2016.07.07

「英のイラク参戦「最後の手段ではなかった」 検証報告書」という記事

英のイラク参戦「最後の手段ではなかった」 検証報告書
(http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/06/uk-iraq-war-_n_10846562.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001)
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英ブレア政権が2003年にイラク戦争に参戦した経緯や侵攻後の占領政策を検証した独立調査委員会(チルコット委員会)が6日、報告書を公表した。参戦の決断を「(フセイン政権の)武装解除の平和的な方策を尽くす前に侵攻に参加した。軍事行動は当時、最後の手段ではなかった」と断じた。開戦から13年を経て戦争を検証した報告書は、自国政府の判断や評価の過ちを厳しく指摘する内容となった。

イラク戦争は、フセイン独裁政権の大量破壊兵器(WMD)の開発・保有という誤った情報を大義に米英主導で始まった。

委員長を務めた元北アイルランド省次官のジョン・チルコット氏の声明や報告書は、イラクでの軍事行動の決定について、「法的根拠があると決断する状況にはほど遠かった」と結論づけた。WMDについても、化学・生物兵器の開発が続いているとの情報は「確実」というレベルになく、核兵器も「経済制裁が適切な形で維持されている限り開発できなかっただろう」と指摘した。
(上記サイトより原文ママ)
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ううううむ。
うううむとため息。
その後の混迷を思うと本当に酷いな、、とため息。

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2014.11.27

「イラク戦争、集団的自衛権行使を問う東京シンポジウム」報告

昨日11月26日「イラク戦争、集団的自衛権行使を問う東京シンポジウム」に行って来ました。
冷たい雨にも拘らず135人の人が集まりました。
まずイラクの現状報告を高遠菜穂子さんがして、次に元アメリカ海兵隊のロス・カプーティさんが自らの体験を語りました。その次は元防衛官僚の柳沢協二さんが、10年前の自衛隊サマワ派遣の話など貴重な報告をされました。
最後は日本国際ボランティアセンター理事の谷山博史さんが、紛争地での活動を述べました。
後半はこの方々をパネラーとしてのディスカッションで司会は志葉玲さん。
2時間の学習会はアッという間に終わりました。

では以下にそれぞれの詳細を紹介します。
まず一番バッターの高遠さん。ご存知2004年の時のイラク人質事件のご本人です。今はお元気でイラクでボランティア活動を精力的になさっています。
そんな高遠さんは今年になって既に3回、イラク入りしていますが、目の前に繰り広げられる状況を淡々とお話されるのですが、その悲惨さは想像を絶するものがありました。とくに現イラク政府の「スンニー派狩り」は残酷の極みです。路上に放り棄てられる無惨な死体の様子を高遠さんは早口でバンバンと話すのですが、心の中のショックと言うか悲しみを押し隠すようでした。なにしろ、昨日までご自身が話していた友人などが次の朝は死体として路上に転がされているのだから。国際社会はイスラム国ばかりに目を向けているが、実はイラク政府に目を向けその非道さを告発することの大切さを力一杯語りました。市井の人々はイラク政府(シーア派)とISIS(スンニー派)の残虐さの狭間で息をひそめているそうです。そして今年8月、オバマ政権が空爆したとき、多くの民衆は心から歓迎し、喜んでいたと言う事でした。
最早、人々にとって、政府もイスラム国も同じく野蛮で残虐なものとして捉えているとのことでした。


次に元アメリカ海軍の兵隊であったロスさんの話。
2004年11月の2回目のファルージャ総攻撃に加わったそうです。
彼もアメリカ本国に帰り英雄とされたのですが、その後PTSDにかかった一人でした。ロスさんはここでPTSDとモラルインジャリーの違いを教えてくれました。PTSDは症状として悪夢やパラノイア、被害妄想などなど今では良く知られているものです。
一方モラルインジャリーとは良心の呵責障害と言うもので、罪の意識や自分の行ってきた事への恥を感じるなど自分を責める事だそうです。
ロスさんはこのモラルインジャリーに罹ったのですが、病院に行っても治療は捗々しいものではなかったそうです。と言うのもアメリカでは退役軍人のその後のケアとしての病院はあるそうですが、そこではPTSDの治療はするけれどモラルインジャリーのケアはないそうです。なぜなら「イラク攻撃は正しかった」としなければならない政府の思惑があるからとのことです。
ロスさんは「アブグレイブ刑務所での米軍によるイラク人への拷問や虐待も明らかになったが、私は知らなかった。だから、イラク全体で米軍への抵抗運動がなぜ起きるのか理解できなかった。きっと米国人なら誰でも殺そうとする狂信的な奴らなんだと真剣に思っていたのです」と海兵隊のことを思い出しながら当時の心境を語ります。そんなロスさんですが帰国後明らかになってくる米軍の置き土産、つまり濃縮ウランや白リン弾の影響で奇形児の誕生が14、4%と驚異的な数字に胸を痛め、また今なお続いている紛争などなど考えるにつけ、
戦争犯罪を声を大にして叫ばなければならない、告発しなければならないという事で今に至っています。
ロスさんは最後に力をこめて訴えました。「アメリカの軍隊、軍事力とは人道目的ではなく戦略的目的である、つまり力で相手を意のままにするものある。日本の国民をアメリカの非道徳的、侵略的な戦略に協力させることが集団的自衛権の意味である。自衛隊員をPTSDに、国民をPTSDに曝す事」と。

