その1より続きます。
まず、
今日の家族の実態はどのようになっているかまず統計でみておきましょう。
家族の小規模化。
普通世帯数の変化を見てみると、1920(大正9)年は約1110万世帯であったものが、1950(昭和25)年は約1660万世帯、2005(平成 17)年は約4800万世帯と増えており、一世帯当たりの人数は1950年の約5.0人から2005年には約2.6人に減って、世帯は細分化、少人数化してきています。
次に少子化により18歳未満の子どものいる家族。
これは人口統計資料を参考にします。(PDFです)
反映しにくいのですが、興味のおありの方は、「人口統計資料」で検索していただければ、出てきます。
990年
夫婦のいる一般世帯数 27,759 13,345 8,597 1,132 546 2,466
(家族類型別)
核家族世帯 21,465 9,385 6,241 9,305 470 2,235
同居の親のいる世帯 5,838 3,794 2,286 1,875 58 103
同居の親はいない 455 166 70 142 17 128
(子どもの有無別)
子どものいない世帯 7,309 2,913 1,791 2,424 265 1,666
子どものいる世帯 20,450 10,432 6,805 8,897 280 801
6歳未満子どもあり 5,515 1,867 1,286 3,584 16 38
18歳未満子どもあり 14,141 7,214 4,978 6,743 76 87
6歳未満子どもなし 14,935 8,565 5,520 5,313 264 763
核家族で6歳未満子どもあり 3,927 1,062 760 2,817 12 29
親が同居で子どもあり 4,941 3,249 1,969 1,605 37 45
6歳未満子どもあり 1,563 795 520 753 4 8
6歳未満子どもなし 3,378 2,454 1,449 852 32 37
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2000年
夫婦のいる一般世帯数 29,292 13,139 9,410 10,652 936 4,290
(家族類型別)
核家族世帯 23,754 9,772 7,115 9,005 799 3,926
同居の親のいる世帯 5,045 3,209 2,217 1,516 113 189
などなどと、資料は数字を挙げています。
資料は2005年(国税調査の資料ゆえ)まで続きますが、
これをみると、日本の合計特殊出生率1,32(2006年)と、先進国でも低いなか、18歳未満の子どもがいる家庭は全世帯の1/4です。
さらに平均初婚年齢をみていきます。
これは
資料集を見てください。
推移がわかります。
晩婚化が進んでいます。
女性の6割、男性の7割が25〜29歳では未婚・非婚。
30代後半でも2〜3割がそうです。
一方、離婚率が増加。
こうした中、平均寿命の伸びとともに、
人生への理想やライフスタイルが変わってきています。
これにいついては、
出生動向基本調査を見ていきましょう。
希望の結婚像−どんな結婚を求めているのか−が調査結果を詳しく分析しています。
「希望する結婚年齢は男女とも上昇、意識の上でも晩婚化が継続」と言うことで、以下のように分析。
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未婚者が結婚したいと思う年齢は、本人の年齢が上がるとともに高くなるが、同じ年齢層で比較した場合、主な年齢において最近の調査ほどわずかずつ希望結婚年齢が上昇する傾向が見られ、未婚者の意識においても「晩婚化」が続いていると言える。」
「現在から希望する結婚年齢までの期間は男女とも延長傾向
調査時点から希望結婚年齢までの年数(結婚までの希望待ち年数)は、本人の年齢が上がるとともに短くなるが、同じ年齢層で比較した場合、男女とも主な年齢で希望待ち年数が長くなっており、ここでも未婚者の間で結婚を先延ばしする意識が継続していることが捉えられている。」
希望するライフコース
「未婚女性の専業主婦願望は後退、実際になりそうなコースでも「両立」が逆転
未婚女性が理想とするライフコース(理想のライフコース)と実際になりそうなライフコース(予定のライフコース)では、ともに「専業主婦」コースの割合が減っている。代わって理想コースでは、子育て後の「再就職」コース、仕事と家事・育児の「両立」コースが、予定コースでも「両立」コースがともに増える傾向にある。予定コースでは「非婚就業」コースもやや増えて1割を超えた。また、男性が女性に期待するライフコースでも「専業主婦」が減り、「再就職」「両立」が増えている。
「専業主婦」コース以外では、理想のライフコースを実現できると考える女性が増えている
理想のライフコースを実現できると考えている(理想・予定ライフコースが一致する)未婚女性の割合は、「再就職」コースで最も高く、半数は実現すると考えている。一方、「両立」、「DINKS」、「非婚就業」の各コースでは、実現すると考える女性の割合が増加傾向にあるが、「専業主婦」を理想とする女性では実現すると考える女性は減少している。
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と、あります。
つまり、人生への考え方、家族の一員としての関わり方が変わりつつあるのです。
妻や母としてだけの人生ではなく、個人としての自分らしい生き方を模索する女性が増えています。
こんなときは、茨木のり子さん。
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倚(よ)りかからず
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
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この詩は茨木さん73歳の時の作品だそうです。
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