現在に至るまで、最高裁判所が自衛隊を合憲と判断したことはない==と言う記事があります
こんなニュースを見つけました。
現在に至るまで、最高裁判所が自衛隊を合憲と判断したことはない。
昨年の記事ですが、今、ツィッターで流れています。
安倍さんのミュンヘンでの会見が発端になったのです。
「安保法案 合憲」強調 首相 砂川判決を引用。
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首相は法案が合憲との根拠について一九五九年の最高裁による砂川事件判決を挙げ「わが国の存立を全うするために自衛の措置を取りうることは国家権能として当然のこと」と指摘。その上で今回の集団的自衛権の行使容認に関し「他国の防衛を目的とするのでなく、最高裁判決に沿ったものであるのは明白」と述べた。
(東京新聞ニュースヨリ)
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と、言うことで今、ネットでは砂川事件について、色んな意見が出て来ています。
さて、先に紹介した記事を、
ちょっと、と言うかかなり長いですが、引用しておきます。
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問題はそれに続く部分である。岡崎氏は、上記の部分で要するに現行憲法には不満であると言いながら、しかし、集団的自衛権の行使容認については現行憲法のままでよいーーつまり、憲法改正をする必要はないーーと主張するために、つぎのように言うのである。
ただ、こと日本の安全保障に関しては憲法問題はすでに解決している。(……)最高裁の砂川判決は、日本が固有の自衛権を有することを認め、その故に自衛隊を合憲と認めている。
これには心底驚愕した。「最高裁の砂川判決」は、たしかに「日本が固有の自衛権を有することを認め」てはいるが、「自衛隊を合憲と認め」てなどいないからである。言うまでもなく、国家に「固有の自衛権」があるとしても、それをどのような組織がどのような場合にどのような方法で用いることができるのかは、憲法の定めに依存する。
砂川判決というのは、1957(昭和32)年7月、東京都北多摩郡砂川町(現在では東京都立川市)の米軍立川飛行場の拡張計画に反対する住民らが、飛行場内に正当な理由なく立ち入ったため、「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(旧安保条約)第3条に基づく行政協定に伴う刑事特別法」(いわゆる旧安保刑特法)違反の罪で起訴された事件についての判決のことである。第一審の東京地裁判決(裁判長の名字をとって伊達判決とよばれることが多い)が、旧安保条約に基づく駐留米軍を憲法9条2項に違反すると判断したため、検察側が最高裁に跳躍上告した。これに対して下された1959(昭和34)年12月16日の大法廷判決(全文PDFはこちら)が、ここで岡崎氏の言う「最高裁の砂川判決」である(なお、伊達判決と最高裁判決の間の経緯について記した秘密文書がアメリカの国立公文書館で最近になって発見されたことなどについては、水島朝穂「砂川事件最高裁判決の『超高度の政治性』」(今週の直言2013年4月15日)を参照されたい)。
「最高裁の砂川判決」は、法廷意見は15人の裁判官の全員一致による判断であったが、田中耕太郎長官を含む10人の裁判官が合計8本の補足意見や意見を執筆しており、全体では4万字を超える非常に長大なものである。ところが、そのなかに「自衛隊」という単語はほんの一度たりとも登場しない。この判決は、自衛隊が違憲かどうかを判断したものではないのである。旧安保条約とそれに基づく駐留米軍の憲法適合性こそが実質的な争点だったからである(そしてこれらの争点についても、砂川判決は、(1)駐留米軍のような「外国の軍隊」は憲法9条2項にいう「戦力」にはあたらないとし、また、(2)旧安保条約は「主権国としてのわが国の存立の基礎に極めて重大な関係をもつ高度の政治性を有するもの」であって「一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外のものであ」る、としていわゆる「統治行為論」の一種と考えられる立場にたって、「違憲無効であることが一見極めて明白であるとは、到底認められない」とは言うものの、さらに進んで詳細に検討すれば合憲なのか違憲なのかについては判断を避けた)。
砂川判決が自衛隊の合憲性について判断を下したものでないことは、法学部で憲法の授業を受ければ当然学ぶはずのことがらである。そしてまた、砂川判決のみならず、最高裁判所はその後の判決においても、今日に至るまで、自衛隊が合憲か違憲かについて一切判断していない、ということもまた同様である。市販されている憲法の教科書にもそのことはきちんと書いてある。ここでは、一例として著名な教科書を3冊のみ紹介しておこう。
