第一世界大戦 あれから100年
第一世界大戦は私にとってはあまり馴染みのないものです。
尤も戦後生まれの私ゆえ第二次世界大戦も馴染みが無いと言えば、ないのだが。
映画「西部戦線異常なし」やヘミングウェイの「武器よさらば」などを思い出すのが精一杯です、、、
さて、今年は第一世界大戦勃発100年と言う事で関係諸国は色々と企画をしているようです。
ヨーロッパではいまだ記憶に新しい戦争なのです。
とくに、きっかけとなったサラエボ事件のボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボでは「ラテン橋」たもとの現場に朝から観光客を中心に多くの人が訪れたそうです。
「英雄かテロリストか」今なお意見の分かれる暗殺犯ガヴリロ・プリンツィプ。
さて、さて。
サラエボ事件第一世界大戦のきっかけとなった事は誰でもが認める事ですが、一ヶ月後7月28日にオーストリアがサラエボに宣戦布告するまでの流れは研究者によっても様々な見解があるようです。
wikipediaによれば以下のような原因が複雑に絡み合って戦争への道が開かれたとあります。
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一般的に第一次世界大戦の原因には複合要因が存在するとされている。それらの内の幾つかを下にあげる。
• 普仏戦争以来数十年間大規模な戦争はおきていなかったことによる戦争記憶の風化
• 未解決の領土問題
• 複雑な同盟関係(三国同盟、三国協商、日英同盟など)
• 複雑かつ断片化した国家統治
• 外交における通信の遅延、意図の誤解
• 軍拡競争
• 軍事計画
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またwikipediaは別項目として「外交官たちが起こした戦争」というのがあります。
それによると、オーストリア外相レオポルト・ベルヒトルト伯爵の思惑が大きく世界を動かしたというのです。
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ベルヒトルトは対セルビア強硬策をとり7月23日セルビア政府に10箇条のいわゆる「オーストリア最後通牒」を送付。48時間以内の無条件受け入れを要求。セルビア側は一部を除き要求に応じたが、ベルヒトルトはこれに満足せず7月25日に同国との国交断絶に踏みきった。皇帝フランツ・ヨーゼフ1世や二重帝国のハンガリー首相であったティサ・イシュトヴァーンはセルビアとの開戦に慎重であったが、ベルヒトルトはこれらを押し切る形で7月28日の対セルビア宣戦布告を主導し、ここに第一世界大戦の幕開けとなった。
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さらに、この項目には「外交文書の捏造」が当時は多かったと指摘もしています。
相互の誤解がさらに戦争を拡大していった一因であることは間違いなさそうです。
当初はオーストリアはセルビア相手に数ヶ月で終わると思っていたようですが、じつに4年半も続きました。Wikipediaにはその理由を次のように書いてあります。
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機関銃の組織的運用等により防御側優位の状況が生じ、弾幕を避けるために塹壕を掘りながら戦いを進める「塹壕戦」が主流となったため戦線は膠着し、戦争は長期化した。この結果、大戦参加国は国民経済を総動員する国家総力戦を強いられることとなり、それまでの常識をはるかに超える物的・人的被害がもたらされた。
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長期にわたった戦争は膨大な犠牲者を生み出し、ついに終局へと向いました。戦闘員の戦死者は900万人、非戦闘員の死者は1,000万人、負傷者は2,200万人と推定されてい る。国別の戦死者はドイツ177万人、オーストリア120万人、イギリス91万人、フランス136万人、ロシア170万人、イタリア65万人、セルビア 37万人、アメリカ13万人。
ため息が出ます、、、
いかに戦争が無益で無慈悲で無駄なものかと思います。
さて、
この戦争での日本の役割はまた別の記事で改めて考察していきたいと思います。
こうして多くの被害をもたらした戦争の戦後処理はそれぞれの国に大きな影響を与えた事は言うまでもありません。
そしてを再び戦争をしないようにと、教訓を導き、反省し、誓い、国際連盟ができました。
しかし、
その過程のなかで不満を抱いた敗戦国は次の戦争への道をひた走り、第二次世界大戦へと国際社会は再び戦火にまみえる事となりました。
こうした事態を見ながら、ユーゴ情勢に詳しい友人の千田善さんは以下のように述べます。
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たくさんの犠牲者を出したのに、30数年後にはふたたび世界大戦(第二次)をするぐらい人間はバカなので、気を付けなければいけません。このため 20世紀は「戦争の世紀」と呼ばれます。最近では、前の戦争(第二次大戦)から69年もたっているので、とくに気を付けなければなりません。
戦争を起こすのは政治家。終わった後になってから、「いや、戦争をするつもりではなかった」「すぐに終わると思っていた。想定外だった」「申し訳なかったねえ。悪い悪い」って、きっというんですよ。彼らは。
(千田さんのFBでの発言=ご本人から許可を頂いています)
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千田さんのご指摘の通り。
死屍累々と積もった戦争犠牲者を前に、政治家が後から「ごめん、ごめん」「こんなつもりじゃなかった」と言われても、犠牲になるのは私たち庶民なのです。
命への敬意も深い考えもなく、利益だけで戦争への道を突き進む事はごめんです!!!
世界では紛争は絶えません。
イスラエル問題。
ウクライナ問題。
そして民族の問題。
以前、サッカーのストイコビッチ選手に付いて記事を書いた事があります。そこで私は以下のように書きました。
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いつでも、政治は、
あらゆるものを利用していきます。
しかし、
民衆の知恵は、そんな政治に巻き込まれないくらい
豊かで、逞しく、またしたたかでもあります。
もし、今回のような事柄が、
中国や韓国であったとしても、
そのことで、即「かのくには、、、」と判断することなく、
物事の本質を、
等身大、実物大にみていく必要を感じます。
民族、宗教の問題などデリケートな問題。
政治、経済の問題など現実的なこと。
それらを、すべて抱え、包み込みながら、
さらに、超えていくものが、
スポーツや音楽、芸術だと思います。
それは、
人間としての、もっとも原始的なエネルギーに起因している部分でもあるからです。
すべての
しがらみを超えて
「人間である」というただ一つの原点に立ち戻って、
スポーツや音楽、芸術を楽しんで欲しいと、
心から
こころから
願ってやみません。
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心から願う、と言う行為がなぜか吹き飛ばされて行くような体感不安を感じるこの頃。
今、日本が直面している事態は「戦争前夜」を思わせるような不穏なものを感じます。
集団的自衛権の行使容認を閣議決定だけでする、という安倍さんの乱暴なやり方に代表される所のアレコレの政治の動き。
その一つひとつが戦争への確かな一一里塚であることを、さらにさらに声を大きくして伝えねばと思うものです。
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