次の柳沢さんは防衛官僚と言うことで、あの2004年のイラク人質事件の時が初仕事だったと言われていました。
自衛隊が今まで誰をも殺さず、誰も死ななかったことを誇りに思うが、
それは武器を持って行かなかったからだと強く主張。
今、安倍さんの押し進めて行く方向に危惧していて、今では集団的自衛権反対の立場でここに立っている。と話されました。

最後の谷山さんはボランティアの立場から、
日本が武力攻撃に参加することは、現地で活動している自分たちの生命が危ぶまれているのだと強調。
戦争直前に気がつくのではなく、気配が生じたとき、敏感に対応して行く事が必要では、、、と語られました。

まだ書きたいのですが。
出かけるので次回に回します。
今回はここまで。

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2010.03.07

イラク 総選挙

いよいよ、注目のイラクで総選挙。
現地時間で7日に行われます。
つまり、今日。
3月4日の時点で、

定数325の議席に対して主要5会派を中心に6218人(うち女性1798人)が立候補。

注目です!!!

イラクの現状はいまだ不安定です。
日テレニュースにも以下のように紹介。
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イラク戦争でバグダッドが陥落してから7年。イラクの国会にあたる国民議会の選挙が7日に行われる。しかし、4日も投票所などで自爆テロが発生して17人が死亡するなど、依然、情勢は不安定だ。民間人の死者は戦争開始から現在までに10万人を超えるといわれている。
(上記ニュースより)
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選挙控えたイラクでテロ相次ぐ、17人死亡など厳戒態勢の中での投票です。

フゥム。


選挙候補者は、人権尊重の公約をと訴えるのはHuman Rights Watchのサイト。
イラクの現状が混迷している様は想像に難くありません。

この問題も今後にわたり、フォローしていく予定です。

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2009.11.03

鳩山総理、イラク戦争は間違いであった、と。

昨日11月2日。
日本政府として、鳩山由紀夫総理が衆院予算委員会で「イラクに対して戦争を始めること自体が誤っていた」と表明しました。!!!
素晴らしい。
もう一度。
「イラクに対して戦争を始めること自体が誤っていた」

政府がイラク戦争を「誤り」と評価したのは初めてです。

これは、自民党の町村信孝議員に対する答弁で言われたこと。
町村さんが「日米同盟の重要性」を指摘。
これに対しては、鳩山さんも共通の認識であることを述べた上で、
で、
その上で「若干、考え方が違う」としました。
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「(自公政権は)たとえば『ブーツ・オン・ザ・グラウンド』といわれれば、自衛隊を派遣する。私はイラクに対して戦争を始めること自体が誤っていた(と思う)」「なぜそのことをもっと強くアメリカに言わないのか、戦争はやってはいけないのだというようなことも申し上げてきた」と述べました。
=======

昨日は曇天で、今にも泣きそうな空模様。
そんな中、私は与野党逆転の初めての予算委員会。
午後からは自民党と言うことで、午前中に用事をすませ、
午後からテレビをつけて、自民党がどのような質問をするか、それはそれは楽しみでした。

そして、
町村さんの質問に対しての鳩山さんの答弁で、イラク戦争が間違いであったことを日本政府として認めたことになります。

フムフム。
鳩山さんは以前から「イラク戦争は間違い」と主張されていたから、
今回の答弁は驚くことはないのですが、
それでも、総理として衆議院予算委員会で述べたことは大きな意味があると私は思います。

Yesterday,the Prime Minister,Yukio Hatoyama,said 'The war in Iraq is wrong.
And it was wrong for Japanese Government not to advice to the Bush Administration"
That's true.
This is an officially opinion for the first time.
It's an epoch-making!
Thank you.

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2009.08.25

イラク問題について思うこと

イラクの女性は今?と言う先日のエントリーにコメントを頂いています。
あゆさん。
罵愚さん。
積分定数さん。
よさん。
ありがとうございます。
本来ならばコメント欄に書くべきですが、長くなるので此方に新しくエントリーを挙げます。

