2015.06.29

立川談春30周年記念落語会 その2

前の記事に続き、
次は橘家文左衛門さんと三遊亭白鳥さんの落語を紹介します。

まず文左衛門さん。
この人は2016年の9月に三代目の文蔵を襲名すると言う話を小さな声で話します。
マクラは簡単にして、すぐに「時そば」に入ります。
これはあまりに有名な噺。
蕎麦を食べるところがすごく上手で、
思わず、聴いている方も食べている錯覚をするようでした。
誰でもが知っている噺ですが、
そこを面白、可笑しく聴かせ、
「あ、、、聴いて良かった」と思わせるのは噺家の腕ですね♫

顔は強面なのですが、
繊細な演技で、来年、文蔵襲名のことはあるな、、、と感じました。


さて、次は三遊亭白鳥さんの「黄昏のライバル」。
創作です!
これは大いにうけました。
と、言うのも近未来の落語と言う事で登場人物は20年後の談春さん。
落語会会長、笑点司会者、人間国宝と頂点に立ち、
もうライバルすべてを引きずり下ろした談春さん。
今は落語をすることに意欲がなく、ひたすら寝て暮らす毎日。
弟子の1人がそんな師匠を心配して、永遠のライパルと談春さんが認める白鳥さんの所に出かけ、
師匠にまた落語の高座に立つようにお願いする。
が、
そこで、
白鳥さんが談春さんをかなり虚仮下ろします。
例えば、博多での落語会で、談春さんが会場に入ると、それまで和気あいあいだった場が、一瞬にしてシーンと水を打ったように静まりかえった事。
みんながカラオケに行くとき、一人寂しく立っていて誰からも誘われないのではと思っていたら、彦いちさんに誘われて嬉しくてスキップしてカラオケに行ったこと。
そのおかげで彦いちさんはテレビ番組「闇夜にコソコソ」に出演が決まったことなど。
本当かどうかはともかく、一流の話芸で楽しく披露してくれます。
あまりに色んなエピソードを披露するので、
たまりかねたのか、舞台裏から

「いいかげんにしろ」

と談春さんご本人の声が入り、びびりまくる白鳥さん。
会場中、笑いの渦。

そんなこんなで、
談春さんがまた落語に復帰していくという噺でしたが、
さすがに白鳥さんは創作が得意というだけあって、
その場でバンバンと浮かんでくるんでしょうね、、、

面白かったです!!!

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立川談春30周年記念落語会

昨日6月28日、北千住の東京シアター10101でで行われた立川談春30周年記念落語会「もとのその一」スピンオフに夫と行って来ました。
サブタイトルは「祝って欲しい俺だって」。
なんだか談春さんの悲痛な叫びのようなサブタイトルですね。

開演は5時と言う事で、会場に4時半ごろに着いたのですが、
初めての場所で、外をウロウロしたり、また受付がエレベータには10階と書いてあったりと少々分かりにくかったです。
さて、
私は今まで談春さんの落語は聴いたことがないので興味津々。
「この落語家をきけ」の著者広瀬和生さんも観客の「感動させてくれ!」要求に最も応える落語家は立川談春と紹介していますが本格派です。

さて、昨日の演目は以下の通り。
Img_0488

まずは談春さんが登場してご挨拶。
「よくぞ30年頑張った!でも立川からは誰もお祝いに来ない」と観客を笑わせます。
「30年は今、志らくもやっていて、ライバル。でも向こうの方が上」とまたまた笑わせます。
「今日は彦いち、文左衛門、白鳥が駆けつけてくれた」と言う事で3人のことを紹介。
また、早朝に行われたナデシコの事も紹介。
楽屋でみんなに聞いたが誰ひとり知らないサッカー。
落語家は狭い世界に住んでいる、、、と自嘲。

そんなこんなの挨拶の後、
まずは二つ目の春風亭正太郎の「引っ越しの夢」が始まります。
まずマクラとして関西の話、お母さんの実家が関西。しかも甲子園の側に住んでいるそうです。
関西の人は普通の人でも落語家よりも「おもろい」と言う話。
例えば、
高校野球が好きで甲子園へ行こうと歩いてみたが、道に迷って、
そこを歩いている人に聞いた。

