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2015.04.07

伊坂幸太郎、モダンタイムスを読んで

伊坂幸太郎のモダンタイムスを読みました。
あらすじは以下の通り。
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恐妻家のシステムエンジニア・渡辺拓海が請け負った仕事は、ある出会い系サイトの仕様変更だった。けれどもそのプログラムには不明な点が多く、発注元すら分からない。そんな中、プロジェクトメンバーの上司や同僚のもとを次々に不幸が襲う。彼らは皆、ある複数のキーワードを同時に検索していたのだった。
(データベースより)
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モダンタイムスと言う事ですぐに思い出すのはチャップリンの同名の映画です。
個人の意志とか考えとか無関係にシステムに組み込まれていく、そんな時代が近未来にはやってくるという設定です。
上記あらすじにもあるように「ネット検索」という如何にも今風のテーマ。
ある言葉を検索するとトンデモナイ事が起こり、
知らず知らずに事件に巻き込まれていくと言う、なかなかスリリングな小説。
いつの間にか、読み進んでいきます。
そして、その検索の意味が明らかになってくるのですが、
その辺りの迫り方は、個人的は「あまり面白くなかった」と言うのが感想です。
ネタばれになるといけないので、書きませんが、
謎が謎でなくなったとき、
ちょっと肩すかしをくうものですが、
この本も例外ではなかったと思います。
が、
が、
そうした、本筋とは別に、「ネット社会の怖さ」というのが、
とてもリアルでこれは読み応えがある部分でした。

人は何かのシステムの一部分でしかないのだろうか???
そんなテーマを抱えて小説は終わります。

さて、この本、実は「魔王」の続編だったのです。
魔王については私は
投票しよう 総選挙2009年のエントリーで書いています。
ちょっと抜粋。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
何気ない日常に流されることの危うさ、、、
では、その危うさとは何か。
ズバリ、憲法改正とファシズムです。
縦糸に憲法改正とファシズム、とそれを推進する強烈な個性をもつ指導者、つまり「魔王」。
横糸は、決して良くはない景気の中でどうにか生きていく庶民の生活、それは兄弟への思いだったり、恋人を守ることだったり、同僚と笑うことだったり、、、、、と営むアレコレの生活。
縦糸と横糸が織り成し紡ぐものは「考えること」と「流されないこと」。


経済が悪化し、景気低迷が続く日本。
失業率が史上最悪。
次第にゆっくりと、、、ではあるが国民の心は希望の無い諦観包まれていく。
そしてそれは対外的な不満や怒りへと向け変えられ、、、、、
やがて憲法改正や国民投票へと指導者は国民へ導いていくのだが。

国民が一つにまとめられて個人の自由が奪われるのか、
国民が一つにまとまって集団の結束や民族の自覚を強めることができるのか、、、、、
物語は進みます。

♪デデデデデデデデ ダリラリラリダッタッタ〜
あれが見えないの?
魔王に連れて行かれるよ!
魔王が僕をひっぱっていくよ!

なんとも、
胸につまります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ウウウウム。
なんだか、
今の時代ととてもシンクロしているようで、
落ち着かない気分になります。

と、言うことで、
今日は伊坂幸太郎「モダンタイムス」の感想をツラツラと。

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