何故 私がイラク戦争は間違いだったのでは、と思うかと言う記事を書いたのは2005年3月31日。
イラク戦争が2003年3月開戦と言うことで、
二年目を迎えたときです。
イラク戦争開戦の公式理由を当時のブッシュ大統領は以下のように述べました。
===============
米英が主張した開戦事由は以下の通り。
イラクは大量破壊兵器の保有を過去公言し、かつ現在もその保有の可能性が世界の安保環境を脅かしている
独裁者サッダーム・フセインが国内でクルド人を弾圧するなど多くの圧政を行っている。
度重なる国連査察の妨害により、大量破壊兵器の廃棄確認が困難である
度重なる査察妨害によって、湾岸戦争の停戦決議である国連安保理決議687が破られている
国連安保理決議1154で「この決議に対するいかなる侵害も、イラクにとって最も重大な結果をもたらすであろう」という、湾岸戦争停戦協定(上記687)破棄条件の決議、つまり最終警告がされていた。
決議1441では『最後の機会』が与えられたにもかかわらず、イラク側は査察に積極的な協力をしていない。
フセインとアルカーイダが協力関係にある可能性がある。
===============
さて、2003年の当時、最大の公式理由とされた「大量破壊兵器」は見つからず、
時間と共に、アメリカによる捏造と明るみに出てきたのは周知の事実です。
そもそもこの理由は戦争勃発当時から破綻していました。
イラクは国連の査察を受け入れていないと思っている人が大勢いますが、実は2003年の1月9日にはブリクス国連監視検証査察委員会委員長が大量破壊兵器の決定的証拠は見つからずと証言しているのです。また2003年3月7日にはエルバラダイ国際原子力機関事務局長がイラクのウラン購入疑惑はありえないと報告。2003年3月 15日には仏独露はイラクへの武力行使には正当な理由がないという共同声明を行っていることはすでにニュースであの時流されていました。
その後、
元財務長官のポール・オニールが「政権開始当初からイラク戦争の計画はあった」と「暴露」。
開戦時のCIA長官だったジョージ・J・テネットは「ブッシュ政権内でイラク開戦前に同国の差し迫った脅威について真剣な協議は行われなかった」と自著で証言。
さらに、ジョセフ・ウィルソン元駐ガボン大使が2003年7月6日付けのニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した記事に端を発したプレイム事件によって、ブッシュ政権がイラクの脅威に関して意図的な情報操作(フレームアップ)をしていた疑惑が濃くなっていると証言などなど、、、と続出。
ダウニング街メモも衝撃でした。
そのメモは以下のように評価されました。
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メモの核心となるのは、MI6(アメリカのCIAに相当する)のディアラブ長官による次の発言である。

──アメリカ政権の態度が明らかに変わってきた。武力行使はもはや当然だと見なされている。攻撃を正当化するために、テロリズムと大量破壊兵器を同時に[サダム政権と]結びつける。しかし、政策に合わせて情報を作り上げ、事実をねじまげているだけだ──

ブッシュ政権がイラク侵略を正当化するために、サダム政権とアルカイダの関係や大量破壊兵器の脅威を利用すること、そしてそれがすべてウソであることをイギリス政府は(そして、おそらく世界の数多くの政府も)知っていた。ストロー外相は、イラクを侵略する「理由が薄弱だ」として、次のように説明している。

──サダムは近隣諸国の脅威とはなっていないし、大量破壊兵器を開発するイラクの能力はリビア・北朝鮮・イランよりも劣る──

その上でストローは、武器査察団を受け入れるかどうか、サダムに最後通告を出すよう国連に働きかけるべきだと対策を提案し、サダムが拒絶すれば攻撃する理由となることを示唆した。つまり、国連のイラクに対する通告は、戦争を回避するためではなく、イラク侵略を正当化するために仕組まれたものだった。

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そして、その中で改めて戦争犯罪について言及しています。

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ゴールドスミス法務長官の次の証言に注目しよう。

──イラクの政権交代がいかに望ましく思えても、それだけでは軍事攻撃の法的な根拠とはならない──

イギリス人が好む乾いたユーモアだが、長官が意味したことは、ブレア首相も会議に顔をそろえた面々もよく承知していたに違いない。侵略戦争は国際法に反する。もっとも厳しく裁かれる大罪である。ニュルンベルク裁判の判決文には次のように記されている。

──戦争は本質的に邪悪なものである。その影響は、交戦国の間にだけに留まらず全世界に及ぶ。よって、侵略戦争を遂行することは、単なる国際犯罪ではなく、究極の国際犯罪となる。あらゆる犯罪を引き起こす侵略戦争は、すべての悪を内包するという点で、他の戦争犯罪と隔絶している──

これを「平和に対する犯罪」と呼び、「人道に対する犯罪」と並ぶ大罪と規定している。ニュルンベルク裁判と東京裁判で、「平和に対する犯罪」を問われた戦犯は全員が絞首刑を宣告された。

アメリカは、自国の利益のために国際法の精神を踏みにじり、国際刑事裁判所(02年4月に効力発生)の権威も認めていない。しかし、ヨーロッパの諸国は国際法を尊重している。イギリスも例外ではなかった。だがゴールドスミス卿は、不法行為を憂慮しながらも、攻撃を正当化するために何らかの法的根拠を用意する役目を引き受けている。

