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2013.08.01

室生犀星詩2篇

昨日いらしつて下さい  室生犀星

きのふ いらしつてください。
きのふの今ごろいらしつてください。
そして昨日(きのふ)の顔にお逢ひください。
わたくしは何時(いつ)も昨日の中にゐますから。
きのふのいまごろなら、あなたは何でもお出来になつた筈(はず)です。
けれども行停(ゆきどま)りになつたけふも
あすもあさつても
あなたにはもう何も用意してはございません。
どうぞ、きのふに逆戻りしてください。
きのふいらしつてください。
昨日へのみちはご存じの筈です、
昨日の中でどうどう廻りなさいませ。
その突き当りに立つてゐらつしやい。
突き当りが開くまで立つてゐてください。
威張れるものなら威張つて立つてください。


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「けふという日」       

  時計でも
  十二時を打つときに
  おしまいの鐘をよくきくと、
  とても 大きく 打つ。
  これがけふのおわかれなのね、
  けふがもう帰って来ないために、
  けふが地球の上にもうなくなり、
  ほかの無くなった日にまぎれ込んで、
  なんでもない日になって行く。
  茫々何千年の歳月に連れこまれるのだ、
  けふという日、
  そんな日があったか知らと、
  どんなにけふが華やかな日であっても、
  人びとはそう言ってわすれて行く。
  けふの去るのを停めることが出来ない、
  けふ一日だけでも好く生きなければならない。


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今日は8月1日。
室生犀星は1889年8月1日生まれ。
と、言う事で犀星に因んで詩を2篇載せました。

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