「甲子園、どうしたら行けます?」

「そりゃ、日々練習や」

ボケ突っ込みをうまく言いながらさて本題の噺へと続きます。

この引っ越しの夢は関西・上方では口入れ屋と言うタイトルで噺されるようです。
美人の女中がやってきて奉公人のみんながドキドキ、ワクワクしながら、夜中に夜ばいすると言う噺。

私はこの噺じたいは初めて聴くので大いに笑いました。
美人の女中さんは噺には登場しないのですが、番頭さんを初めとして奉公人の妄想が可笑しく、
さらに夜ばいしようとして、その罰があたり棚を夜中じゅう担ぐシーンは落語ならではのバカバカしさが出ていて、
笑いました。
正太郎さん。熱演でした!!!

次の登場は林家彦いちさん。
彦いちさんはアウトドア派で有名でヒマラヤ登山の話をマクラで語ります。
同業の噺家に「ヒマラヤに行く」と言ったら、
わさびさんは「え、これからですか」
歌の介さんはチョモランマの事を「そう言うクモいるよね」と本気で返事したそうです。
タランチュラと間違えていたのか???
円丈さんは「おれ、いかない」
志ん橋さんは「アルプス?」
と、それぞれが反応がどうも外れていて頓珍漢。その雰囲気を面白可笑しく話します。

さて噺は「熱血、怪談部」。
怪談と言うことでホラー噺かと思えばお笑い噺。
このサイトが面白くまとめているので参考にしながら紹介します。

この噺は彦いちさんが自作の中でも十八番とする一席で、寄席でもよく披露しているそうです。

〜〜〜〜〜〜〜
流石という名の熱血先生が怪談部の顧問になり、いきなり
「起立っ!礼っ!」

「先生~そんなのいらないし~!」と冷めた反応をする生徒達。

「バカヤロー!怪談話サークルだろ!礼(霊)に始まり、礼(霊)に終わる!」

「流石(さすが)!」

「先生の名前でからかうなっ!!」

と、笑わせます。

ところどころにギャグと言うか駄洒落が満載。

「下向いてる君っ!」

「あっしっすか?」

「あっし!?高校生だろ!普通、僕とか私とか…まあいいだろう。

君の怖いモノは?」

「あっしの怖いのは……まんじゅうが怖い」

「サークル間違えてるなぁ~あっちのセンスを持っているところに行け」
と、想像通りの展開に思わず笑います。

のっぺらぼうには「顔の表情が分からない」と叱り、
「運動場10周っ!!」

自殺した地縛霊には「降りてこい、同じ目線で話せ」と叱り、

傘おばけには「傘の持ち方が反対」と叱り、、、
などなど兎に角オバケなんか全然怖くない流石先生。
そして、
最後は、、、、
ここは書きませんね、ネタばれになるとイケナイから。

と、言う事で、こんなオバケ達だったら怖くないし、楽しい。
落語の「化け物使い」をちょっと思い出しました!!!


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2014.10.23

「最もセクシーな女性」にペネロペ・クルスさんが選出

「最もセクシーな女性」にペネロペ・クルス 米誌が選出というニュースをFBの志葉玲さんの記事から知りました。

Penelopecruzesquirecover

セクシーな女性という肩書については、「実情は睡眠不足の母親」と話す一方、ハムレットのせりふを借りて「持っていないなら、せめてあるふりを」とコメントした。

(上記サイトより)

素敵!!!

「もっていないなら、せめてあるふりを」なぁんて。

いいなぁ。
なにも持っていない私になんて心強い台詞かぁ。

いっぺんに好きになりました。

また志葉さんによると以下の通りの人柄だそうですよ。

=============
チャリティーへの募金やNGOなどのキャンペーンにも協力的なこと。最近でも、地球温暖化の影響で氷が溶け、地下資源の乱開発による生態系の破壊が懸念されている北極を守ろうという、グリーンピースのキャンペーンに賛同しているんだよね。
http://www.greenpeace.org/…/ja/campa…/citizen/savethearctic/

そして、ガザ攻撃に抗議する声明を発表したりもする!!
http://news.walkerplus.com/article/49094/
(志葉さんのFBより引用)
==============