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と。

戦争の「大義」はそもそもなかったのです!!!
なんと言い張ろうとも。

そして肝心のブッシュさん。
イラク戦争は間違いだったと自ら認めたのは2005年12月。
だが、
イラク派兵を続行。
イラクも言うに及ばないことですが、アメリカ人にも甚大な被害が出て、
国内でも反戦活動はピークになります。
そして、ついにイラク戦争においてテロ悪化をアメリカ政府は認めました。
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米政府は26日、イラク戦争とテロの関係について分析した機密報告書「国家情報評価」(NIE)の結論部分の機密指定を解除して公開した。イラクでの紛争が「イスラム世界への米国の干渉に対する深い恨みを生み、地球規模のイスラム過激派運動への支持を拡大させた」と分析。今後5年間は、イスラム過激派が拡大を続けるだろうと予測している。
今年4月にまとめられたこの報告書の骨子は、ニューヨーク・タイムズ紙が24日に報道。野党民主党は、9・11テロから5年で米国はより安全になったというブッシュ大統領の主張と反対に、イラク開戦が脅威を悪化させたと批判していた。公開された文書は報道内容を大筋で裏付けており、ブッシュ政権への攻撃はいっそう強まりそうだ。ブッシュ氏は公開に先立つ記者会見で、「海外でこれらの殺人者を負かさなければ米本土が脅かされる」と強調。報告書はイラク開戦が過ちだったという結論に導くものではないと反論した。「自分たちで読んでみるといい。詮索(せんさく)はやめよう」と機密解除を命じたことを明らかにした。「地球規模のテロの傾向——米国にとっての影響」と題した報告書の結論部分は、「米国の対テロ努力が(国際テロ組織)アルカイダの指導部を大きく傷つけ、作戦を妨害してきた」としつつも、アルカイダやその関連グループ、独立系も含めたイスラム過激派全体は拡張しているとみている。
特に「イラクにおける『聖戦』が、新しい世代のテロ組織指導者や作戦員を生んでいる」とした上で、イスラム過激派がイラクで勝利を収めたと考えるようになれば、「より多くの戦闘員が活気づき、ほかの場所でのテロ闘争を継続するだろう」と予測した。
アルカイダが、報告書作成後に米軍作戦で殺害されたザルカウィ容疑者の組織と合流し、イラクを新たな志願者や資金集めに利用しているとも警告した。報告書は、中央情報局(CIA)など米政府の16機関の総意として、国家情報評議会(NIC)がまとめた。
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こんな事実の積み重ねをみても、いまだ「イラク戦争は間違いではない」と主張する方の言い分はなんなのか?
ブッシュさんでさえ、間違いを認めているというのに、、、

正義の戦争とか交戦権と言うこと???

以前戦争とは正義と不正義なのか?と言うエントリーを挙げて「戦争の大義名分」について考察を加えたことがあります。
まず歴史を見ました。
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まず「正義戦」正戦論の始まりは、3世紀、初期キリスト教の最高権威、教父アウグスティヌスから始まりまったそうです。
「モーゼ七書問題集」で正戦について「不正を罰するもの」と定義しました。
そして、、、
中世神学の確立とともに、トマス・アクィナスの「神学大全」では、この精神を受け、異教徒に対する戦争を「聖戦」と名を付けました」。
その定義は以下の通り。
1:君主の命令による事
2:正当な理由(不正の処罰)を持つこと
3:正しい意図に基づくものであること

その後カノン法に「正しい戦争とは不正な者への報復である」と言おう意味で「正当な権威」「正当な理由」「正義の意思」「勝利の展望」「均衡性」「最後の手段」と言う条件がそろっている場合のみ戦争の開始を承認するという原則ができあがりました。
(中略)
戦争への正義(jus ad bellum)
1正当な理由
2正当な権威
3比例性(結果として得られる善が戦争という手段の悪にまさる)
4最終手段
5成功への合理的見込み
6動機の正しさ

戦争における正義(jus in bello)
1区別の原則(戦闘員と非戦闘員を区別する)
2比例性の原則(なされた不正を正すのに必要以上の力を行使しない)

jus ad bellumよりjus in belloが関心・重大になってきます。
やがて陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約 (ハーグ陸戦法規 1907)などで戦争は合法化していきます。

しかし、
しかし、
人類は漸く戦争違法化への道を歩みだします。
それは第一次世界大戦後のパリ不戦条約。
国際連合憲章。
こうして、丸く収まるかに見えた正義の戦争論は、その後も二転三転します。
まず「侵略戦争か自衛戦争」というテーマで正しいか否かが争われました。
またマイケル・ウォルツァーの「正義と不正義の戦争」では1977年版では「戦争が地球上から消えるのは夢物語」と述べました。
が、1997年の第3版では「人道的な介入」と言う言葉で「他国での人権侵害されている人々の擁護」のための外交圧力や経済制裁もろもろを認め武力の介入も是としました。
しかし、このウォルツァーさえ、現実のイラク戦争に「正義」を当てはめる事は至難の業のようです。
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マイケル・ウォルツァーや、ハーバマース。
この戦後ドイツの代表的知識人、哲学者とされるハーバーマスは「野獣性と人間性」と題する論文で以下のように述べ物議を醸しました。
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「古典的な国際法の枠組みにおいては、これは主権国家の内政干渉、つまり介入禁止の侵害とみなされよう。(しかし)人権政策がその前提とされている場合は、この介入はたとえ武装していようとも、そしてたとえUN(国連)の委任が得られなくとも、国際共同体によって暗黙のうちに正当とみなされた平和構築のためのミッションであると理解されるべきであろう。このような西側諸国におけるコンボ紛争の理解は、(国家主体中心的な)古典的な国際法から世界市民社会のコスモポリタン的な法への途上における跳躍を意味している」
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このハーバマスさえイラク戦争は国際違反と批判したのです。
戦争の正当化をたんに国際法と合致させただけのハーバマスゆえ、正戦論がメビウスの輪であることを哲学者は知っていたのでしょう、、、

