« 曽野発言、ツラツラと | トップページ | 西川さんの献金問題 »

2015.02.19

「満願」を読んで

米澤穂信の短編満願を読みました。
これは短編集ということで、一つひとつの話が気楽に、なおかつ一気に読めるから話の全体が頭にスッと入ってきます。
「満願」には6つの話が収録。
みんなティストが違っていて、今更ながら米澤穂信さんって、いろんな作風が書けるんだと感心。
ネタばれになってはいけないので、ここには詳しくは書けませんが、
アマゾンの内容紹介は以下の通り。
==============
内容紹介
第27回山本周五郎賞受賞
2015年版「このミステリーがすごい! 」第1位
2014「週刊文春ミステリーベスト10」 第1位
2015年版「ミステリーが読みたい! 」 第1位

2014年のミステリー年間ランキングで3冠に輝いた、米澤ワールドの新たなる最高峰!

人生を賭けた激しい願いが、6つの謎を呼び起こす。人を殺め、静かに刑期を終えた 妻の本当の動機とは――。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在 外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなど、切実に生きる人々が遭遇 する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、 ミステリ短篇集の新たな傑作誕生!
=================

個人的には「柘榴」の淫微な雰囲気や、「関守」の独特の怖さ、最後の「満願」の人が最後に拠り所とする矜持などが好きです。
人間がもつ「ややこしい」いやらしさ、
つまり、
出世欲だったり、性欲だったり、名誉だったり、
とかとか、
そんな欲を、仄暗い穴蔵に押し込めて静かに棲息している小動物のように捉え、
普段は、その己の小動物をなんとか押さえ込んでいるのだが、
だが、
あるきっかけで、それはプツンと箍がはずれ瓦解していく様を米沢は一気に書き込んでいます。
読者である私は、読み出したら、次のページを開けずにはいられない。
開けなかったら不安でしょうがない。
そんなドキドキ感が押し寄せて来る短編集でした。

お薦めです!!!

|

« 曽野発言、ツラツラと | トップページ | 西川さんの献金問題 »

コメント

短編だと読むハードル低くなりいいなあと思えます。(あくまで個人の都合)

投稿: あゆ | 2015.02.27 09:56

あゆさん。
この本、本当にお薦めです♪

短編だから、すぐ読めるのですが、
この本の場合は面白くてハラハラ、ドキドキするので、一気に読めるというものでした、、、


絶対、お薦め!!!

投稿: せとともこ | 2015.02.28 15:44

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「満願」を読んで:

« 曽野発言、ツラツラと | トップページ | 西川さんの献金問題 »