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2014.11.27

「イラク戦争、集団的自衛権行使を問う東京シンポジウム」報告

昨日11月26日「イラク戦争、集団的自衛権行使を問う東京シンポジウム」に行って来ました。
冷たい雨にも拘らず135人の人が集まりました。
まずイラクの現状報告を高遠菜穂子さんがして、次に元アメリカ海兵隊のロス・カプーティさんが自らの体験を語りました。その次は元防衛官僚の柳沢協二さんが、10年前の自衛隊サマワ派遣の話など貴重な報告をされました。
最後は日本国際ボランティアセンター理事の谷山博史さんが、紛争地での活動を述べました。
後半はこの方々をパネラーとしてのディスカッションで司会は志葉玲さん。
2時間の学習会はアッという間に終わりました。

では以下にそれぞれの詳細を紹介します。
まず一番バッターの高遠さん。ご存知2004年の時のイラク人質事件のご本人です。今はお元気でイラクでボランティア活動を精力的になさっています。
そんな高遠さんは今年になって既に3回、イラク入りしていますが、目の前に繰り広げられる状況を淡々とお話されるのですが、その悲惨さは想像を絶するものがありました。とくに現イラク政府の「スンニー派狩り」は残酷の極みです。路上に放り棄てられる無惨な死体の様子を高遠さんは早口でバンバンと話すのですが、心の中のショックと言うか悲しみを押し隠すようでした。なにしろ、昨日までご自身が話していた友人などが次の朝は死体として路上に転がされているのだから。国際社会はイスラム国ばかりに目を向けているが、実はイラク政府に目を向けその非道さを告発することの大切さを力一杯語りました。市井の人々はイラク政府(シーア派)とISIS(スンニー派)の残虐さの狭間で息をひそめているそうです。そして今年8月、オバマ政権が空爆したとき、多くの民衆は心から歓迎し、喜んでいたと言う事でした。
最早、人々にとって、政府もイスラム国も同じく野蛮で残虐なものとして捉えているとのことでした。


次に元アメリカ海軍の兵隊であったロスさんの話。
2004年11月の2回目のファルージャ総攻撃に加わったそうです。
彼もアメリカ本国に帰り英雄とされたのですが、その後PTSDにかかった一人でした。ロスさんはここでPTSDとモラルインジャリーの違いを教えてくれました。PTSDは症状として悪夢やパラノイア、被害妄想などなど今では良く知られているものです。
一方モラルインジャリーとは良心の呵責障害と言うもので、罪の意識や自分の行ってきた事への恥を感じるなど自分を責める事だそうです。
ロスさんはこのモラルインジャリーに罹ったのですが、病院に行っても治療は捗々しいものではなかったそうです。と言うのもアメリカでは退役軍人のその後のケアとしての病院はあるそうですが、そこではPTSDの治療はするけれどモラルインジャリーのケアはないそうです。なぜなら「イラク攻撃は正しかった」としなければならない政府の思惑があるからとのことです。
ロスさんは「アブグレイブ刑務所での米軍によるイラク人への拷問や虐待も明らかになったが、私は知らなかった。だから、イラク全体で米軍への抵抗運動がなぜ起きるのか理解できなかった。きっと米国人なら誰でも殺そうとする狂信的な奴らなんだと真剣に思っていたのです」と海兵隊のことを思い出しながら当時の心境を語ります。そんなロスさんですが帰国後明らかになってくる米軍の置き土産、つまり濃縮ウランや白リン弾の影響で奇形児の誕生が14、4%と驚異的な数字に胸を痛め、また今なお続いている紛争などなど考えるにつけ、
戦争犯罪を声を大にして叫ばなければならない、告発しなければならないという事で今に至っています。
ロスさんは最後に力をこめて訴えました。「アメリカの軍隊、軍事力とは人道目的ではなく戦略的目的である、つまり力で相手を意のままにするものある。日本の国民をアメリカの非道徳的、侵略的な戦略に協力させることが集団的自衛権の意味である。自衛隊員をPTSDに、国民をPTSDに曝す事」と。

次の柳沢さんは防衛官僚と言うことで、あの2004年のイラク人質事件の時が初仕事だったと言われていました。
自衛隊が今まで誰をも殺さず、誰も死ななかったことを誇りに思うが、
それは武器を持って行かなかったからだと強く主張。
今、安倍さんの押し進めて行く方向に危惧していて、今では集団的自衛権反対の立場でここに立っている。と話されました。

最後の谷山さんはボランティアの立場から、
日本が武力攻撃に参加することは、現地で活動している自分たちの生命が危ぶまれているのだと強調。
戦争直前に気がつくのではなく、気配が生じたとき、敏感に対応して行く事が必要では、、、と語られました。

まだ書きたいのですが。
出かけるので次回に回します。
今回はここまで。

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コメント

 なんで、あなたたちはそんな地球の裏側の他人ごとにばかり興味を示すんですか? 戦争も集団自衛権も、ユダヤやムスリムではなく、尖閣や小笠原や拉致被害者にこそ、密接する話題じゃぁないのかなぁ?

投稿: 罵愚 | 2014.11.27 17:31

罵愚さん。
とくに地球の裏側に執着しているのではなく、
一つひとつの戦争や紛争についてしっかりと検証していくことが、
次の戦いを防ぐことでは、、、と考えているのです。

投稿: せとともこ | 2014.12.04 11:10

 そうかなぁ? このボードのどこに拉致被害者やチベットやウィグルや尖閣や竹島を心配したり、同情したり“次の戦いを防ぐこと”について書かれていますか?
 そういう、口先のごまかしは、あなたらしくない…

投稿: 罵愚 | 2014.12.08 06:08

まとめありがとうございます。
私も拝聴しに行った者ですが、柳沢さんのところだけ集中力が外れてメモ取りがうまくできませんでした。
続きはあるのかしら?(ここにたどりついてすぐのコメントなのでごめんなさいね)ちょこっとうろうろしてきます。
まずはお礼まで☆

投稿: ありがとうございます | 2015.01.05 10:39

ありがとうございますさん。
こんにちは。
コメントありがとうございます。

ロスさんの講演、行かれたのですか。
私も明治大学で行われた時、行って着ましたが、
やはり迫力がありましたね。

頂いたコメントで、私ももう一回、読み直したのですが、
確かに柳沢さんの所、簡単に書いてしまいました、、、
柳沢さんは小泉内閣のときの官僚をしていらして、
その時の経験や、その後の内閣での経験を話されていました。「誰も殺さない、誰も死なない」ということに防衛官僚としての誇りが漲っていたように思い出されます。
多分、このときの映像はもうご存知かと思いますが志葉さんがyoutubeに挙げられています。https://www.youtube.com/watch?v=muqG_Vfbaio&feature=share&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA&index=2

またご意見お聴かせ頂けたら嬉しく思います!!!

投稿: せとともこ | 2015.01.05 17:30

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