と、言うことで、
改めてイラク戦争は間違いであったと思います。
当時のフセインの独裁や、イスラエル問題、
また身近に北朝鮮などなど、、、
世界に戦争や紛争は至る所にあります。
解決を望み、願う私ですが、
その手段は決して武力、力であってはならないと思います!!!
国際社会が率先して行うことは粘り強い対話では、と考えます。

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2009.08.19

イラクの女性は今?

イラクの女性は今、如何にあるか???
いつもコメントを下さる罵愚さんから「女性の権利について、フセイン時代と今ではどうなったか?」と言う随分前に頂いた質問を改めて頂き、ちょっと調べてみました。
サダム・フセイン、イラクの独裁者です。
国際社会からも批判され、国連からも度重なる注意を受け、と、問題児であったことは言うまでもありません。
ありませんが、
が、
アメリカがイラクに攻撃した「事実」は間違っていたと私は思います。
あの当時、随分記事にしたのですが、
もしお時間がありましたらカテゴリーの「イラク問題」を御覧頂けたらと思います。
さて、話を戻すならば、そんな独裁のフセインですが、女性問題に関しては通暁していたようです。
「女性解放運動も積極的に行なわれ性別による賃金差別や雇用差別を法律で禁止し、家族法改正で一夫多妻制度を規制、女性の婚約の自由と離婚の権利も認められた。女性の社会進出も推奨し、当時湾岸アラブ諸国では女性が働くことも禁じていた中で、イラクでは女性の公務員が増え、イラク軍に入隊することも出来た。男尊女卑の強い中東において「名誉の殺人」が数多く行われていた中、この「名誉の殺人」を非難した人物であることは、あまり知られていない。(この点だけはイスラーム世界の女性解放運動家に支持されている。ソマリア出身のオランダ下院議員であるアヤーン・ヒルシ・アリもサッダームのこの一連の女性政策を支持している)。もっとも、91年の湾岸戦争以後は、イスラーム回帰路線を推し進め、この「名誉殺人」も合法化している。」とwikipediaにはあります。
さて、今、イラクはどうか。
宗派ギャングによる女性殺害を止めさせよう!と言うことで、イラクでは今も女性が、あるいは多くの民間人が犠牲になっている現状を伝えるために、昨年IFCのフリヤル・アクバルさんが広島を訪れ講演しました。
その中で、
「宗派主義ギャングに反対して立ち上がり女性の殺害を終わらせよう」と強く主張。
現実として「バグダッドのIFC本部で、特にバスラし(バグダッド南方500km)における武装ギャングどもによる女性の暗殺が最近増加しているとのこと。
そして、
フリヤル・アクバルIFC女性局長は、「私たちは女性殺害を終わらせなければなりません。女性は今日、宗教主義、宗派主義のギャングどもに対してあらゆる手段を使って自らを防衛するどんな権利も持っています。」と述べたと記事には書いてあります。
これに先立ち、イラクでは 「イラク自由会議」が行われたのですが、それについては、イラク占領により広がる女性受難─宗派浄化と並行する性浄化と言うニュースが詳しく報じています(2008年3月16日の日刊ベリタ「イラク情勢」特集の一つです。)
記事によれば、
「今、占領下のイラクでサダム政権下では見られなかったスケールで女性の受難が続いています。」とのことで、さらに具体的な事実が書かれています。
最後は以下のように結んであります。
「「シーアでもない、スンニでもない、我々は人間だ」のキャンペーンはイラクと世界のすべての自由を愛する人々に、「女性の殺害にノー、性浄化を進めるギャングたちにノー、女性迫害者のいないイラクにイエス」の旗を掲げるよう訴える。」と。
 
