室生犀星を思い出して、、、
砂山の雨
砂山に雨の消えゆく音
草もしんしん
海もしんしん
こまやかなる夏のおもひも
わが身みなうちにかすかなり
草にふるれば草はまさをに
雨にふるれば雨もまさをなり
砂山に埋め去るものは君が名か
かひなく過ぐる夏のおもひか
いそ草むらはうれひの巣
かもめのたまご孵らずして
あかるき中にくさりけり
室生犀星
=================
さいごのかもめの卵が孵らないのはなんとも悲しいし、
あかるきなかにくさった、、、というのが切ない。
いかにも犀星といえば犀星かとも思うのですが、
さて、
室生犀星を研究している方と今日、親しくお話させていただきました。
私は金沢出身なので、犀星は心の深い所、近い所にいる詩人です。
その方は那須塩原の方ですが、
犀星は塩原に3度訪れたことがあり、その景観と温泉を愛したそうです。
が、
なぜ、来たのか?
いつ、来たのか?
はあまり知られていなかったらしいのですが、
その方は「どうしても知りたい」という思いで文献やあるいは犀星ゆかりの土地、最後は犀星の娘さん(室生朝子さん)にまでお話を伺い、
犀星の生きてきた道を探し、またご自分も一緒に歩かれているようです。
とても素敵なお話をいっぱい伺い、刺激になりました♬
楽しい時間を過ごしたのですが、その方が犀星をお話されるときの目の輝きが素敵で思わず惹き込まれました。
最後に塩原道を掲載しておきます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
秋ふかき塩原道を
わたしの自動車はひた走りつつ
いつしか暗みゆき
はや日暮となりけり
落葉ふみしき
山の上に漏るるともし火を見過して
水のひぴきに縫い込まれてゆく
わが自動車の肌も夜つゆに湿りたり
みやこにて夜昼となき
わがわびしき作のつかれを
こころゆくまで
温泉につかり心しづめん
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント