代だけで、利子も返済の必要もありません。
ところが、これを通貨ではなく国債でやるから、利息と期限がついて回り、政府の借金が増えることになる。インフレ時にはしかたがないとしても、デフレ解消には国債ではなく、通貨を発行するべきだと思うのですが、どうしてこの提案がどこからも出てこないのでしょうか?
投稿: 罵愚 | 2013.03.05 15:42
罵愚さん。
こんにちは。
私は今、花粉と戦いながら経済の本をアチコチと開いています。
まだ初心者で、罵愚さんの質問にうまく答えられませんが、下のような記事を見つけましたので、ご参考になればと思います。
http://ameblo.jp/sayoku-hoihoi/entry-10359617892.html
また「デフレ 通貨発行」で検索するといろいろと出てきますよ。
では。
投稿: せとともこ | 2013.03.06 16:54
いやぁ、このひともデフレの状況と原因を「お金持ちが貯金をしていまうと市場に戻ってこなくなります」といいますが、銀行口座だって、商品市場ではありませんが金融市場ではあるわけで、つまりお金は商品市場から金融市場に移動しただけで、無くなってしまったわけではない…さらに、市場からお金が消えれば物価は上昇するはずなのに、デフレ下では物価が下降する。説明になっていないと思いませんか?
説明にどこかまちがいがあるのではないのでしょうか?
投稿: 罵愚 | 2013.03.07 04:36
ひごろから、まったく景気動向を読めない経済学者ばかりで、たまに一人か二人があてるのは学問の成果ではなく、ギャンブルだろうと思っていた。麻生副総理が、あたらしく就任した日銀副総裁を批判していたのも、学者先生が理由だった。経済学者なんてのは科学者じゃぁない、ギャンブラーだろうを確信した次第だ。
ところが立川断層帯の自コンクリートの柱を然石と誤認した。それも現場の見学会の参加者に指摘されて気づいたというニュースには、自然科学よ、オマエもか、の感を強くした。とりわけ東大が目立つのも…
投稿: 罵愚 | 2013.03.29 15:11
罵愚さん。
ご無沙汰しています。
沢山、コメントいただいたのに、お返事遅くなりごめんなさい。
3月はとにかく忙しかった、、、
家族の引っ越しの手伝いに、恩師の退官で祝賀会に出たりと、なにやかにやと慌ただしくしていました、、、
今も時間をみて、バタバタしながら書いています。
またゆっくり時間がとれたら考えて行きたいです、、、
取り急ぎ。
投稿: せとともこ | 2013.04.01 19:07
物価の安定と書かれていますが
安定って具体的にどう定義(日銀関連で)ですか?
バス代200円が10年しても180円や220円にならないということですか?
投稿: あゆ | 2013.05.14 11:45