さらに2009年、今年の3月には【IFC・イラクの女性と連帯 国際女性デーのつどい 占領終結へ3・21国際共同行動を】と言う行動が大坂や東京で行われました。


また、フセイン時代のイラク女性はどのようであったかを調べてみました。
ワシントン・ポストの2004年の記事に寄れば(http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A21321-2004Jan15.html)
「イラクの女性はイスラム世界では最も近代的な法の保護を享受してきた。サダム・フセイン政権はそれらの権利に抵触することはなかった。」とのことです。
確かに宗教として一夫多妻制が強いられていたイラクですが、記事に寄れば、
暫定政府の政策はフセイン時代をさらに上回る抑圧を女性に強いたとしています。
【イラク女性自由協会 全交に参加 占領下の抑圧と闘う女性】2004年7月の記事。
「民主化」が招く女たちの闘いサブタイトルは「自由な民主国家の建設というアメリカの復興シナリオに逆行して女性の自由が奪われようとしている」というもの。
2005年3月の記事です。
この当時のイラクについて記事は語ります。
「サダム・フセイン時代のイラクは残虐な独裁体制だったが、女性の権利は比較的尊重されていた。バース党は男女同権を公言し、多くの社会問題でそれを実践した。
女性は自分から離婚できたし、財産を相続したり、離婚後も子供を手元に置くことができた。専門職に就く女性も一般的で、高い地位を得る者もいた。教育の機会も男性と均等で、街中ではスカーフをかぶる必要もなかった。
だがイスラム教シーア派の多い地域では、女性が社会的に高い地位を認められることはなかった。そのシーア派は、スンニ派のフセイン政権下でこそ冷遇されたものの、今や新政府の支配勢力だ。
状況はすでに、活動家らの予想を上回る勢いで悪化している。アメリカの人権擁護団体フリーダムハウスが5月に発表する報告書によると、学校や大学における女子学生の出席数が減っている。
「私たちはイラクで半世紀以上も現代的な生活を送ってきた」と、「イラク女性自由組織」のトップ、ヤナー・モハメドは言う。「(イラクは)欧米諸国の思い描く保守的イスラム社会とは違う。政治的なイスラム勢力の台頭に、私たち自身も驚いている」
嫌がらせを恐れて、多くの女性が外出そのものを控えている。ウィメン・フォー・ウィメン・インターナショナル(WFWI)の推定によると、事実上自宅に引きこもっているイラク人女性の数は、数百万人にのぼる。」と。

こうしてツラツラと見ていくと思い出すのはナショナリズムとジェンダーと言うタイトルの本を書いた上野千鶴子さん。
そのエントリーを挙げたとき冒頭で以下のように書きました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜国民国家を超える思想は論理必然的にこの結論へとわたしたちを導く。「女」という位置は、「女性国民」という背理を示すことで国民国家の亀裂をあらわにするが、そのためには「女=平和主義者」という本質主義的な前提を受け容れる必要はない。「国民国家」も「女」もともに脱自然化・脱本質化すること——それが、国民国家をジェンダー化した上で、それを脱構築するジェンダー史の到達点なのである。〜〜

上野千鶴子さんは「ナショナリズムとジェンダー」の最後をこの様にして締めくくります。
彼女の一貫した主張は、今までの歴史の数々が語る正史とは、
それが民族の解放であれ、階級闘争であれ、いずれも女性解放が高らかに謳われ、勝ち取られたことはかってない。というものです。
ちょっと長いですが、さらに引用。
 「フェミニズムは国家を超えたことがないという歴史にもとづいて、フェミニズムは国家を超えられない、と宣告すれば、わたしたちはふたたびさまざまな国籍のもとに分断されることになる。もはや「シスターフッド・イズ・グローバル」という楽天的な普遍主義に立つことは誰にも不可能だが、ジェンダーという変数を歴史に持ち込んだのは、そのもとで階級、人種、民族、国籍の差異を隠蔽するためではなく、さらなる差異——しかもあまりに自然化されていたために認識されていなかった差異、いわば最終的かつ決定的な差異——をつけ加えるためではなかったか。
 ポストモダンのフェミニズムのもとでは、ジェンダーのほかに 人種や階級という変数が加わった、と言われるが、むしろ人種や 階級という変数がジェンダーという変数を隠蔽してきたことを、 フェミニズムは告発したはずだった。人種や階級という変数は、 新たに発見されたのではなく、ジェンダー変数を契機として、よ り複合的なカテゴリーとして「再発見」されたのである。」
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そして最後に「本当の意味での女性解放について考がえていかなければならない提案の書です。
複雑で多種多様な価値の中で、一般化するにはいささか問題が大きく、ともすれば本質が見えにくくなるjフェミニズム問題。まだまだ課題は山積です。」と結んだのですが、
今、改めて「戦争と女性」を調べる中で、その解決の一筋縄でいかないことを思うものです、、、、、
この問題、今後も注目していきたいと思います。


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2007.11.28

ねじれ目線

イラク戦争、、、
あれから4年余り経ちました。
その間、いろんなことがありました。
ともすると記憶の彼方に追いやられそうなイラク戦争。
まだまだ平和とは名ばかりで過酷な現実を日々送っていらっしゃる人々のことを忘れたわけではありません。
どうにかして、イラクに真の平和や安寧を祈りつつ、願いつつ、、、

それでも、
それでも、
この間のアメリカ政府や日本政府の在り方に対しては疑問を持たざるをえません。
また事実を知れば知るほど、無辜の民を犠牲にして憚らないアメリカ政府や追随する日本政府への不信は大きくなるばかりです。

そんな折り、昨日参議院で、自衛隊のイラク派兵の根拠法であるイラク特措法を廃止し、自衛隊を撤退させる同法廃止法案(民主党提出)が野党の賛成多数で可決されました。
ここにいたってなお自民党と公明党は反対。
今日参院本会議で可決され、衆院に送付される見通しです。