美しいだけではないのか、
その美しさは知性からくるのか。
いずれにしても目が離せない女優ですね。
ファンになりました。

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2014.07.28

柳家三三・桂吉弥 ふたり会

昨日、「柳家三三・桂吉弥 ふたり会」に行って来ました。
会場は紀伊国屋サザンシアター。

暑い日でビルのコンクリートや舗装された道の照り返しの熱い風がムッと体にかかり、汗ビタになりながら
新宿高島屋にお昼ごろ到着。
夫とランチをすませ、
会場へ。
既に多くの方が座席についていました。
落語ブームはまだまだ続きそうです。

つい先日は小三治さんと言う人間国宝がまた新たに生まれたし、とても嬉しいことです!!!
さて、番組は以下の通り。

桂そうば『普請ほめ(序)』
柳家三三『転宅』
桂吉弥『宿屋仇』
~仲入り~
桂吉弥『七段目』
柳家三三『殿様と海』

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そうばさんの「普請ほめ」は、新築の家を褒めて小遣いをもらおうと言う与太郎噺。
「牛ほめ」と言うのが本当なのかな???
最後に秋葉神社のお札で「屁の用心」という落ちにする話らしいが、今回は時間の関係でそれは無し。
そうばさんの熱演。
ただ、小物の使い方とか、まだ熟れていない感もしたが、
これからに期待!!!

ついで三三さんの「転宅」。
古典落語の演目の一つ。原話は、天明8年(1703年)に出版された「はつわらい」の一編である「かたり」。
三三さんの女語りは色気があってゾクゾクしますねぇ。
なにしろ優男で目の芸が凄いから、なんだか見ている方もクラクラとして恥ずかしくなります、、、

その次は吉弥さんの「宿屋仇」。上方落語の演目の一つ。「日本橋宿屋仇」とも言う。東京では「宿屋の仇討」「甲子待」との演目名で演じられる。
吉弥さん熱演。
熱演なのだが、三三さんのヌラリクラリの後なので、聞いている方は少々つかれたのです。
ちょっと青いのかな?吉弥さん。
もう少し緩急があったら良かったのでは?

ウルサイ宿泊客3人のそれぞれの様子や違いが分かりにくくて、途中睡魔が襲ってきました、、、

さて、中入り後は吉弥さんの「七段目」。
吉弥さんは歌が上手で声がとても響くから、七段目のような演目は力が入って良かった。
ただ、「宿屋仇」と微妙に雰囲気が重なってように思い、少々残念。

最後は三三さんの「殿様と海」。三遊亭白鳥さんの創作。
こちらも吉弥さんに負けず熱演。
座布団をまぐろに見立てての演技に力が入っていました。
いつもノッタリベッタリ口調で女役のシナをつくるのが得意な三三さんが、
勇ましい(?)姿で座布団にまたがり「イルカに乗った少年」よろしくマグロに乗った殿様を演じるのは面白かったです。

と、言う事で、
とても楽しいひと時を過ごしました♫

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2013.02.05

遅くなりましたが「丸刈り騒動」

例の峯岸さん丸刈り問題。
ずっと考えて、
また、いろいろと皆さんのご意見などもネットや新聞、ニュースで伺ったりして、
それでもずっと考えています。

この問題。
たんに恋愛発覚けじめ問題だけでなくて、私にとっては、いろんな事を考えるきっかけになりました。

まずあの映像を見て初めに感じたのは、映画「愛と哀しみのボレロ」。
ドイツ兵に身を売ったと言う事でその罰、見せしめとして丸刈りにさせられている映像。
ドキリとしました。
なんだか恐怖さえ感じたものです。

次に思い出したのは野球部「丸刈り」議論。
我が子は中学校のときはテニス部だったのですが、野球部では生徒たちは丸刈り。多分、その方が汗を拭くのに楽だったからで、実用的だったからだと思います。とくに強制と言う事ではなかったようです。
が、中に丸刈りが嫌と言う子も確かにいて、クラブを辞める、やめないから、保護者を巻き込んでの議論・討論がありました。
全国的な「丸刈り校則」が問題になって随分時間が経過した頃だったので、
とくに喧々諤々ということも無くスムーズに解決しました。
結論から言うと、髪を伸ばすのも認められたようですが。

さらに、次に思いが伸びたのは先日観た「レ・ミゼラブル」の映画。
娼婦に身を落として、最後は大切な髪を売ったファンティーヌ。
アン・ハサウェイの熱演が見事でした。
これは丸刈りではないのですが、やはり女性にとって「髪の持つ意味」を暗示していると思います、、、

丸刈り。

ちょっとwikipediaで調べてみました。
やはり軍隊のイメージが強いようですね。
それと僧侶。
両方とも丸刈りにする事で禁欲的、ストイックを形に表しているのでしょうか???
あと、病気で髪がなくなる場合もあって、これは本当に切ない。
ファッションというのもあるのですが、個人的にはひいちゃうかな???


