ちょっと難しいテーマについて考え中。
それは自己責任。
そうです、例の辛坊さんのヨット遭難事件です。
これをキッカケに「自己責任」について、考え中なのです。
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ヨットで遭難したフリーキャスター辛坊治郎さん(57)らの救助費用は1000万円超などと報じられ、税金で賄うものなのか議論になっている。
「僕は本当にね、ああこの素晴らしい国に生まれたよねと…」
救出されて会見に臨んだ辛坊治郎さんは、涙ながらにこう漏らすとともに、救助に多額の税金が使われたことを反省しなくてはいけないとも語った。
(上記ニュースより)
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普通は辛坊さんが無事救出されたことを双手をあげて喜ぶ筈ですが、、、
この辛坊さん。
お名前のように辛口キャスターで有名。
9年前のイラク人質事件のとき、先頭に立って「自己責任論」を唱え、
人質の方を糾弾したのです。
そんな経緯があるので、今度の「自身の救済劇」に対して、
「自己責任はどうよ。自己負担するべきでは」という声が多くあがったのもムベなるかなです。
まぁ、そのような反応があるのも分かるのですが、、、
個人的には、辛坊さんが自己責任を感じる事はおおいに必要かもしれませんが、それは辛坊さんご自身の問題で他人がアレコレいうことではないと思います。
尤も舌鋒鋭く先頭に立って批判したイラク人質になった方々には、謝罪した方がいいとは思うのですが。
また、そこから波及する自己負担については私は必要ないのでは、と考えます。
もし金銭問題として自己負担するならば、辛坊さん個人より企画したテレビ局などが支払うべきではと思うのですが、どうなのでしょうか?(テレビ局は保険に入っていたのか?あるいは今回のような場合は保険適用ではないのか)
さて、
辛坊さんは、衝突救出後、サッサッと関連記事を書いたブログを閉じました。
この方がよっぽど残念です。
辛坊さんは、ご自身のブログで、ヨットに不具合があったりしたことなども正直に書いています。
多分、帰還した暁には「こんなに過酷な状況を克服した」証拠になさろうとしたのでしょうが、
今回は堂々の凱旋とはならず不幸にもクジラ(?)と衝突、難破という事故に遭いました。
武勇伝になることを期待した記事を「自己責任論」に照らしてか辛坊さんはサックリと削除。
姑息だなぁ〜〜
猪口才なぁ〜〜〜
と、思わず口走った私がここにいます。
これはやはり不信を買います。
そもそも無謀な計画だったのかどうか、今後の検証と言う意味でも大切な資料になるのだから、この記事は丁寧に保存しておくべきではと思います。ジャーナリズムを生業にしている方なら社会への責任として(いわゆる自己責任とは違います)保存しておくべきではないでしょうか???
ところで、
無謀と言えば山登り遭難も近年話題になっていますね。
自治体の税金で救助される事の是非が論争されたことがありますが、
とにかく予想される事態は徹底的に考え、準備をすることは、自己を守る第一だろうなと思います。
保険に入るとか、無理な計画はしないとか、ちょっとした事が重大な事故を防ぐのでしょうね。
さて、そんなこんなの考察中、とても考えさせられるサイトを発見。
Afternoon Cafeと言うブログで記事は「辛坊氏がとるべき「自己責任」(お詫びと訂正あり)」と
「自己責任」という名の「死に至る病」(メモ)です。
読みながら「なるほど」と納得。
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しかし辛坊氏は、別の「自己責任」をとる必要があります。
彼はかつてイラクで人質になった高遠さん達に、自己責任だと激しい非難を浴びせました。
辛坊氏はしばらく休業するそうですが、心身が癒えたら是非ともTV出演するなどして高遠さん達に謝罪すべきでしょう。
自分の過激な自己責任論を反省し、その過ちをきちんと認めて欲しいのです。
辛坊氏が取るべき「自己責任」は、救助費用の自己負担などではありません。
言論人として、小泉時代に急速に広まった自己責任論の片棒を担いだことに対する「自己責任」を取るべきなのです。
国民みんなが今回の事をきっかけにして、国中が罹患している殺伐とした「自己責任論」について立ち止まって考え直して欲しいと思います。
それは、例えば「自己責任論」に基づいて行われる激しい生活保護バッシングを考え直すことにも繋がるでしょう。(上記ブログより)
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私もブログ主の主張に同意します。
そもそも国家や国家権力は「国民を守るため」のものです。
国民を守るために働き、動くものだから国民が生命の危機に瀕している時は救助に立ち向かうのは当然であり、そのために「ある」ものだと考えます。
先のイラク人質事件のときも、今回の辛坊さんのときも「命は等しい」と思います。
いずれの場合も自己責任云々で救助を拒否するものではありません。
ここで、さらなる問題は、今後の辛坊さんがご自身の体験から何を学び、
どのように発言なさり、どのような行動をなさるかが、問われてくるものと思います。
「他人には厳しく、自分にはメチャ甘い」のか、
「自分の経験を通して、国民を守るということは誰でも、どこでもどんな状況でも1つ」であると考えるのか、
すごく興味があります、、、
それにしても、久しぶりにイラク人質事件。
あの時は本当に固唾をのんでテレビに見入り、無事を祈りました。
その後のバッシング事件には本当に心を痛め考えました。
また自己責任から波及して「過労死」問題で物議をかもした奥谷さんへと、思いはアチラコチラに飛んでいきます。
奥谷さんのご意見は個人的には「ノー」です。
奥谷さんが主張なさるような社会になったら、
人はなんのために働き、国は国民に対して何を守るのか、その根幹から考え直さなければと思います。
権利と義務。
難しい問題ですねぇ。
この問題、またゆっくりと考えて行きたいです。
いずれにても、
辛坊さんが無事帰ってくる事ができたことは、これはこれで無条件に嬉しいことです。
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