イラク戦争の「大義」と言うものはフセインの像が崩れたように、随分前から崩れ去っています。
大義なき戦争であったことはブッシュ大統領みずからが認めています。
このブッシュ戦略に賛成の意思を示し多くの指導者は政界から去っています。
また軍隊も撤去しています。
大義なき戦争に加担する『正義」を人々は是としないからです。
ところが、
ところが、
ところが、
大義があろうが、なかろうが、
そんなことはおかまいなし。
ひたすら、ひたすらアメリカいいなりの国がここにあります。
そう、
日本です。
残念ながら日本なのです、、、

いえ、
日本ではありません。
日本の中の自民党と公明党です。
アメリカでさえ、来年中の撤退を求める法案が米下院で可決。
イラク駐留米軍のサンチェス元司令官も「終わりが見えない悪夢」が続いていると発言。
泥沼状態のイラクを尻ぬぐいさせるのは日本の役目ということか、、、
実際、イラク占領への参加国は、33から26カ国に減少
 
さすがの石破さんも(今後の米軍駐留が)どういう形になるか分からない状況の中で、お答えしかねる」と答弁。
答弁はしているものの、実際にはアメリカ言いなりの施政しかとることができない自民党と公明党。
どうもねじれているのは国会ではなくて、
自民党と公明党の目線が国民ではなくてアメリカであるというそれが原因なのかもしれません。
この際、ねじれ国会とはいわず「ねじれ目線」と言った方がよろしいかも、、、

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2007.03.20

あれから4年

アメリカのイラク攻撃から4年になりました。
思い出します。あの日を。
それ以来、随分イラクに拘り続けました。
カテゴリーの「イラク問題」を見ると、我ながら随分書き込んだと思います。

大量破壊兵器を持っていると嘘と誤魔化しでイラクに攻め入ったアメリカ。
その結果、20万人以上ともいわれる死者をだし、数百万人を避難民にしています。
イラクは政府を漸く発足させたものの、宗派間対立が高まり治安は悪化するばかり。
復興もままならない泥沼状態。
この責任が軍事力でイラクを支配しようとしたブッシュ大統領にあることは明らかです。
実際、ブッシュ大統領、本人も認めているところです。
また、同時にいち早くイラク開戦を支持し、自衛隊を派兵して米軍作戦を支援。
今も続けている日本政府の責任も大きいのは言うまでもありません。

国連憲章にもとづく平和秩序よりも「日米同盟」を最優先した当時の小泉さん。
また安倍さんもブッシュ大統領にエールを送っています。
この1月に発表した軍事力強化で抵抗運動を一掃する新政策について、
「良い成果をあげることを期待する」(30月日参議院本会議)と述べています。
世界の動向はイラク戦争収拾、軍隊撤去動き出しているにも関わらず、日本はいまだアメリカの言いなりでイラクに駐留。
実際、日本の航空自衛隊は、米兵・軍事物資を空輸することによって、新たな米軍攻撃作戦を支える役割を果たしています。
これは憲法違反です。
1990年10月26日政府統一見解なのです。
いまだこの見解の修正は無いにもかかわらず、自衛隊はひたすら米軍のために活動しています。
憲法違反であることは明白です。
また今年7月に期限が切れるイラク特措法を2年間延長し、航空自衛隊の米軍支援を続けるつもりです。

イラク戦争は間違いだった、、、という事実をしっかりと認め、
今後、自衛隊がイラクの地へ戦争支援のために赴くことのないように、
特措法の延長には反対です。
安倍さん。
美しい国とは一体どんな国なのでしょうか???
アメリカの言いなりに、
基地を作り、お金を出し、日本の企業を壊し、日本の農業を壊し、
ついには国民まで差し出す国がアナタの美しい国なのでしょうか?

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2006.06.23

自衛隊撤退の意味 再考

陸上自衛隊撤退のニュースが出てから、私は随分、考えました。
総理の意向は次のようなものです。
「イラク・ムサンナ県の治安権限の移譲もあり、陸自を撤収したい。今後、空自、ODA(政府開発援助)などで協力していきたい」。
また空自については、
・バグダッドへの拡大を安全確保なども検討しつつ、「今後考えていきたい」「検討していきたい」。(これに先立ちラムズフェルド米国防長官と額賀福志郎防衛庁長官の会談あり。アメリカは空自の輸送活動をバグダッドに拡大するよう要請。これに額賀福志郎防衛庁長官は「ニーズに応じて考えていきたい」と答えている)。
・次にアサドへの拡大を安全確保なども検討しつつ、今後考えていきたい」「検討していきたい」。(米海兵隊のニュースによると、バグダッド西方のアサド空軍基地を空自隊員が調査し、「命令が下ればここに飛ぶ準備が整っている」「活動範囲が拡大していくだろう」と答えている。)
・今後、人と機材を増やす可能性としてC130輸送機の三機態勢についても「検討していきたい」。
・空自撤退の条件については「いまはいえない」
とのこと。

イラク派兵は何を意味し、これから何を予想させるかと言う事についてです。
考察を深めていく手掛かりとして、次の点について述べます。
・「イラク復興」支援が何故自衛隊だったのか。
・イラクの現状は今、どのようか。
・今後、我が国はどのような道を選択すべきか。