と、言う事で問題の峯岸さん。
丸刈りにしたご自身の真意はどこにあるのか???
反省を言葉だけでなく、頭を丸めるという行為でしめした、その心境には、
彼女の恐怖が見え隠れします。
事務所は「本人の意思」とあくまで彼女の問題に片付けようとしているが、
彼女をそのようにさせた「無言の圧力」というのは確かに存在していたと思います、、、
「うわっ〜〜〜もう歌手生命は駄目なのだろうか???」と頭が真っ白になり、追いつめられていったんでしょうね。
人を好きになる事は大切な事で、そこから相手への思いやりや優しさ、深みが出来て円熟して行く筈なのですが、
が、恋愛禁止というルールをまず掲げている事務所に入ったその時点では「恋愛しません」って認めたと言う事で、それを破ったから、、、と自縄自縛していったのかしらん。
それが事務所なのか、あるいは世間なのか、あるいは自分の作り上げた妄想なのか。
いずれにしても、後先なく髪を切ったんだろうなぁ???

ふっ〜〜〜

全然、関係ない話ですが、今、鎌倉仏教をアレコレと調べています。
法然、親鸞、道元、日蓮。
親鸞が肉食妻帯しているのは有名です。
比叡山で修行する中で、いろんな事に悩み、惑うのですが、その中に一人の人間として性の問題もあります。
親鸞はついに山を下りて、いずれ妻帯していくのですが、
親鸞にとって「人を愛する事」が彼のその後の教義に強く影響を及ぼしたことは間違いありません。
また日蓮も若い頃は愛に悩むし、多分、道元や法然もそうであったのではと思うのですが、どうでしょう???

また法然は百四十五箇条問答で次のように言っています。
==============
かみつけながら、おとこおんなの死候は、いかに。
答。かみにより候はず、ただ念仏と見へたり。
==============

これは死ぬときは剃髪しなければ往生できないかと言う質問に対して、
髪があるかないかは問題ではない。大切なのは信心である。
と、言った内要です。
峯岸さんの反省問題とは関係ないかもしれませんが、
要は「髪を切ったか、きらないかは事の真偽には大差ない」と言うことでは同じかな、、、と思うので、
ここに紹介させてもらいました。


さてさて、いずれにしても、
若い峯岸さんが、これ以上傷つく事無く、
長く息のある歌手として活躍するためにも、ますます本業には力いっぱい頑張ってもらいたいと願うものです。

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2006.02.16

桂雀三郎独演会

「わいの悲劇」と言っても、
推理小説「Yの悲劇」
でもなければ、今流行の「Y染色体」でもありません。
ズバリ、
落語の演題です。
昨日、桂雀三郎さんの独演会に行って来ました。

あまり書くとネタバレになるので、
内容についてはここでは書きません。
しかし、
落語って面白いと改めて思いました。
落語については、テレビで時々見る程度で、
実はあまり知らなかったのですが、
(昨年は四天王寺ワッソで聞きましたが)
やはり本物を見ると、
その迫力、熱意がビンビンに伝わってきました。
気がつけば、舞台と一緒になって泣いたり笑ったり悩んだり、、、
と、アッと言う間に時間が過ぎました。
話し方はもとより、顔、手振り、動作、そして小物を使って、
空間、時間を自由に操つるプロの妙技に虜になった2時間半でした。
緩急自在にあやつる間のとり方。
笑いの勘所。
ズズ〜〜〜〜と胸に、おなかに落ちました。
「笑い」を通して、
人生を語り、
人生を楽しみ、
人生を生き抜くことを伝えてくれます。

伝統芸能の確かさをしっかりと受け止めました。

歌舞伎、能、狂言、落語、浪曲、民謡その他数々の芸能を
大切に育み、
その精神を次代の子等に伝えていきたいものです。

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