最高裁判所は、(……)砂川事件判決で、(憲法9条)2項が「いわゆる自衛のための戦力の保持をも禁じたものであるか否かは別として」と述べるにとどめ、その後も自衛隊の合憲性の問題に直接答えることを避けている(佐藤幸治『日本国憲法論』〔成文堂・2011年〕98頁)。
これまでに自衛隊の合憲性を争う訴訟がいくつか提起されてたが、最高裁は一貫して判断を回避しており、今までのところこの問題についての最高裁判例は存在しない(高橋和之『立憲主義と日本国憲法〔第3版〕』〔有斐閣・2013年〕55頁)。
警察予備隊令(1950年)、保安庁法(52年)、自衛隊法(54年)によってすすめられてきた日本の軍備、および、日米安保条約(1951年成立ーー60年に重要改定)にもとづくアメリカ軍への基地提供と軍事協力については、その憲法適合性が争われてきた。何度か裁判所の判断も求められ、いくつか下級審の判断も出ているが、最高裁がこの点につき実質判断を公にしたことはまだない(樋口陽一『憲法〔第3版〕』〔創文社・2007年〕145頁)。
また、内閣法制局の元長官がこれまでの日本政府の憲法解釈をまとめ、解説を加えた本でも、同様につぎのように書かれている。
自衛隊の憲法適合性についての司法の判断としては、自衛隊を違憲とした長沼事件第一審判決や、統治行為に属し、司法審査の外にあるとした同事件の控訴審判決などがあるが、周知のようにこれまで最高裁の見解が示されたことはない(阪田雅裕『政府の憲法解釈』〔有斐閣・2013年〕10頁)。
岡崎氏の論説は、砂川判決が自衛隊を合憲と認めたという事実無根の謬説を堂々と披露するだけでなく、さらに、(1)同判決が集団的自衛権をも認めているとか、(2)集団的自衛権は有するものの憲法上行使できないとする内閣法制局の解釈は「もし、この解釈を最高裁に持って行ったら(……)100%否定される」とか、(3)「権利あれば行使は当然だ」とか、とにかく日本で基本的な法学教育を受けた者であれば到底言わないであろう主張を繰り広げる点で、異様である(ただし、公平のために敢えて細かい点を言うならば、(1)は、砂川判決は「わが国が主権国として持つ固有の自衛権」は否定されていないと述べており、そこに集団的自衛権をも読み込むことは言語学的には不可能とは言えまい。もちろん、判決の文脈からして、また時代的背景からして、敢えてそのように読むべきだと主張する学説はおそらくないであろうが)。
(上記記事より)
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コメント
瀬戸さん、こんにちは。また、お邪魔します。
タイムリーな情報をありがとうございます。
いつも瀬戸さんの話題はタイムリーですね。
砂川事件の伊達判決が出たのが、私が小学6年生の頃だったと思います。新聞の一面を大きく飾っていたのは憶えています。その年の秋には、最高裁で逆転判決が出たように思います。
ずっと後になって、田中最高裁長官がアメリカと事前に談合したことが明らかになりました。私の人生は、対米従属の雲の下で暮らしてきたことになりますね。
そして現在、砂川事件最高裁判決は集団的自衛権を否定していないなどいう解釈がされようとしています。
ウーン、何とも言えない気分ですね。自分の人生が否定、いやバカにされているような気分です。
投稿: 墓石 | 2015.06.10 11:47
墓石さん。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
そうですよね、これも安倍さんがミュンヘンで脈絡もなく述べたため、
ツィッターやフェイスブックでは「砂川判決」がドンドン流れています。
なんだか、この政府は解釈というか、あるいは歴史さえも改ざんして行く、自分の都合に合わすようですね。。。
国民の多くの方が唖然、呆然としているのでは、と思います。
いよいよ自民党の中でも危惧を表明している議員が出て来たようです。
いずれにしても、こんな牽強付会で自分の都合にあわせてはダメですよね。
と、言う事でお互いに頑張っていきましょうね♫
13日の音楽会のお話、また聞かせて下さいね。それから、、、例の「青春の素敵な思い出も」宜しければ!!!
投稿: せとともこ | 2015.06.10 17:24
当時のことはわかんないし、判決文も読んでいません。(膨大な量でしょうからそんなひまないです。)
さ~とみて思うに見事な拡大解釈ですね。
かねがね書いていますが現憲法は優れたものですが
悪いほうへの拡大解釈によわいです。
現政権よりもっとひどいのが来たら崩壊する可能性が出るとみています。
基本的人権を薄めるものに歯止めが弱いと思います。
(柔軟性は大事です)
投稿: あゆ | 2015.06.12 08:39
あゆさん。
そうですね。
言われている事分かります。
だから時代に合う、、、と言うのは考えて行かなければならない点であるとも思うのですが、
今、政府がやろうとしていることは、
そんな人権を取っ払って戦争への道に進みそうで、、、
怖いです。
やはり、この法案は通してはならないと強く思います。
投稿: せとともこ | 2015.06.15 14:43