まず・「イラク復興」支援が何故自衛隊だったのか。
人道支援なら民間・ボランティアでもいいのではないか。寧ろその方がいいのではないかと思うところですが、、、それは、最終的にはアメリカの要望がちらつきつつも表向きは
非戦闘地域とはいえ、戦闘地域だから軍隊ではないが自衛隊だったのでしょう。
以前の記事でも書きましたが国民の多くの不安をよそに2003年7月26日 「自衛隊派兵のためのイラク特措法」が成立。翌年1月19日 陸自先遣隊、サマワ入り(本隊は2月8日に到着)。
今までに、全国各地の師団・旅団からなる「イラク復興支援群」(約500人)と、陸自幕僚監部が選抜した「業務支援隊」(約100人)で構成。これまでに約5500人が派兵されました。 海上・航空自衛隊を合わせた派兵人数は約7600人です。

表向きの理由は、「人道復興支援」。
テレビでもよく自衛隊の隊員がイラクの人々に水を給水している「ありがたい」映像が流れました。
さらに医療支援、学校建設・道路補修などの公共工事を行ってきました。
しかし、外務省がODA(政府開発援助)で6基の浄水装置を提供し、陸自の十数倍の供給が可能になったため、昨年2月に既に打ち切りに追い込まれていました。
次に力を入れたのが公共工事。
しかし、実際に陸自が建設を行うのではなく、イラク人を雇用し、作業を監督するだけでした。このため、サマワでは、「自衛隊がどこで何をやっているのか分からない」という声が相次いでいたのが現状です。

次に二番目の問題。
現実にはイラクは今、どの様な状況でしょう。
戦争開始から3年3カ月。
これまでに戦争で10万人以上ともいわれる民間人が命を落としました。
現在でもイラクの混迷は連日伝わってきます。
米民間調査機関は、戦争勃発から昨年末までに国外に逃れた避難民は約90万人に達したと報告。
この混迷は世界各国のイラク派兵軍隊を撤退させ、遂に、サマワのオランダ軍とオーストラリア軍も撤退。
日本の陸自も撤退を余儀なくされました。 

そして、最後に今後、日本はどうすべきかという問題です。
航空自衛隊は残ります。空自は19日現在で330回、約472トンを空輸。
これは大部分は陸自関連の人員・物資でした。しかし今、陸自が撤退すれば、イラクでの自衛隊の活動は米軍支援に特化することになります。
その活動範囲をイラク全土の24空港に拡大したことは、既に知るところです。輸送先を戦闘が続いているバグダッドや北部地域にまで広げることを決めました。拡大される空自の輸送支援は、米軍・多国籍軍の戦争継続を支える要となります。

何回も書いていますが
「イラク戦争は誤り」でした。
ブッシュ大統領は、フセイン政権が「大量殺人兵器で平和を脅かす無法な政権」だといって攻撃をはじめました。
が、大量破壊兵器を発見しようと大規模な調査を行いましたが見つけることはできず、それどころか攻撃の理由そのものが嘘であったことが明るみになりました。
そして遂に大統領自らその誤りを認めました。
その間、38カ国だった軍隊派遣国の多くがアメリカのうそに反発し相次いで撤退。
24カ国にまで減っています。

イラク戦争はベトナム戦争とも並び称されますが、
結局、武力は解決にはならないのです。
ここまでグチャグチャになったイラクではありますが、
その復興のためにはアメリカ主導ではなく、
国際社会の合意で進むしかないように考えます。
イラク独自の宗教の問題を含め、
イラク人の手による復興の支援を行うことを一番に考えた場合、
答えは自ずと出ると思います。
つまり日本は空自も撤退。
米軍もあるいは多国籍軍も速やかに撤退することは理の当然です。
独裁者であるフセインは、倒れた。
後はイラク人に任せるしかない。
と思います。
いずれにしても、
いずれにしても、
これ以上、どの国からも、どの様な人々も戦禍で死ぬことがありませんように!!!

この問題、これからも拘ります。

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2006.06.20

イラク陸自撤退

イラク陸自撤退を正式表明と言うことです。
総理は「サマワ地域の陸上自衛隊部隊を撤収させることを決めた」と発表。
2004年1月20日から、実に2年と5ヶ月の派遣でした。

世界中の人々が注視の中始まったイラク戦争
大義なき戦争は、その後次々と実態が暴露され、ついにブッシュさんをして「情報は誤りだった、責任は私にある」と言わしめました。2005年12月14日のこと。開戦より1年と9ヶ月のことです。
しかし、そのブッシュさんの誤りを認める発言を聞いてもなお我らが小泉さん。がんばりました。
小泉語録その1
その2の記事に詳細を述べておきました。お時間がありましたらご覧ください。

と、まぁそんな小泉さんでしたが、遂に陸自は撤退。
無事のお帰りを祈っています。
ただ空自はまだ残る模様。
今後のイラク情勢に注目です。

なおイラク関係については、かなり拘って書き込んでいます。
2005年の3月には、
何故 私がイラク戦争は間違いだったのでは、と思うかという記事を皮切りに、時々の情勢を追っています。
これからも、しっかりと見ていき、考えていきたいと思っています。

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